ずいぶん前に、こんな記事を書いたことがあるのですが、
https://roadbike-navi.xyz/archives/9638/
実際問題、ここ数年でプロショップと呼ばれるところの閉店はそこそこあります。
ただし、必ずしも個人店が閉店しているわけではなくて、大型店のほうが多いのかもしれません(詳しい数字はわかりませんが)。
前から疑問に思っていた立地
先日ですが、横浜の戸塚警察署に用事があって、駅からトボトボ歩いてました。
その警察署は、マップで見ると駅から2キロ超。
まあ、バスで来いよ、とバス乗り場の案内しか出てなかったのですが、なんとなく歩きたい気分だったので歩きました。
その途中、ずいぶん前に一度だけ寄った事があるプロショップがあります。
正確には【ありました】。
だってもう無くなってましたので。
ここに寄った理由は、このプロショップの前でパンクしてしまい、空気入れ借りたという話です。
タダで空気入れ借りるのも気が引けたので、チューブを一本買いました。
遠い記憶では親切なお兄さんだった気がします。
ショップとも関係ないLOOKで乗り付けて、空気入れ貸して欲しいという願いも聞いてくれましたし、印象としては好印象なほうのショップでしたので、なんか申し訳ないなと思ってチューブ買った記憶があります。
このショップ、駅からも遠いし、坂の途中にあって、それほど人通りが多いとも思えない道沿いにあったのですが、前から
というのは疑問に思ってました。
どうでもいい話ですが、ここの斜め向かいにはバイチャリもあります。
こんなところにショップ構えて人が来るのかは謎ですが、バイチャリについてはネット上でも売っている(ヤフオクなど)をあるので、あまり立地は関係ないのかもしれません。
閉店していたショップですが、いくつかのショップを構えるチェーン店です。
個人店というよりは、大型店のカテゴリに入ってもいいかなと思うわけです。
前にも書きましたが、ショップの売上は、完成車販売やパーツ販売などの売上と、作業工賃の二本立てです。
完成車やパーツ販売と言うのは、要は売上-仕入れ値が利益として残るわけですが、大型店のほうが仕入れ値が安くなる傾向にあります。
どんな商売でもそうですが、仕入れ量が増えると、仕入れ値に割引が入りますので。
7掛けで仕入れたものと、6掛けで仕入れたもの、どっちが嬉しいのかという話でもあります。
ワイズロードも閉店が相次いでいる
ロードバイク関係で大型店と言うと、やはりワイズロードになるわけですが、ワイズロードもここ最近閉店が相次いでいるようです。
二子玉川や、大宮、越谷、新宿店の一部、環八、有楽町・・・
なるしまフレンドも、立川店が閉店してますよね。
大型店の場合、店面積自体が大きい上に、そこそこの一等地に出店していることが多いこともあるので、家賃だけでもかなりのもんだと思います。
ただ、前から疑問に思っていたこともあるのですが、そもそも出店しすぎではないのか?という疑問も。
私は行きませんが、いきなりステーキってここ最近でずいぶん失速していると聞きます。
あれも出店しすぎた&類似他社が増えたことで、店舗あたりの売上を落としているとか。
ステーキを食べたいという層がある程度いたとしても、その需要を超える店舗数があれば、当然売上は落ちます。
コンビニもやや似たようなところがありますが。
ロードバイクに乗る人口が増えているのかどうなのかは正直知りません。
というのも、私の仕事上のお客様の中でも、
こういう人もそこそこいます。
新規で始めようとする層がいても、やめていく人もそこそこいるのかなと・・・
本当に儲かっているのか?
リアル店舗を構えながらも、出張自転車修理もやっている人を知ってます。
一応、ロードバイクなども扱っているそうですが、メインはママチャリ修理なのかなと思うのですが、出張でママチャリのパンク修理に来て、お値段が1000円(税別)となっているので、この人は本当にこれでいいのか?と疑問に思うときがあります。
恐らく、車で片道20分くらいかけて来るのですが、こちらとしては別に出張費として取られても何ら文句もありませんし、片道20分、往復40分かけて、パンク修理して、たった1000円というのはなんか悲しいなと・・・
一度、もうちょっと取ってもいいんじゃないですか?と聞いてしまったことがあるのですが、これが出張自転車修理の相場らしく、値上げすると他社に流れるだけ、という話をしてました。
この方に頼む理由は、この地域でほかにまともな自転車屋がないから、という事情だけなんですが、なんか悲しいなと・・・
世の中の奥様方は、保育園の料金が上がったら困るしイヤ、という人が多いと思うんですが、それと同時に、保育園のスタッフさんって残念ながら給料は低いです。
仕事上の付き合いで保育士さんも数名知ってますが、給料が低い⇒スタッフの質が下がる⇒保育の質が下がる、ということはよくあるそうです。
かといって、スタッフさんの給料を上げようとすれば、毎月の保育料をガツンと値上げしないと不可能・・・
かといって、保育園のレベルが下がってしまうのもイヤでしょうし、矛盾を抱えている構造ともいえるわけです。
なんでもかんでも安くすればいいというわけでもなく、価値があることはきちんとお金を取ったほうがいいと思ってます。
うちの近所に、ママチャリの空気入れの工賃が800円というところがあります。
正直なところ、誰が入れても空気は空気で変わらないと思うのですが、そこの店主いわく、
俺が入れる空気は一味違う
みたいな名言を残してました。
私はそれについては何ら価値を感じなかったので、すみません、結構です、申し訳ありませんでした、と言って退散したことがあります。
