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こんにちは。某管理人です。

たぶんこの人、こちらに向けているのだと思いますが。

この人昨年、「自転車の幅は2mまで認められている」という謎メールをしてきた人。
静岡地裁浜松支部の判例も込みでの話と受け取りましたが(←違う?)、メールの内容自体何を言いたいのかよくわからない部分があり、返信しても返事すらなかったのでどう捉えたらいいのかよくわからず。

ホワットはぷん?

「人力軽車両の幅が2m上限なのは道路運送車両の保安基準第六十八条です某管理人様」とありますが、えーと、だから何なんだ?笑
メールを見直しましたが、確かに「自転車の幅は2mまで認められている」という記述はあります。

道路運送車両法

(定義)
第二条 この法律で「道路運送車両」とは、自動車、原動機付自転車及び軽車両をいう。
4 この法律で「軽車両」とは、人力若しくは畜力により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽けん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であつて、政令で定めるものをいう

道路運送車両法施行令

(軽車両の定義)
第一条 道路運送車両法(以下「法」という。)第二条第四項の軽車両は、馬車、牛車、馬そり、荷車、人力車、三輪自転車(側車付の二輪自転車を含む。)及びリヤカーをいう。

道路運送車両法

(軽車両の構造及び装置)
第四十五条 軽車両は、次に掲げる事項について、国土交通省令で定める保安上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
一 長さ、幅及び高さ
二 接地部及び接地圧
三 制動装置
四 車体
五 警音器

二輪の自転車については、道路運送車両法上の軽車両には該当しませんし、何を言いたいのやら。
理屈の上では、二輪の自転車は2.0m以上の幅があっても法規制には触れませんが、無駄に幅を取る自転車が世の中に存在するのかはちょっとわかりません。
誰にメリットがあるのかすら不明。
また、道路運送車両の保安基準68条によると畜力による軽車両の上限は2.5m。

自転車の幅は2mまで認められているとのご主張ですが、それは三輪自転車(側車付の二輪自転車を含む。)のみの規制ですし何を言いたいかよくわからないです笑。
二輪や四輪の自転車は道路運送車両法の規制対象外ですし、道路交通法上も普通自転車の規格しか規定はありません。
なので「自転車の幅は2mまで認められている」というのは、一部の自転車と軽車両の話。

私が知る限り、二輪の自転車(側車付きを除く)の大きさについて、普通自転車以外には制限をかけている法律はないと思っていますが、私の見落としでしたら遠慮せずに罵倒してください。
罵倒されるとハゲしく萌えます。
もちろん、第三の足(センターレッグ)は車輪と解することはできないので(車輪というにはスモールパーツなので)、二輪自転車に見せかけて実は三輪扱いというのは無しでお願いします。
マイセンターレッグがスモールパーツではないという主張については、直径700cを越える場合のみ許可します。

えーと、そもそも何の話でしたっけ?
この情報を伝えることの意義がよくわからないけど、意図があるならコメント欄にどうぞ。

ついでなので少し脱線します。
道路運送車両法と保安基準には、軽車両の運行条件に警音器が記載されています。
自転車ベルの装備は各都道府県の公安委員会規則(道路交通法71条6号、運転者の遵守事項)に規定がありますが、なぜ公安委員会規則に規定があるかというと、道路運送車両法は二輪の自転車が規制対象にないからです。

古い道路交通法の解説書を見ていたら、「二輪の自転車は道路運送車両法上、軽車両ではなくベル装備義務がないため、54条の警音器吹鳴義務もないと解釈するしかない」みたいな話が載ってました(昭和52年詳解道路交通法、いわゆる横井註釈の復刻版みたいなもの)。
おそらくは公安委員会規則ができる前の話で、今の時代とは解釈が違います。

