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自転車道の通行義務とロードバイクの親和性。

ここでいう自転車道というのは、道路交通法2条1項3の3に定義する自転車道のことです。

三の三 自転車道 自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。

これはいわゆるサイクリングロードの話ではなく、車道と歩道の間にサンドイッチされた構造のこと。
国道16号相模原なんかもそうですね。

自転車道とロードバイクの親和性

厄介なのはこの自転車道、普通自転車であれば通行義務があるので車道をロードバイクで走ると違反になること。

(自転車道の通行区分)
第六十三条の三 車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽けん引していないもの(以下この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合及び道路の状況その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない
(罰則 第百二十一条第一項第五号)

見ればわかるように、ママチャリが通行するには最適な場所。
車道と歩道とも工作物で区画されているので、このエリアは自転車以外は入れない。

その一方、まさかこんな場所でスポーツサイクルがかっ飛ばすわけには行かないので、事実上は時速20キロ程度になるかと。
通行義務があるので車道を走ると違反な上に、ご丁寧に罰則付き。

ロードバイクにとっては、特にメリットが無いと感じる人のほうが多いのではないでしょうか?
そういう意味ではロードバイクと自転車道の親和性は最悪ですが、ママチャリの安全性を最優先するには悪くない構造物とも言えます。

普通自転車以外の自転車は通行義務が無いので、長さ190センチ以上、幅60センチ以上の自転車は通行義務がありません。(側車と牽引車を付けていない分には通行自体は可能)

限定解釈と拡大解釈

ちょっと小難しい話へ。
道路交通法上の自転車道ですが、私が知る限り解釈が2種類あります。
まずは定義の再確認。

三の三 自転車道 自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいう。

2種類の解釈が成り立つ。

①限定解釈説:【車道の部分】とあるので、車道を区切って作った自転車道のみが道交法の自転車道
②拡大解釈説:歩道を削って車道を拡張することは可能だし、道交法では縁石や工作物で区切れば自転車道は成立するのだから、元々歩道だったとか車道だったとかは関係ない

著名な執務資料道路交通法解説では、限定解釈説の立場に立っています。
国土交通省の資料でも、同様の記載があります。

※自転車道:自転車の通行の用に供するため縁石線又はさくその他これに類する工作物によって区画された車道の部分をいう。(法2条1項3号の3)したがって、車道上に単に道路鋲または区画線を設けて自転車通行帯を区分しているものは、自転車道とは言えない。また、従来、歩道とされていた部分を縁石線さく等の工作物により区画した自転車通行帯については、車道上に設けられたものではないので、自転車道とは言えない

https://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_history/city_planning/city_traffic/6/images/sankou1.pdf

なんですが、最近の国土交通省の見解は拡大解釈説の立場に立っているような。

自転車道は、道路標識の設置の有無に関わらず縁石等により構造的に車道及び歩道を分離し整備することにより、道路交通法による普通自転車の通行義務が発生します。道路標識(325の2)は、道路管理者、公安委員会のいずれが設置しても、普通自転車の自転車道の通行義務は適用されます。

https://www.mlit.go.jp/road/road/bicycle/policy/faq/category/jitensyadou.html

相模原警察署の方に言われたのは、歩道を削って車道を拡大してもいいんだし、車道を削って歩道を拡張することも出来るんだから、一見すると歩道の中にあるように見える自転車道でも、道交法では縁石や柵などで区切っている限り自転車道となると。

国道16号相模原の自転車道については、あそこは元々車道です。
側道があったのを潰して再整備したので。

けど一方、国道357号の金沢区エリアについては、管轄署の見解では道交法の自転車道には当たらないとしています。

ガッツリ自転車道と書いてあるし、道路標識もありますが、管轄署の見解ではあそこは元々緑道だったので、道交法の自転車道とは考えておらず、通行義務も無い。
なので車道を走るロードバイクに注意指導することもないとのこと。

ほらさ、みんないうことが違うのでわからんですよw

けど理論的には、この道路標識がある場合には通行義務があると思っていい。

元々車道だったのかなんて、見てわかるわけもないですから・・・

結局のところ、このように狭い自転車道でロードバイクはママチャリ程度の速度しか出せませんので(事実上ね)、ロードバイクとの親和性は最悪。
でもママチャリにはいい環境。

ロード乗りが集う場所、尾根幹の自転車レーン(?)の件です。
これが一体何なのか?という話。

これですが、自転車道ではなく、歩道の中にある普通自転車通行指定部分という扱いなんだと思われます。(※本来は構造物ではなく白色実線で区分する扱いなので、それに近い扱いみたいなもん)

種類番号規制標示表示する意味
普通自転車の歩道通行部分114の3交通法第六十三条の四第一項第一号の道路標示により、普通自転車が歩道を通行することができることとし、かつ、同条第二項の道路標示により、普通自転車が歩道を通行する場合において、通行すべき歩道の部分を指定すること。

