表題の件。
滅亡したブランドの方が公言していたこと。
ほとんどのメーカーは、カーボンリムには専用のブレーキシューを使うようにとアナウンスしています。
そんな中、滅亡したブランドはいったい何をしたかったのでしょうか?
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リスク
実際のところ、アルミリム用ブレーキシューを使っても問題ないとするブランドはあります。
ゼンティスさんですよね。
ゼンティスさんはブレーキゾーンに特許取得の特殊技術を使い、特殊ウレタン樹脂を配合することでアルミリム並みの放熱性を確保しているとしています。
ゼンティスではこれを、XBP(XeNTiS Braking Performance)と名付けていますね。
このように、実験も行って確認しているようです。
メーカーとしては当たり前ですね。
アルミリム用のシューでも問題ないと公言するなら、実験してデータを出すのは当たり前。
言い方は悪いですが、どんなバカがおかしな使い方をしてもトラブルが起きない=問題ないですから。
滅亡したブランドについては、当初よりアルミリム用のシューを使った結果、シューが溶けた事例が出てました。
メーカーのほうには苦情が来たことがないらしいですが。
自分が使って問題ない≠アホが使っても問題ない
まあ、プロショップの店員さんが使って溶けていたので、その時点でアウトだったのかなと。
ド素人ではありませんし。
何だったんでしょう?
ブレーキシューが溶けるとどうなるかはお察しの通りですが、なぜ滅亡したブランドが、自説にこだわったんだろう?と考えると、
結局のところ、誰が得する話なのかがサッパリわからないわけですよ。
しかも自社製品だけでなく、コラムの中ではカーボンリム全般について語っていたので。
ちなみに、ゼンティスのようなブランドであっても、一度でもアルミリムに使ったことがあるブレーキシューは厳禁。
シューに刺さっている金属片がリムを破壊しちゃうので。
アルミリムにカーボンリム用ブレーキシューを使うことは大きな問題はないですが、特にメリットもありません。
費用が高くつくだけかと。
ただまあ、滅亡したブランドについては超大手メーカー出身ですし、超大手メーカーは様々な試験をやってから売り出すことは当然知っている。
リスクがあるものを製品化すれば、訴訟の嵐になりかねないですし。
いったい何をしたかったのだろうか?と考えると、ホンキで意味が分からないのが実情です。
ブレーキの大切さ
ブレーキの大切さは、ロードバイクに乗っている人なら誰しもわかること。
乗ってなくてもわからないなら、マジでヤバい奴です。
前に電動ブレーキの話を書いたことがあります。
これに似た話。
クラウドファンディングで販売された電動キックボードが、自主回収に追い込まれています。
自主回収になった理由は、スイッチオンの状態じゃないとブレーキが効かない構造だったからです。
なんとまあ恐ろしい。
現行法では電動キックボードは原付扱いですが、原付のブレーキは保安基準がしっかり書かれています。
https://www.mlit.go.jp/common/000190515.pdf
第六十一条 原動機付自転車(付随車を除く。)には、走行中の原動機付自転車が確実かつ安全に減速及び停止を行うことができ、かつ、平坦な舗装路面等で確実に当該原動機付自転車を停止状態に保持できるものとして、制動性能に関し告示で定める基準に適合する二系統以上の制動装置を備えなければならない。
2 付随車及びこれを牽けん引する原動機付自転車の制動装置は、付随車とこれを牽けん引する原動機付自転車とを連結した状態において、走行中の原動機付自転車の減速及び停止等に係る制動性能に関し告示で定める基準に適合しなければならない。
3 付随車の制動装置は、これを牽けん引する原動機付自転車の制動装置のみで、前項の基準に適合する場合には、これを省略することができる。https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326M50000800067
自転車のブレーキについてはこのように決まってます。
乾燥した平たんな舗装路面において、制動初速度が10km/hのとき、制動操作を開始した場所から3m以内の距離で円滑に自転車を停止させる性能を有することhttps://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kouki/20201201katashikihutsuu.pdf
試験方法も書いてありますが、電子制御されたブレーキが問題なのかはよくわかりません。
ただまあ、普通のまともなメーカーなら、電動でしか動かない自転車用ブレーキなんて怖くて開発しないです。
変速が動かなくなってもつらいだけですが、ブレーキが動かなくなったら大惨事しか起こりませんので。
ブレーキシューが溶けることは容易に想像できるのに、なんで滅亡したブランドさんは、自説を曲げなかったのか不思議でなりません。
コメント
お久しぶりの高はしです。
某ブランドか何をしたかったのか?は、たぶん「自説を公に示したかった」のかしらん。SNSに限定したならそれもアリかとも思えますけど、ね。
カーボンは、プリプレグの積層、レイアップの手法が、まだハンドメイドと工業生産との中間点だと思えますので、使いこなしも流動しそうな気はしますが。
コメントありがとうございます。
正直何をしたかったのかよくわからないブランドでしたが、ああいうのもデータがあるならデータを出せば全く違う状況だったのかなと思ってます。
データが無くて自分が試した結果程度だったら、素人と変わりませんし。