カーボンチューブラーならブレーキ熱に強い!初心者向きでは?【質問いただきました】

カーボンリムのホイールについて質問を頂きました。

丁度1年近く前、ぼちぼちカーボンのディープリムが欲しいなーと思い、色々と調べたのですが、周知の通りキャリパーブレーキ用のカーボンクリンチャーは、熱で破損する危険があるという事で中々一歩を踏み出せずにいました。
そして、破損の原理などを色々調べていくと、ふと思い当たることがありました。

あれ?これってチューブラーだと原理的に破損は起こりようがないんじゃね?と。

クリンチャーの端の、タイヤを引っ掛ける薄い部分が熱で柔らかくなり、内部のチューブの圧力に負けて変形する、というのが、私の理解している破損の原理なのですが、この辺チューブラだと全てクリアされるよなと。事実、チューブラー用の高級タイヤって内部にラテックスチューブが入っていますし、熱問題は(クリンチャーと比較すればかなり)関係無いのかなと思いました。

そういう事で、色々と悩んだ挙句、私は1つ前のMadone9に乗っていますので、1番似合うであろう、というか本来の装備であるアイオロス5のチューブラーを購入しました。

今年は夏のかなり暑い時期も、峠の下りでそれなりにブレーキをガンガンかけたのですが、肉眼で見る限りでは特に問題は発生していません。当然乗り心地も非常に良く、すっかりチューブラー派になってしまいました。まだパンクは経験していないので、パンクを経験すると意見が変わるかも知れませんが(笑)、クリンチャーの友人が何度もパンクするのを尻目に、去年はノーパンクでやり過ごせました。運が良いだけでしょうが。勿論予備チューブは持ち歩いていますけれども。

チューブラーとクリンチャーの話題が出る時って、パンク系の話や、リムの軽量性の話、転がり抵抗の話などが殆どな気がしています。
もし、私の考えている事がその通りであれば、熱による破損が怖くてカーボンホイールに手を出すのを躊躇している方への提案というか、チューブラーホイールの新しい利点を提示出来るのかなと考えています。
これについてはどう思われますでしょうか?




回答いたします。

カーボンチューブラーリムは熱に強い


Fulcrum – SPEED 55C C17 カーボンロードホイールセット

カーボンリムの場合、よく懸念されることとしてはブレーキングでの熱が籠り、結果的にリムが変形するトラブルですね。
これについてですが、質問者さんが言う通りでして、問題なのはカーボンクリンチャーもしくはカーボンチューブレスです。
カーボンチューブラーではほぼ熱変形トラブルは起こりません。

カーボンリムというのは、アルミリムに比べると熱の伝導性が悪いのです。
アルミリムの場合、熱の伝導性がいいので、リムの一か所がブレーキ熱で高温になったとしても、リム全体に伝導しながら冷まされるようなイメージで、リムの放熱性がいいです。
カーボンリムの場合、強くブレーキングした個所が高温になっても、それがリム全体に伝わっていかないので、結果的に放熱性が悪いわけです。

クリンチャーやチューブレスの場合、タイヤを引っかけるフックがあるわけですが、ここがブレーキ熱により変形する可能性があります。
シマノがカーボンクリンチャーを発売しない理由は、まさにこれだと言われています。
リムの放熱性の問題からシマノが求める耐久性基準を満たせないのではないでしょうか?
シマノのカーボンホイールは、リムブレーキ用だとチューブラーしかありません。
ディスクブレーキ用だとブレーキ熱が関係ないので、カーボンチューブレスもあります。

マヴィックも当初、アルミで補強したカーボンクリンチャーホイールを出したりしてましたよね。

で、チューブラーリムの場合、フックがないので熱変形は起こりにくいです。
ただし熱によりブレーキ面が波打つようになるケースはあるようなので、当て効きして峠を下るとかはやめておいたほうがいいと思います。

ちなみにカーボンリムの放熱性を考えた場合、ベストなブレーキングは強く・短くです。
ずっと弱く当て効きさせるとリムに熱が籠もるので、強く短く当てるのがベスト。
リムは回転体なので、一度ブレーキングから解除すると回転に寄る空気の流れで冷却される方向に行きますが、ずっと弱く当てていると放熱できません。




カーボンホイールを躊躇している人に向く?

カーボンクリンチャーの場合、ブレーキ熱での変形が最大のネックです。
昔のカーボンリムに比べるとだいぶ熱に強くなっているのは間違いありませんが、それでもずっと当て効きさせるような使い方をカーボンクリンチャーで繰り返すと、熱変形する可能性が高くなります。

ただ、なかなか勧めづらいのがチューブラータイヤです。
クリンチャーやチューブレスの場合、リムにタイヤを引っかけて空気圧で保持するわけですが、チューブラータイヤはリムにテープもしくはセメントで貼りつける構造です。

どうしてもこの構造がゆえに、なかなか手を出しづらいというか、オススメしづらいところではあります。

クリンチャーの場合、パンクしたら中のチューブを変えれば、とりあえず元通りの性能に戻すことができます。
チューブラーの場合、パンクした場合にはタイヤごと交換です。
またテープもしくはセメントで貼りつけます(セメントの場合、予め予備タイヤに塗っておく)。

で、テープにしてもセメントにしても、貼りつけてすぐに走るのは危険です。
一日程度放置して、確実に貼りついたのを確認しないと、最悪の場合脱輪します。

なのでパンクした場合、とりあえずは予備タイヤに交換しても、慎重に走って帰るくらいしかできないんですね。
攻めるような走り方は危ないですし、とりあえず家に帰れるように出来るくらいの話で、パンク前と同じ性能まで戻すには時間がかかるわけです。
その日の走行は、とりあえずは帰るだけくらいでしょう。

手間とパンクしたケースを考えると、どうしてもチューブラーはオススメしづらい存在なのは間違いありません。
パンク対策でシーラント入れておくことである程度は防げますが・・・

走りの性能で言うならば、チューブラーはメリットがあります。
まず、フックがいらないリム構造なので、リム重量は軽くなります。
チューブラーホイールは、同じランクのクリンチャーホイールよりもはるかに軽いです。

そもそも昔は、ロードレーサー=チューブラー、だった時代もあるわけですし、プロレースではほぼチューブラーです。
プロ選手がチューブラーを使う理由は、主にパンク対策です。
チューブラータイヤの場合、中に入っているチューブはラテックスが多く、一気に空気が抜けるようなパンクにはなりづらいので、レースで使うには安全性が高いです。
それと同時に、プロレースではパンクしたらチームカーからホイール交換になるので、いくらパンクしても気にしないということもありますが。

ちょっと話は逸れましたが、確かにブレーキ熱だけを見た場合、カーボンクリンチャーよりはカーボンチューブラーのほうが安心です。
しかしチューブラータイヤとなるとクリンチャーよりも面倒なこともありますし、一長一短ではないでしょうか?(単に慣れの問題もあるのですが)


Campagnolo – Bora Ultra (ボーラウルトラ) 35 クリンチャーホイールセット (2018)




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする