サガンはなぜアルミのALLEZ SPRINTでレースに出たのか?

ちょっと前の話になりますが、サガンがツアーダウンアンダーにて、アルミフレームのALLEZ SPRINT DISCに乗って出場したことで話題になっていました。
サガンというと、レースではカーボンフレームのターマックもしくはヴェンジで出ることが多いですし、そもそもアルミフレームってどういうこと?と思った人もいるかもしれません。



なんでサガンはアルミフレームに乗ったのでしょうか?

ALLEZ SPRINT DISC

乗ったロードバイクはこちらです。
付いているパーツは、もちろん市販されているアレースプリントとは違うものです。
パーツスペックはこちら。

フレーム アレースプリントディスク

(アルミフレーム+カーボンフォーク)

コンポ シマノ R9170

(油圧ディスク&電動デュラエース)

クランク シマノR9100 53-39
スプロケ シマノR9100 11-28
BB セラミックスピード
ホイール ROVAL CLX64
タイヤ S-Works Turbo RapidAir 26c (TL)
重量 8.0キロ

プロが使う機材にしては重く、重量は8.0キロとのこと。
アレースプリントはスペシャライズドが誇るE5ランク高品質アルミ合金です。
いまだにこの表現を聞くとA5ランクの高品質和牛を想像する私は、病的レベルですw

特筆すべきはプロレースとしては珍しくチューブレスタイヤであることでしょうか。

ちなみにアレースプリントに乗ったのは、初日のクリテリウムだけです。
なぜサガンはターマックやヴェンジではなく、アレースプリントに乗ったのでしょうか?

考えられる理由

ここからは私の勝手な想像です。
なぜサガンはアルミフレームで戦ったのでしょうか?

重量面?

プロレースでは惜しみなくいい機材を使いますが、いい機材を組み合わせていくと、勝手に重量制限である6.8キロ以下になってしまうことがあります。
プロレースではそういう場合、わざわざ重りをつけて重量を増やしてレースに出たりします。

ヴェンジなどのカーボンフレームにすると6.8キロ以下になってしまうから・・・というのは無さそうです。
まず、今回のバイクは重量が8.0キロとのことですので、カーボンフレームにしても余裕で6.8キロ以上にはなります。

よくある軽量フレームの場合、プロスペックのパーツ構成にすると普通に重量制限に引っかかるため、重しを付けると書きました。
この重しは人工的にどこかに付けるわけですが、変な位置に付くとバイクとしての重心などのバランスがおかしくなるため、それならば最初からもう少し重いフレームにしたほうがバランスがいいという意見もありますが、今回のサガンの件で言うと、重量制限回避のためにアルミフレームに乗ったわけではないでしょう。

剛性?

よく言われることですが、アルミフレームは剛性が高いと言われます。
今回はクリテリウムで使ったわけですが、クリテリウムは短めのコースを周回するため、コーナーリングで大幅に減速→立ち上がりで加速を繰り返します。
その際に剛性が高いフレームのほうが有利・・・と言いたいところですが、一般論としてはハイエンドアルミフレームとハイエンドカーボンフレームを比べた場合、カーボンフレームのほうが剛性は高いです。

ここで注意な点ですが、振動吸収性と剛性は関係ありますが関係ありません(どっちやねんw)。
というのも、フレームの振動吸収性という表現の場合、素材自体の振動減弱性能と、フレームのシナリによる振動吸収の二つがあります。

素材としてみた場合、アルミとカーボンではカーボンのほうが振動減弱能力は高いのです。
そしてハイエンドのカーボンフレームの場合、シナリで振動を吸収するというよりも、振動吸収は素材のほうがメインで、駆動剛性を上げるためにシナリは少ない(=剛性が高い)ことがほとんどです。

アルミのハイエンドフレームとカーボンのハイエンドフレームを比較した場合、一般論としては振動吸収性も駆動剛性もカーボンフレームのほうが上です。

剛性重視のためにアルミフレームに乗った・・・というワケではないような気がします。

宣伝目的

サガンのような人気選手がレースで使った機材は、【サガンもレースで使ったフレーム!】という宣伝文句になります。
これは強力な宣伝ツールですよね。

アレースプリントにはサガンコレクションと言うモデルもあるわけですが、スペシャライズドがアレースプリントディスクを売っていきたいためのツールだったという見方も出来ますね。

スペシャライズドのHPを見ると、アレースプリントの謳い文句はこんな感じです。

Allez Sprintは上りもコーナーも全力疾走も、すべてをパーフェクトにこなします。スペシャライズド史上最も先進的なアルミ合金製ロードバイクであるAllez Sprintは、クリテリウムレーシング用としても、毎日乗り回すロードバイクとしても優秀で、高いコストパフォーマンスを誇ります。
https://www.specialized.com/jp/ja/allez-sprint-frameset/p/154236?color=237212-154236

恐らくは宣伝目的かと

今回のレースでサガンがアルミフレームのアレースプリントディスクに乗った理由を推測していくと、恐らくですが重量面とか剛性面などの性能的にカーボンよりもいいと考えたからではなくて、宣伝的要素が強いのではないかと思います。
ツアーダウンアンダーというのはオーストラリアで行われるレースですが、このようになっています。

毎年1月第3火曜日に開幕し、日曜日までの6日間に亘って行われる。ただし初日の2日前の日曜日に顔見せとしての「ダウンアンダー・クラシック」(UCIグレード認定無し)という、ダウンアンダーの総合成績には含まれないクリテリウムレースも行われるため、実質7日間のレースとなる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

初日のクリテリウムは総合成績に含まれない【顔見せ的なステージ】なので、まさにこのタイミングで顔見せ的にアルミフレームを宣伝したと見ていいのではないでしょうか?

近年、アルミフレームでプロレースに出るというのは極めて少なくなっています。
私が前に乗っていたビアンキのIMPULSO(アルミフレーム)も、2011年頃にヴァカンソレイユDCMがパリルーベという石畳のガタガタ道レースで投入して驚いたことがありますが、当時はビアンキのカーボンフレームというと初代オルトレ、センプレ(レーシングバイク)、インフィニート(エンデュランスバイク)くらいしかありませんでした。

当時のインフィニートというのは、現行モデルのインフィニートCVとは全く別物で、105完成車で25万円程度のロードバイクでした。
プロがレースに使うだけの剛性はなく、どちらかというと現行モデルのインテンソに近いフレームでした。


《在庫あり》【ボトルプレゼント】Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル INTENSO105 (インテンソ105)[カーボンフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]

レーシングバイクでパリルーベはきついし、カーボンのインフィニートだと剛性がそんなに高くないし・・・ということであえてある未エンデュランスバイクのIMPULSOを投入したのではないかと推測していました。

《在庫あり》Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル IMPULSO105 (インプルーソ105)[アルミフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]

今回のサガンのアルミフレームですが、レースという側面で見るとアルミフレームを選択するメリットは特にないので、顔見せ的なステージであることも含めて、広告的に乗ったのではないでしょうか?
(性能が悪いフレームという意味ではありません。もっと良いフレームは普通にあると言う意味です)

私がIMPULSOを買った理由のひとつに、プロレースでも投入されたフレームだからということも正直ありました。
アレースプリントディスクも【サガンがプロレースで使った】というお墨付きをもらったわけですし、アルミフレームの中では人気が出そうですよね。




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする