ディープリムについて考える。本当に速いのか?

ディープリムに憧れを持つ人って、多いと思います。
見た目がカッコいいというのもありますが、理論的には空力がよく、空気抵抗を抑えて速いというのが理屈です。



しかしながら、本当に速くなるのかと言われると、必ずしもそうとは限りません。

ディープリムに対する幻想

これは初心者に多い間違いですが、例えば40キロ程度が限界の人がいたとします。
それをディープリムに変えたところで、最高速度が50キロに上がったりするわけではありません。

ディープリムのメリットと、デメリットを考えてみましょう。

メリットですが、先ほども書いたように、空力がいいということです。
空気抵抗が少なくなるということは間違いない事実です。
それとディープリムにするとスポークがその分短くなります。
その結果、ホイールとしてのたわみが少なくなり、ホイールとしての剛性は上がることがほとんどです。

逆にデメリットを考えてみましょう。
デメリットですが、まずはリムが重くなります。
これはリムに使う材料が増えるので当たり前ですね。
ディープリムとなるとほとんどの場合でカーボンリムですが、リム高50mm以上だと500g弱からそれ以上のリム重量となってきます。

ここで参考までに書きますが、アルミリムの重量を挙げてみましょう。

リム リム高 重量
デュラC24 24㎜ 385g程度
キシリウムエリート 24㎜ 410g程度
レーシング3 24㎜ 460g程度
RS21 21㎜ 500g程度

※全てフロントリム。リアリムは20g程度重くなるのが普通です。

デュラC24は厳密にはアルミリムにカーボンラミネートを施していますが、ほかは全てアルミリムです。
C24とRS21はリムテープが必要になるので、プラス20g弱のリムテープ重量を加算します。

アルミのローハイトリムだと、こんな感じです。
もしアルミリムで50mmハイトを作ったら、恐らくですが600gを超えてくるかと思います。
デュラエースC50はアルミリムにカーボンフードをつけているので軽量化していますので、ちょっと例外です。

リム重量が軽いと、漕ぎ出しでの軽さがあるため「スッ」と前に出るようなホイールになります。
加速で踏み込んだ時も、軽いリムのほうがグッと行く感覚になることが多いです(この辺はホイールの剛性も関係するので、ホイールにもよりますが)。

リム重量が重いと、ペダルを止めたときになかなか減速しないというメリットはあります。

カーボンリムとは言え、500g以上になってくるとちょっと重いです。
そのため、アルミのローハイトリムよりは漕ぎ出しの軽さは感じないことが多いでしょう。

あと、ディープリムのデメリットとして大きい要素ですが、横風には弱いです。
横からきた風を思いっきりリムが受けてしまうため、前輪ならハンドルごと持っていかれるような感覚になりがちです。

ディープリムは本当に速いのか?

ディープリムの持ち味は、空力の良さと、剛性の高さ、リム重量があることでなかなか減速しづらいという点に集約されます。

ここで考えてほしいのですが、空力の良さというのはそれなりの速度にならないとわかりません
この辺りはあくまでも体感的な話になってしまいますが、30キロ台後半から上の速度じゃないと、空力の良さというのは感じないに等しいレベルと言っていいでしょう。

様々な実験結果をみると、30キロ程度でもデータ上はローハイトリムに比べるとディープリムは確実に空力がよく、数字上でもそれなりにはっきりした違いになっている実験結果が多いです。
なんですが体感上は30キロくらいだと空力と言われてもほぼわかんないと思います。

さて、こういう話で何を言いたいかというと、要は時速30キロ台後半で巡航する能力がなければ、ほとんどディープリムのメリットを生かしきれないという点です。
それ以下の速度だと、正直なところローハイトリムのホイールのほうがリムが軽いだけメリットがあります(もちろん、RS21みたいにリムが重いホイールは除いて)。
個人的な感覚になってしまいますが、時速30キロ台後半で巡航できない人は、ディープリムは重いだけでメリットがほとんどありません。
そういう人はローハイトの軽量ホイールのほうが速い可能性が高いです。

ディープリム=速い、という図式を思い浮かべる人は多いように感じますが、ホイールは勝手に進んでいってくれるものではなく、あなた自身の力で回すものです。
要は時速30キロ台後半まで、それほど頑張らずに上げていける実力がないなら、空力の良さを体感するところまではいかず、むしろ体感するのはリムの重さという結果になりかねません。

そういう人には、セミディープリムのホイールのほうがオススメになります。
セミディープとなると35mmハイトくらいが多いですが、50mmよりもリムに使う材料が減るので当然軽くなりますし、横風の影響も50mmより少ないというメリットがあります。

もちろんですが、シロッコとかレーシングクアトロのようなアルミリムの35mmではなく、カーボンリムの35mmの話です。
シロッコやレーシングクアトロについては、アルミリムの35mmなのでやはりリムが重いです。
シロッコやクアトロも、高速域ではそれなりによく転がってくれるので値段から見たらいいホイールだと思いますが、どうしてもリムの重さがネガティブに働きます。

そういう中、カンパニョーロのボーラ35ってすごくいいホイールだといつも思います。
カーボンリムでリムの重さを抑えながら、高速域では空力の良さを体感でき、それでいて35mmハイトで横風の影響も少ないというオールラウンドなホイールです。

Campagnolo – Bora Ultra (ボーラウルトラ) 35 クリンチャーロードホイールセット

重量 F585g、R785g

1370g(ペア)

リムハイト 35mm
対応タイヤ クリンチャー
23cタイヤ ×(25C以上)
スポーク数 18/21
対応スピード シマノ8-11s

もちろん、値段が値段なのでアルミリムのホイールと比べるのは酷なのですが、ボーラって非常にバランスがいいホイールです。
見た目もカッコいいですし。

ディープリムを買おうとしている人は、まずはディープリムの良さを活かしきれそうかというところから考えたほうがいいと思います。
巡航速度が30キロ台後半まで持っていけないなら、セミディープもしくはローハイトリムのほうが圧倒的にオススメです。

またディープリムを買うのなら、リム重量にも敏感になったほうがいいと思います。
剛性の高さがウリでやたらと重いカーボンディープリムもあります。
カーボン=軽いとも限りません。




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