以上で終了でもいいんだけど、ついでなので18条(キープレフト)に関係する判例をおさらいしておきます。

18条の判例

以前取り上げた判例。

静岡地裁浜松支部の判例では、以下の状況について判示してます。

道路交通法第18条第1項の自動車及び原動機付自転車の観念上の通行区分である「道路の左側に寄つて」とは道路の左側部分の左の方に寄つてという意味であり、具体的には軽車両が道路の左側部分に寄つて通行するために必要とされる道路の部分を除いた道路の部分の左はしに寄つてということであり、また前記法条の軽車両の観念上の通行区分である「道路の左側端に寄つて」とは路肩部分を除いた道路の部分の左はしに寄つてという意味であると解するを相当とする。そうすると本件事故現場の道路の左側部分(舗装部分)の幅員は5.50mであることは既に認定したところにより明らかであるから自転車、荷車、馬車、牛車、リヤカーのような軽車両の通行に必要とされる道路の幅は約2mとみて、車体の幅が2m弱である被害者運転の車のような自動車の通行に必要とされる道路の幅は約2mとみるとき、被害者運転の車は道路中央線より約1.50m左側に寄つて通行すれば道路交通法第18条第1項所定の「道路の左側に寄つて」という通行区分に違反しないこととなる。ところで既に認定したように被害者は本件事故当時道路中央線より左側に1mないし1.50m位入つたところを西進していて、しかも他の車両に追いつかれているような状況ではなかつたのであるから、被害者はキープレフトの原則に違反していなかつたものというべきである。

静岡地裁浜松支部 昭和43年3月18日

被告の主張の一部。

被害者は本件事故現場にさしかかる際道路中央線より左側1.50mの間隔を置いて時速約50粁で助手席に訴外を同乗させて西進した

事実認定の一部。

被害者は本件事故当時道路中央線より左側に1mないし1.50m位入つたところを時速50粁位で西進しており、被害者運転の車の幅は2m弱であること、本件事故当時西進していた車両は被害者運転の車が先頭であつて前には車両がなく後方にはトラツクが接近してついており、その後方にも3、4台の車両が続いていたが後方の車両に追いつかれているような状況ではなかつたこと

判例における「自転車、荷車、馬車、牛車、リヤカーのような軽車両の通行に必要とされる道路の幅は約2mとみて」とありますが、

・単に道路幅と車両幅、車両の通行位置から導いた可能性
・単なる実態として評価した可能性
・これらの混合

判示に至った正確な理由については不明です。

けどまあ、この判例をみて

いろんな人
いろんな人
自転車は左側端から2mまで問題ないと判例が示している!

と解釈する人がいたら、正直なところいかがなものかと。
この道路幅、この車両幅、この車両の通行位置などの状況で判示された数字について、あらゆる道路で同じだと考える人がいるとは思いませんが、法律に規定がない数字が絶対性を持つわけない笑。

追い越し時の側方間隔についての判例とかも、その事故の状況という前提から数字を検討しているので、法に規定がない数字については、参考程度に捉えるもの。

18条1項について判示している判例はいくつもあります。
まずは軽車両のキープレフトの判例。

右の争いなき事実によると、被告が、民法第709条以下の規定により、原告等主張の本件交通事故によって生じた損害を賠償すべき義務を負うことが明らかである。之に対し同被告は、被害者にも過失があると抗争するので検討するに、事故に遭遇した屋台の尾部に反射鏡を備え付けていなかったことは、原告等と同被告との間に争いがないが、<証拠略>によると、事故当時、屋台後部の左側の柱に点灯したカーバイトランプを吊してあったことを認めることが出来る。

ところで、道路交通法第52条によれば、本件の屋台の如き軽車両は、夜間道路にあるときは政令で定めるところにより、同政令の定める光度を有する前照燈、尾燈若しくは反射器、反射性テープ等を備え付けねばならないとされているが、たとえ、反射鏡の設備がなくても、カーバイトランプを点灯すれば、通常、後方数十メートルの距離より之を確認し得ると考えられるので、原告に、右の義務に違反した過失を認めることが出来ないものと解する。

次に、原告が、左側端通行義務に違反したか否かについて検討するに、事故に遭遇した屋台が、歩道から中央寄りに1メートルの個所を通行していたことは、原告等と同被告との間に争いがなく、<証拠略>によると、事故現場は、両側に幅員3メートルの歩道が設置され、車道の幅員が15メートルで、その中央にセンターラインの標識がある直線状の道路上であり、原告は、右屋台の前後の中央線が、歩道から中央寄りに略々2メートルの個所を進行していたところ、その後部に同被告運転の乗用車の前部中央附近が追突したものであること、及び<証拠略>によると、原告は、事故に遭遇する直前、絶えず交通事故の不安を感じ乍ら通行していたことを夫々認めることが出来る。

