自転車ヘルメット不要論 VS ヘルメット必要論。果たしてどっちが正しい?

今現在、ロードバイクに乗る人にとっては、ヘルメットを被るということはもはや常識化していると思います。
実際、道を走るロードバイクを見ても、歩道を走るような人たちは別として、車道を走るロードバイクはほぼヘルメットを被っていると思います。

ただ、世の中には、【ヘルメット不要論】を唱える人も実はいまして、論文レベルでもヘルメット義務化は良くないとしているものもあります。

ヘルメット不要論の主張

ヘルメット不要論を唱える人たちの主張をまとめてみました。
この議論はちょっとややこしいのですが、ヘルメット義務化への反対論も含まれます。

自転車ってそんなに危険なの??

まず言われることですが、自転車に乗るという行為が、歩行者に比べて危険だという科学的根拠がない、ということです。
その一例として、交通事故での死亡者は、自転車に比べて歩行者は6倍高く、歩行による走行距離は自転車の5倍だという交通量調査から見ても、走行距離に対する死亡事故の割合は、むしろ歩行者のほうが高いという話です。

これらの結果から見て、むしろヘルメットを被るべきなのは歩行者だ!と主張しているブログを見たこともあります。
歩行者のほうがはるかに危険度が高いことがわかっているのだから、自転車ヘルメットを義務化というなら、まず歩行者にヘルメットを被せるべきという話ですね。

ヘルメット義務化は、自転車利用者数を減らす

オーストラリアやニュージーランドの研究では、自転車義務化したところ自転車利用者数が30~50%減少した、と報告しています。
その結果として起こるのは、国民の運動量の減少であったり、運動量の減少がもたらす医療費の高騰など、なんらメリットがないという話です。

イギリスの自転車利用が2%⇒10%に向上したとすると、健康保険のコストを最大で450億円減少できるという報告もあります。

ヘルメットを着用すると危険性が増す

イギリスの研究によると、ヘルメット着用と非着用において、着用しているほうが至近距離で車が通過するとしています。
非着用に比べ、ヘルメット着用だと車が自転車に対して8.5センチ近づいたとしています。

ヘルメット非着用の場合、車と自転車の距離は1.2~1.3mとの話です。
120センチに対する8.5センチは約7%というところになります。

ヘルメットを被ると暴走する

ヘルメットで守られているという安心感から、暴走する・無理な運転の自転車が増えるという研究もあります。
たかだかヘルメット被っているくらいで、イキって走るという心境だけは私には理解不能です。

これを逆手に取る人もいて、時速30キロ以下で走れば自転車にヘルメットなんて不要なんだ!と主張する人もいますが。

自転車用ヘルメットの脆弱性

オートバイのヘルメットに比べ、自転車のヘルメットはそもそも脆弱過ぎて頭部を守れていないという指摘もあります。

オートバイのヘルメットに比べれば、自転車用ヘルメットは穴だらけ(ベンチレーション)だし、重量も250g程度でどうみてもオートバイ用ヘルメットに比べて貧弱だという話です。
ヘルメット業界では【自転車用ヘルメットは、割れて衝撃を吸収する】としているが、本来はヘルメットの内部が潰れて衝撃を吸収するもので、割れた際に衝撃を吸収するものの割れたあとは衝撃を吸収しないので無意味、と論ずる人もいます。

オランダは自転車大国だが、ヘルメット装着者は少ない

オランダは自転車事故が少ないとされていますが、ヘルメット装着している人なんてほとんどいない。

ある調査によると、自転車利用者に深刻な頭部損傷は8000年に一度しか起こらず、2万2000年に一度の確率で死亡するとしており、そんな確率のものの備える必要があるのか?という疑問を呈しています。

これらが代表的な意見でしょうか。

頭部損傷のメカニズム

ロードバイクなどの自転車に乗っていて落車し、頭を打ち付けた場合にどのような損傷を負うのか?というところです。

ロードバイクで落車して頭部を打ち付ける場合、単純に頭部への打撃だけでなく、前方への加速度が付いているため、地面に対して頭が垂直ではなく、斜め方向に衝撃が加わるとされます。
その結果、回転や捻りの影響で脳が大きく揺さぶられ、脳自体や脳血管に障害をもたらすとされます。

なので単純なヘルメット自体の強度だけでなく、回転や捻りの動きが加わったときに対応するヘルメットが要求されます。

スウェーデンのヘルメット技術の会社ですが、こちらが詳しいかと。
https://mipsprotection.com/

こちらがそのMIPSの技術を使ったヘルメットの話です。

自転車にヘルメットは必要なのか?

いろんな意見を踏まえてですが、まず、日本で自転車に乗る上で、ヘルメットは法的に必須ではありません。
私の場合、ママチャリに乗るのにヘルメットは被りませんが、ロードバイクに乗るにはヘルメットを被ります。

で、結論から言いますと、ヘルメットについては好きにしてください、になります。

今の自転車用ヘルメットって、かなり研究されて開発されています。
昨年トレックが、重大な発表がある、とアナウンスしていました。
巷ではフレームの新素材なのか??など憶測が飛んでましたが、なんとヘルメットの発表でした。

自転車よりも歩行者のほうがリスクが高いとか、重大な頭部への損傷を負う確率は8000年に一度だとか、統計上はそうなのかもしれませんが、所詮は統計です。
数字の見方次第でも変わりますし、明日怪我してその後8000年間ゼロという可能性もありますし。

ヘルメット装着しているほうが8.5センチ車が接近するというデータも、誤差なんじゃないの?とも思いますし。

ただ、そういうデータがあることは知ってますが、そういうデータがあるから私が考えが変わるわけでもありません。
統計上、いろんな数字が出てますが、例えば東日本大震災だって1000年に一度の大津波とか言われますが、東日本大震災でお亡くなりになった人はかなり多いわけで。