だからといってグーグルの口コミに悪いこと書く気にはなりません。
まあ、そんな店主なので、グーグルで見ると悪いことも書かれてますが、私にはその価値が感じ取れなかったというだけで、そこに価値を感じる人はそれでしょうし。
単なる価値観の違いで、悪い口コミ書く人の神経はよくわかりません・・・
だけどもし、この店主が
俺が入れた空気は一味違う。
だから一度空気入れたら一生抜けないから。
こんな妄言吐いていたならさすがにどうかと思いますが、あくまでも【一味違う】というだけでその一味が何なのかまでは説明が無かったので、きっと私には感じ取れない何かがあるのだろうと。
ショップの意義
私も自転車関係ではないですが、店をやってます。
店って安易に潰してはいけないというか、社会的意義ってあると思ってやってます。
潰れれば困る人もいるわけで・・・
ですが、潰れるということはお客さんが少なかったという証拠でもあるわけで、少人数にしか迷惑掛けてないという見方も成り立つわけですので、まあ最小限の迷惑で済んだという話でもあるのかもしれませんが。
私も2年前に骨折したとき、お店を事実上2ヶ月ほどお休み状態だったわけですが、かなりの人に迷惑掛けました。
前に某有名な経営者の方に、
大病で事業を取りやめるというのは、経営者に向いてない。
だけど、なってしまったのならば、病気を治したら全力で信頼を取り戻すにはどうしたらいいのか考えないと。
このようなことを言われたことがあります。
一人で事業をやっていて、人間だから病気になってしまうことは当然あります。
だけど、病気だからしょうがない、は必ずしもお客さんに通用しないし、それで信頼を失うこともあります。
逆に応援してくれる人もたくさんいるわけですが。
このへんの感覚って、勤め人だった頃には理解しがたいというか、病気なんだからしょうがないじゃん!としか思ってなかったのですが、事業は病気だからと甘く見てもらえるわけでもない世界だということは、2年前の骨折でその意味を知った気がします。
プロショップの経営って、うまくいっているところとそうでないところがハッキリしているのではないかと思うところがありますが、増えすぎたショップが淘汰されていくのではないかと思ってます。
店舗数の拡大は、自らの首を絞める原因になりうるわけですので。
海外通販の台頭に嘆いているショップもあるようですが、そういう中でも売上を伸ばすショップもあるわけで、最終的には店主の人間性と技術力なのかもしれません。
自転車が売れなくなりました。
このままでは、数年のうちに廃業するようです。皆さん、すべてアマゾンが良いんですか?— じてんしゃの杜 (@jitensyanomori) November 6, 2017
こういうのも、グーグルの口コミで荒れてますしね・・・
こういうのももったいないというか、これを読んで
とは多くの人は考えないと思うんですね。
単なる愚痴レベルの話ですし。
そもそも、ちゃんとしているショップならこういう愚痴をこぼさなくても、売れてますし。
要は海外通販の価格には勝てないことを認めた上で、価格競争に加わらず、付加価値をつけることが出来るかどうかではないでしょうか?
この人に任せておけば安心、というメカニックさんがいれば、なんだかんだ頼る人も多いのではないと思いますし。
搭載との読者様の中にも、海外通販でロードバイクを買った都合上、ショップに行きづらくなったし、わからないことを相談できない、と言っていた方もいます。
定価で買っていればショップに面倒見てもらえたけど、海外通販で安く買ってショップに持ち込む勇気はないという人ですね。
まあ、気にせず持ち込む人もいるとは思いますが・・・
ネットで調べればメンテナンスも出来ると考える人もいるようですが、ネット上の情報って、肝心なところはないもんですよ。
不完全なメンテナンス情報は多いですが。
どんな分野でもそうですが、本当に大切なことってネット上になんてないもんです。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
商売ですから淘汰される店舗が出てくるのは理解できますが、記事の中で触れられているように出店する店が多過ぎただけというのが正しい見方かと思います。
ロードバイクがブームと呼ばれるほど市民権を得ているとは思えないですし、一定のマスの中で顧客を奪い合うという印象は以前から持ってました。
ネット通販で購入してメンテナンスは大手チェーン店に持ち込むという人もそれなりに増えていそうな印象を持ってたりします。(統計がないのであくまでも印象でしかないですが)
自転車本体より作業工賃や消耗品で利益を上げるという商売だとしたら、たしかに厳しいだろうと思ってしまいます。
コメントありがとうございます。
まあ、普通に需要よりも店舗数が多いという単純な現象だと思うのですが、ショップを開くにもそこそこお金は掛かっているわけで、今後の業界の見通しがきちんと分析できていないショップは開店して閉店してで大変だろうなと思います。
完成車販売をせず、メンテナンス専門店というのもありますが、仕入れが少なくて済むという点では経営的に安定しやすいかもしれませんね。
同じくお店を経営している人間としてとても参考になる記事でした。
顧客の方でプロショップの方がいるのですが、最近あまり元気がありません。
大手でもこういった状況なのですね・・・・。
コメントありがとうございます。
あまり元気がない、というのはちょっと心配な傾向ですね。
ただ、プロショップと呼ばれるところは、需要に対して増えすぎていると思うのと、海外通販などの影響でモノは売れにくい時代なのは間違いありません。
何かしらのスペシャリティがないとこれからは厳しい時代ですよね。