而して、道路交通法第18条は、本件の屋台の如き軽車両に、道路の左側端を通行すべきことを義務づけているのであるが、右の事実によると、若し、原告が、右義務を忠実に守り、出来得る限り車道の左側端を通行するように心掛けて居れば、或いは被害が一段と軽度であったろうと推認するのを相当とするから、被害者側にも斟酌すべき過失があると言わねばならない。そしてその過失割合は、被告の過失が、脇見運転即ち前方不注視と言う、自動車運転者にとり最も基本的な注意義務に違反した重大な過失であるのに対比し、被害者側の過失は、道路の左側端通行義務違反で、然も、更に左側に寄って通行すべきことを要求し得るのは、せいぜい50センチメートル以内に止まると解されるから、同被告の過失に対して極めて軽度と言うべく、従って、前者の過失割合を9割、後者の過失割合を1割と認定するのが妥当であると考える。

横浜地裁横須賀支部 昭和47年1月31日

なお、この判例ではこのような原告の主張があります。

歩道から道路中央寄りに1メートルの個所を通行していたことも同被告主張の通りであるが、これ以上左端に寄る時は、L字溝内に片車輪を落下させ、屋台の通行が不可能になる。従って、充分に道路左側端を通行していたものである。

原告の主張に対して、裁判官の判断は「もっと寄れる」です。
まあ民事の判例って、若干無理強いしているようなものもあるにはあるわけで、ビタビタに左側端に寄って通行することについてはオススメしません。
私の考えとしては、立法趣旨から考えて「車道左側から自転車が追い抜きできる程度の隙間を開けて通行することは、左側端とは言えない」。

「左側端」と「できる限り左側端」は違うとも取れるけど、立法趣旨から検討すると(ほぼ)同じである可能性もあります。
判例見ても、立法趣旨は「できる限り」に近いように感じます。

次の判例。
第二車線を通行していた原付に、第1車線を通行していた大型車が進路変更して衝突。

本件事故現場は道路左側が2車線になっており、そのうち、少なくとも事故直前の時点にあっては、道路中央線から遠い車線、即ち道路左側から数えて1番目の車線(以下便宜「第1車線」という)上を被告のトラックが、道路中央線に近い車線、即ち道路左側から数えて2番目の車線(以下便宜「第2車線」という)の梢第1車線寄りの部分を原告が、いずれも同一方向に、殆ど近接した状態で併進したこと、被告は第1車線上の他車輛を追越すため後方を確認したが、その確認状態が杜撰で不十分であったため原告に気付かず、事故現場直前約13.8mの地点で第2車線に進路変更のための方向指示器を挙げて追越にかかり車体が約半分第2車線に出たところで直進してきた原告に接触したこと、しかし右の第1、第2車線は道路交通法第20条所定の車両通行帯ではないこと、即ち、右両車線の中央を仕切る境界線は道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第四(区画線の様式)(102)所定の車線境界線であって、道路管理者である建設省において便宜表示した記号にすぎず、之と若干まぎらわしい記号ではあるが、同命令別表第六(道路標示の様式)(109)1(1)所定の、公安委員会が危険防止のため設定表示した車両通行帯境界線ではないこと

(中略)

各種車両の交通頻繁な箇所では、最高速度時速30キロメートルの原動機付自転車は、同法18条の立法趣旨を尊重し、軽車両同様できるだけ第一車線上の道路左側端を通行して事故の発生を未然に防止すべきである。

福岡地裁小倉支部 昭和48年1月19日

速度が遅い原付は、第1車線の左側端を走れという判例です。
なお「軽車両同様」。
立法趣旨を尊重とありますが、あとから説明します。

次。
直進オートバイと右折車の判例。

原告車両から見て衝突位置の左側に、車線の半分以上である少なくとも1.5m以上のスペースを残して直進進行してきたものであるから、左側寄り通行義務(道路交通法18条1項)に違反した過失もあるというべきであり、このことが本件事故発生の一原因になっていることは否定し難い。

東京地裁 平成19年1月21日

仮に「自転車の通行分は2m認められている」という事実があるとしても、自転車が左側端から2mの位置を通行することがキープレフト違反になりえる可能性はあるのね。
幅2mの軽車両、幅50センチ程度の自転車。
左側端に「寄る」ことを求めているから。