なのでこの部分については通行義務はなく、車道を通行しても問題ありません。
一応扱いは歩道です。

ここ、元々は道交法の自転車道を作ろうとしていたはず。
その経緯はこちらが詳しい。

https://twitter.com/i/events/826612243634663424

ここにもし自転車道が誕生していたら、ロード乗りは終了してました。
最近、やたらと自転車道を作れという勢力がいますが、オランダの自転車道を経験した方も言ってましたがロードバイクとは親和性が低く走りづらい。
結局はママチャリの通行をメインい考えるからしょうがないですが、自転車道の厄介なところは通行義務があることでしょうか。

読者様から質問を頂いてました。 これですかね? 通行義務があります 見たところ、まず【普通自転車専用通行帯...

オランダが優れていると思い込むのはしょうがないですが。
上のリンク先では国立の自転車レーンについて書いてますが、これなんて法律上は車両通行帯(普通自転車専用通行帯)ですから、通行義務があります。

結局のところ

日本の法律上、自転車道の定義がやや曖昧で、通行義務があるかないかは管轄署に聞かない限りは不明です。
原則としては自転車道の道路標識があったら通行義務があると思っていていいんですが、自転車道の成立には道路標識が必須要件ではない(笑)ので、なおさらわかりません。

尾根幹の自転車レーン風も、あれは歩道です。
歩道の中の自転車レーンみたいなイメージ。
国立のところは車両通行帯(通行義務アリ)。
国道16号相模原は自転車道(通行義務アリ)。

もうね、道交法マニアじゃないと何だかわからない状況なので、バカなんじゃないかとすら思うのですが、いろんな勢力が好き勝手に考えるから謎状態なのです。
一般人が見て容易に理解できない構造なものを乱発するから法律に則って車道を走る自転車としては意味が分からない。
一見して通行義務があるのかないのかもわからないし。

先日の自転車事故にしてもそうですが、

こういうニュースがあると、悲しくなりますね。 2日午前5時半すぎ、東京・足立区の環7通り沿いで、歩道を歩いていた70代くらいの男性が、男子...

自転車を歩行者の延長程度にしか考えていない人が多いので、車両を運転しているという自覚が無い人が多い。

やたらと自転車道を作ろうとする勢力もいますが、ロードバイクが走りにくいからという安易なところで反対するつもりはありません。
例えば、街の中心部に自転車道を作るというなら、そんなところを趣味のロードバイクがガンガン走る必要も無いので反対する理由もない。
尾根幹のところは事情を詳しくないのですが、恐らくはいろんなところの折衷案みたいな感じなんですかね。
あれが自転車道だったら、尾根幹はロードバイクが事実上まともに走れなくなってましたから。

けどまあ、ロード乗りの中でも信号無視やら違法走行する人もいるので、印象が悪いというの理解できる。
ちょっと前にも取り上げましたが、この記事で引用した内容。

たまたま検索してヒットした記事なんですが、ちょっとこれはいかがなものかと思うところがありまして。 まあ、気持ちは分からないでもないですが。...

これ結構恐ろしい内容を平然と書いているのでビックリするのですが、信号機が無い横断歩道で自転車と横断歩行者が衝突した事件についての民事訴訟を取り上げて批判している内容なんですが、とんでもなく恐ろしいことを書いているというか、横断歩道の前で自転車が減速するのは危険だ!などと主張している。

この著者が自転車乗りなのかどうか知りませんが、こんな人がサイクリストだったらそりゃ世間から叩かれて当然。
後続車に追突されるリスクがあるから横断歩道の手前で減速すべきではないと主張すべき、みたいな話を平然と書くのは、理解に苦しむ。
そんな主張を裁判でしたら、とんでもなく不利にしかならないしw
車両に乗るという自覚も責任感も無さすぎ。

他にも判例についての論評をしているようですが、中身が酷すぎてビックリします。
こういう人がいる限り自転車の地位は一向に上がらない。

結局のところ、多少は道交法を勉強していないと理解不能な構造は多々ありますが、法律に則って車道を走る自転車にとって、結局どこを走ったらいいのか道交法マニアにしか分からないような構造を連発することが間違っている。
けど分からないときは調べて、何とかするしかないんですね。
今の時代、すぐに動画を撮ってSNSにアップして違反だ違反だと騒ぐ傾向がありますが、そりゃ信号無視とか逆走とか無灯火は非難されるべきもの。
これなんて、

こちらの動画の1:00あたりから。 報道の内容としては正論ですし、間違いがあるとは思いません。 自転車横断帯があるときは横断...

あー違反ですね!なんて言われても、そんな遠くにある信号機や自転車横断帯に気付くことは不可能なのです。
車道の信号機に従っていたら違反だ違反だと言われても、さすがにどうかと思う。