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サイクリングロードは法律上「歩道」ではない。

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なんかちょっと前から「夜間のサイクリングロード」についていろいろ意見が出ていて、車両である自転車が歩行者を保護する義務があることには同意しますが、

サイクリングロードは法律上「歩道」ではありません。

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サイクリングロードと道路交通法

分かりやすいところだと、荒川上流は県道、荒川下流は緊急用河川敷道路になりますが、道路交通法上の区分は「歩道又は路側帯と車道の区別がない道路」(交通法2条1項1号)。

一 道路 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第二条第八項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。
荒川上流 荒川下流
一般用語 県道 緊急用河川敷道路
道路交通法上の区分 歩道等と車道の区別がない道路(2条1項1号)

道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路

歩道等と車道の区別がない道路(2条1項1号)

一般交通の用に供するその他の場所

サイクリングロードを歩道と解釈したら、自転車は歩道の中央から車道寄りを徐行する義務があることになりますが(63条の4第2項)、車道がないので成り立たない。
車道も歩道も工作物で区切るから成立するわけで、サイクリングロードは「歩道等と車道の区別がない道路」になります。

 

要は狭い生活道路(歩道も路側帯もない)と同じ扱いです。
サイクリングロードを通行する特定小型原付は、歩道通行モード(時速6キロ)にする義務はありません。
なにせ、歩道ではなく道路なので。

 

しかしまあ、歩行者を保護する義務があるのは明らか。
主な根拠は18条2項と70条(安全運転義務)。

(左側寄り通行等)
第十八条
2 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない

サイクリングロードって基本的にはどこも狭い。

あくまでも歩道と車道の区別がない道路なので歩行者には右側端通行義務があり(左側端も可)、その他には直前直後横断禁止などもありますが、サイクリングロードにて18条2項に従うと歩行者の横を通過するには事実上徐行するしかない。
まともに側方間隔が取れない以上、18条2項の義務を果たすにはそうなるわな。

 

そして夜間のサイクリングロードには街灯もないので著しく見えにくいわけで、見える範囲で停止できるような速度を求めていると解釈されるので、まともにスピードを出すことは困難。
そう考えると、結局は自転車側に強い注意義務があるのは明らか。

ところで、サイクリングロードは「道路」であり歩道ではないので、歩行者にも過失があれば過失相殺します(歩道でも歩行者に過失があれば過失相殺の対象ですが)。
しかし判例を見ると、サイクリングロードでの事故については自転車の重過失扱いしているものが多い印象。

 

サイクリングロードで「対歩行者事故」が起きた場合の過失割合。
読者様から質問を頂いたのですが、いわゆるサイクリングロードの話。 サイクリングロードは道路交通法では「歩道と車道の区別がない道路(2条1項1号)」になりますので、歩行者は右側端(もしくは左側端)を通行する義務があります。 歩道ではないので歩...

 

歩行者が直前横断みたいなことをすれば過失相殺する可能性はあるでしょうけど、現実的には過失相殺してない事例のほうが多いのかもしれません。

トラブルの原因

サイクリングロードで自転車と歩行者のトラブルというと、歩行者のすぐ横を減速せずにかっ飛ばす系ですね。
つまりは18条2項の違反。

 

ロードバイク乗りは車道にて、クルマに至近距離通過されて激オコしますが、同じことを歩行者にやったらまずいでしょと。

 

あと勘違いする人が多いですが、幼児自転車は道路交通法上「小児用の車」となり歩行者になります。

道路交通法2条1項11号が「小児用の車」を軽車両から除外し、同条3項1号が「小児用の車を通行させている者」を歩行者とした所以を考えるのに、同じく自転車の類型に入るものであつても、「小児用の車」にあたれば、これに乗つて進行している者は歩行者とされ

 

福岡高裁 昭和49年5月29日

おおむね6歳未満、16インチ以下は法律上「歩行者」。

 

まあ、道路交通法上は「道路」なので優先権はどちらにもなく、自転車は歩行者を保護する義務(18条2項、70条)がありますが、あえて一点いうと犬のリード。

 

あれ、リードにより自転車が怪我したりすると歩行者が過失致死傷罪に問われることがありますが、個人的には夜間のサイクリングロードって怖すぎて走れません。
街灯もないので見えにくいのと、対向自転車のハイビームで視界が飛ぶから怖い。
自転車側の自衛の話なら、夜間のサイクリングロードは避けた方が賢明な気がします。

 

何が怖いかって、想定外の堤防の下から急に歩行者が出てきたりするし、

夜間は怖すぎて走れません。

 

サイクリングロードにて自転車が歩行者を保護する義務があるのは明らかですが、サイクリングロードを歩道と解釈したら徐行してない自転車が全て違法であるかのような誤解に繋がるし、通常モードで走る特定小型原付が違法であるかのような誤解に繋がります。

 

そもそも、歩道の「普通自転車通行可」の標識と、サイクリングロードの「普通自転車等及び歩行者等専用」(標識令325の3)は同じ標識なので混乱の原因にもなりますが、サイクリングロードを「歩道」であるという間違った知識を広めると通常モードで適法に走る特定小型原付が迫害されかねないし、きちんと法律上の根拠を理解した上で話を進めて欲しいなと思ったりする。

 

歩道だと広めることにより迫害されかねない立場の人もいるのだから。
実証実験の電動キックボードなんて、法律上「小型特殊自動車」だったから二段階右折が違法でした。
しかしそこを理解してない方々が、「小回り右折している違法な電動キックボード」だと非難しまくりでしたが、誤った解釈を広めたら誰かが迫害されかねないのよ。

 

なのでサイクリングロードは法律上、歩道ではなく道路になりますが、歩行者保護の責任は車両である自転車にあります。


コメント

  1. jukka より:

    サイクリングロードは夜間より日暮れ前の方が怖いですね
    まだ暗く無いからと自転車はライトを付けないし結構人が多い
    夜間のサイクリングロードはまず人がいないので犯罪に巻き込まれそうとかオカルトにあいそうなのは怖いですが…

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      サイクリングロードの夜間はほとんど街灯もないし、そもそも走りたいとは思わないですよね。
      ろくなことにならない。

  2. 匿名希望 より:

    今月の11日にサイクリングロードで歩行者と接触事故を起こしました。私が自転車で無保険なで相手は治療中です。ただ今回同じようなケースが見当たらずこちらのサイトに近い状況が見つかったので書き込ませていただきました。私のケースで過失の解説を教えてください。

    状況は愛知県にある木曽川サイクリングロードの犬山市内で起きました。私と歩行者の進行方向は同じで私が10M程度手前から歩行者を認識しており、ベルを鳴らしながらブレーキをかけて減速しながら走行しました。歩行者は親子で母親は左端、息子が中央にいて右側が空いていたため私はベルを鳴らしながら右側をすり抜けた時に息子が急に右に動き私の左腕に衝突し私は右側に転倒しました。

    息子さんは私の自転車に尻もちを付きましたが特に大きな怪我はありませんでしたが私は右にコンクリート柵があり、そこに激突したので肋骨を骨折してしまいました。

    その後、一緒に居た母親が「あなたが100%悪い、110番してください!」と言ったので110番しました。その後警察で調書を作成しましたがその時、担当のお巡りさんには「歩行者の不注意もある」とおっしゃってましたがこの場合、どうなりますか?
    被害者の後ろ方突っ込んだなら私が100%だと言われても仕方がありませんが、横から押されて倒れるのは避けようがありません。

    自転車に乗ってるということだけで加害者と決めつけられて正直腹が立ちました。怪我も私のほうが重症です。なのに相手は示談金目当てに毎日通院しているようです。

    こういうケースでも自転車の過失は大きいんでしょうか。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      具体的な過失割合については細かい事情(側方間隔、速度、子供の年齢など)に左右されるのでなんとも言い難い上に、警察の調書にベルを鳴らしたことが記載されているか次第でも変わります(記載されてないと鳴らしてないことにされることが多い)。

      近いかなと思うのはこのあたりでしょうか。

      https://roadbike-navi.xyz/archives/43527/

      基本的には自転車のほうがはるかに分が悪く、要は子供だから不意な動きをすることが予見可能だから追い抜きを控えるべきだったとか、子供が自転車の存在を認識してから追い抜きすべきだったみたいな認定になりがちです。
      サイクリングロードの対歩行者事故の判例をみると、歩行者に過失を認めてないものが多いように感じますが、具体的事情がわからないとなんとも言えません。

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