法の趣旨を理解しないと。
ちなみに普通自転車専用通行帯は、最低1mでも可能、原則は1.5m以上(道路構造令9条の2第3項、道路交通法施行令1条の2第4項3号)なので、そもそも「自転車の通行分は道路左側端から2mまで」という話は否定されているとも取れますな。
普通自転車専用通行帯は、軽車両も通行義務があるけどもはや馬車とか考えてないのでしょう。

キープレフト

18条1項の規定は、軽車両は左側端、車は軽車両の通行分を開けて左側に寄ると解釈されています。

(左側寄り通行等)
第十八条 車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあつては道路の左側に寄つて、軽車両にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。

ただしこの規定、左側の範囲から左側端を除外しているとは解せないため、車が左側端に寄って通行しても違反とは言えない(宮崎注解<昭和41年>、判例タイムズ284号<昭和48年>、詳解道路交通法<昭和52年>、逐条道路交通法<昭和47年、62年>など)。

同条1項の「道路の左側に寄って」とは、軽車両の通行分を考慮し、軽車両が道路の左側端に寄って通行するために必要とされる部分を除いた部分の左側に寄ってという意味であり、「道路の左側端に寄って」とは、道路の路肩部分を除いた部分の左端に寄ってという意味である(宮崎注解)。このように自動車及び原動機付自転車と軽車両とで若干異なる通行区分をしたのは、速度その他通行の態様が著しく異なる両者がまったく同じ部分を通行すると、交通の安全と円滑が害われるおそれがあるためである。もっとも軽車両がまったく通行していない場合に自動車または原動機付自転車が道路の左側端まで寄って通行することまで禁止したものではないだろう(同旨、法総研・道交法87頁)。

ところで、キープレフトの原則の本来の趣旨は、通常走行の場合はできるだけ道路の左側端を通行させ、追い越しの場合は道路の中央寄りを通行させることにより種々の速度で通行する車両のうち、低速のものを道路の左側端寄りに、高速のものを道路の中央寄りに分ち、もって交通の安全と円滑を図ることにあるとされている(なお、法27条2項参照)。右のような趣旨ならひに我が国の道路および交通の現状にかんがみると、18条1項の規定をあまり厳格に解釈することは妥当ではなかろう。

判例タイムズ284号(昭和48年1月25日) 大阪高裁判事 青木暢茂

あまり厳格に解釈することは妥当ではないとしていますが、要はそれなりに道路幅が広くないと法が本来予定している「観念上の通行区分」は達成できないし、幅が広いなら軽車両用の通行帯を作ればいいし。
なので事実上は、軽車両と車の通行区分は重なり合いがあると同時に明確な線引きは不可能。

著名な「宮崎注解」を受け継いだのが現在の注解道路交通法ですが、読んでみてわかったのは今の注解道路交通法は宮崎注解の内容とほぼ同じです。

もっとも、厳密に述べるならば、「道路の左側」は「道路の左側端」を含むので、「道路の左側端に寄って通行する」ことは、「道路の左側に寄って通行する」こととなる。したがって、当該道路を軽車両が通行していない場合、自動車及び原動機付自転車は、道路の左側端に寄って通行することも差し支えない(もっとも、自動車や原動機付自転車は、軽車両に比べて走行速度も速いので、あまり左側端に寄り過ぎると交通安全上適切とはいえない)。
そもそも「キープレフト」の原則は、道路の中央部分を追越しのために空けておくという考え方によるものであり、道路の幅員が不十分な場合には、自動車等は相対的に左側端に寄ることになるであろうし、幅員が十分であれば、左側端側にそれなりの余裕を持って通行することとなろう。また、現実に軽車両が通行しているときは、自動車等は左側端に寄り難く、相対的に道路の中央寄りの部分を通行することになろう。このように「道路の左側に寄って」とは、あくまでも相対的な概念であり、具体的な場所が道路のどの部分を指すかは、道路の幅員及び交通状況によりある程度幅があるのである。

道路交通法研究会 注解道路交通法【第5版】、立花書房

なんか一部の人たちは、左側端=自転車の聖域と勘違いしているフシがありますが、便宜的に「通行帯風」に区分したものの、道路幅や解釈上は左側端を車が通行しても違反ではないし、そもそも重なり合うことすらある。

当たり前の話として、目の前に自転車がいたらその分は避けて追い越ししないと事故になる。
常に軽車両の通行分として左側端を開けて走る義務があるとしたら、そもそも大型車は通行不可能ですから。

だいぶ前にロードバイクに乗っていたときのこと。
前方が赤信号で停止したのですが、直前にいたロードバイク乗りが先行車の横を強引にすり抜けて、運転者に文句言い始めたのですよ。

だいぶ前にも書いたのですが、検索しても出てこないw と思ったらこれか。 だいぶ前のことですが、片側一車線道路...

「もっと右に寄れ、幅寄せするな」と激怒。
公平な視点で言わせて頂くと、車はもうわずかに右に寄れる余地はあると言えばあるけど、対向車との関係性だと危険領域に入る。
左側に車が寄せているとは到底思えない、ごく自然な位置を通行していたわけで、運転者は文句つけられて困惑してました。

そいつが強引に左側の隙間に入ったせいで、青信号になっても車が発車できない(危険)。
けど自転車乗りは文句つけることに夢中で気づいてない。

馬鹿馬鹿しいと思いながらも、

管理人
管理人
あなたのせいで大渋滞してますよ!

と教えてあげたら、恥ずかしくなったのか歩道に上がっていきました。

そのさ、道路幅次第では必ず「軽車両の通行分」を開ける義務までは課してないわけで、軽車両の通行分と車の通行分は、状況次第で重なり合う。
自転車の聖域だと勘違いしている人もいるけど、道路幅次第ではすり抜け、追い抜き出来なくてもしょうがないんだよね。

そりゃさ、前方を走る自転車がいて、後続車が「左側端を必ず開ける義務はない」と言ってそのまま進行したら事故になる。
この場合は追い越しになるから、安全を確認して追い越しするか、安全が担保されないから追い越しを控えるかの選択になる。
間違っても故意に衝突することを選択するバカはいない(過失により自転車を見逃すのも論外だが)。

けど、通常レベルの位置を車が通行していたとして、後ろから来た自転車のために左側端を必ず開けておく義務までは課してないわけで。
自転車にしても、追い抜きの際に安全が担保できないなら追い抜きせずに、車に追従するしかない。

で、判例見りゃわかるように、要は道路幅や交通の状況次第なわけ。
法律の条文に明確な数字を規定していない理由は、結局のところ状況次第で変わるから規定することが不合理だし、不合理だから罰則すら置いてない。

こんなん、探せばいくらでも判例はあります。
左側端から2mの位置を通行していた自転車にキープレフト違反としたものや、センターラインから左に80センチくらい開けて通行していたオートバイにキープレフト違反を認めた判例など。

何を言いたいかというと、個別具体的数字はその判例のみで有効な話だということと、複数の判例を見て考えろというだけです。

例えば車線幅3.5m、車道外側線から歩道の縁石まで1.0mという片側1車線道路があったと仮定する。
車道外側線は標識令上は区画線なので、道路交通法上の規制効力は全くない。

通行に適さない路肩=エプロン部なので、道路交通法上のキープレフト(18条1項)は自転車は車道外側線の外、車は車線内中央からやや右寄りくらいか。
けどさ、車道外側線の意味を理解していない自転車乗りだと、車線内を通行して車に「もっと右に寄れ」とか言い出すバカとかいそう。
このように車道外側線と路肩のエプロン部が近接していたら、自転車が車道外側線の外側を通行するのは危険になる。

こういう道路の場合、観念上の通行区分である軽車両(左側端寄り)と車(左側寄り)に重なりが生じるのは自明。
車が下手に右に寄れば対向車との関係が危険。

道路幅や交通の状況次第で全部変わるので、大阪高裁判事なんて「厳格に解釈するのは妥当ではない」としている。
18条1項って、ひたすら曖昧なんですよ。
曖昧だから罰則規定がないとも言える。

結局のところ、法律の立法趣旨と実情に差があるからおかしくなるだけのこと。
明確な線引きができない上に、道路幅次第では両者が重なりあうことは明らかなので、車は無理な追い越しをしないこと、自転車は無理な追い抜きをしないこととしかならない。
まあ、わざと第一車線のど真ん中を通行する人については、いつまでも子供みたいな言い訳しないでちゃんと勉強したら?と思うけど。

18訂版 執務資料 道路交通法解説
道路交通執務研究会(編集), 野下 文生 原著(その他)