8000年に一度の確率でも、それが来たら大打撃で死ぬ可能性もあるので、頭は守っておいたほうがいいというのが私の考えです。
剥き出しのノーヘル頭と、ヘルメット被っている頭、どっちが怪我の程度が低そうかは誰の目にも明らかかと・・・
ママチャリで被らないけどロードバイクで被るというのは、速度域の違いだけの問題ですが。

で、被りたくない人がいるなら、それはそれです。
別にそういう人に、ヘルメット被るように強要する権利もないですし。

ただ現在の風潮としては、ロードバイクでヘルメット被るのはほぼ常識ですし、被ってない人のほうがマナーが悪いと見られることが多いのではないかと。
歩行者のほうがリスクが高いとかは、単なる数字上の取り上げ方の問題です。
ヘルメット反対論者さんって、こういうデータを言い訳に使う人もいるのですが、被りたくないなら被らなければいいだけ。
余計なデータとかで言い訳するほうが、なんか必死だなと思ってしまいます。

あと、乳幼児だったり、一部の自治体では自転車のヘルメット装着が努力義務になっています。
罰則はないですが、乳幼児については自らの意思でヘルメット装着、未装着を選択できるわけではありませんし、それならば被せてあげたほうがいいと思います。
大人が自らの意思で未装着を選ぶことは自己責任ですが。

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コメント

  1. ゆき より:

    知り合いに通勤中ママチャリで転倒、縁石に頭部を強打してひと月近く意識不明だった人がいます。
    シングルマザーで子供も幼く、もしあのまま意識が戻らなかったらと思うと、ヘルメットを被っていれば免れたかどうかは別としても、リスクは軽減できたのではないかと思います。
    周囲に及ぼす影響を考えたら強く推奨するのは悪くないかもしれません。最終的には自己責任にはなりますけど。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      実際に事故にあった経験がある人とか、身近なところで事故の話があると、ヘルメットについては重要なものだと思いますよね。
      私自身、ヘルメットがあったから軽症で済んだ経験もあるので・・・

      ノーヘル推進派の方もそれなりにいるのですが、8000年に一度の確率だという統計があっても、それがいつ来るかはわからないわけで。
      ガッチリしたヘルメットでなくても、ママチャリ用のソフトヘルメット的なものがあってもいいのかもしれません。

  2. HIRO より:

    一番最初のは主張者が本気なのかこじつけ承知で言ってるのか悩ましいですよね。
    そもそも普通は「人間の歩行速度は時速4~5km程度、飛び出しでもしない限り自爆事故なんてありえないんだから加害者になり得る車両側の安全意識の向上で事故数は減少するだろう」と考える筈ですけどね。

    正直自分も本気で距離走る時はヘルメットかぶってないと「不安で仕方ない」タイプなので「あの程度の重量かぶることで走行中の余計な不安を完全にではないが気にせずに済む」と考えれば全然苦にならないのになあ、と思うんですよね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ヘルメット被りたくない人はそれでいいと思うんですが、どう考えてもその理由についてはこじつけですよね・・・
      カッコ悪いから被らない、というのなら、それはそれなんですが、意味不明なツッコミ所満載な言い訳するから、信憑性がないとでも言いましょうか・・・

      宗教上の理由でヘルメットは被らないという有名人の方もいますが、ヘルメットを被るとダイレクトに神を感じ取れないからだそうですw
      その程度の信仰心だから神を感じ取れないのでは?と突っ込んだら、きっと怒りだすんでしょうか・・・

  3. aida より:

    ヘルメット更新時は毎回、不要論も再確認します。今回も調べて驚いたのは、「壊れた後は役に立たないだろう」という指摘があること。
    その最初の一撃をやり過ごしたことは評価しないのだろうか?
    Wikiにもこれ書いてありますが、お話にならない屁理屈で、不要論者が本当はどういう気持ちに突き動かされているか分かる気がします。
    必要論者として掴んでる確証も何もありませんが、分からないことは仕方ないから想像力で補って選択すればいいと思います。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      ウィキペディアのヘルメット論争、あれは誰がまとめたのか知りませんが、反ヘルメット派なのかな?という印象があります。
      中立の立場で書かれたようには思えなくて。

      【その一撃をやり過ごしたことは評価しないのだろうか?】←ホントその通りです。
      しかも何で二発目を喰らう前提なのかもわかりませんし。

      もっとシンプルに、【被りたくないので被りません】と言ってもらったほうが、納得するのですが、矛盾が多い根拠をつけるので、逆に突っ込みどころが出てくるような気がしてます。

  4. aida より:

    ご返信ありがとうございます。
    もう一点面白いことに気付きました。

    個人が自転車で深刻な事故に遭うのは8000年に一度だとすると、日本人口を1億人としても、年間12500人がそういう目に合う計算。
    これは年間交通事故死者の3〜4倍(まあこの数字に自転車事故も含まれるのはこちらの弱みですが)。つまり不要論者は交通事故死の3〜4倍のリスクを「無視できる」と言ってる訳です。

    まあ現実には自転車はそこまで危険ではなく、要するにWiki陣営が8000年に一度という数字を全く無検証無批判で垂れ流してる証拠です。彼らは「1000以上の数はすごく大きいんだ」としか思ってないのですね。

    ということで、管理人様が本文中仰る通り、Wikiは理論的な風味を出しつつ、実は数値的な検証をする姿勢が無いと思います。
    ことは自転車乗りの生命に関わる訳で、極めて悪質な作文です。Wiki執筆者には自転車ヘルメットの記事を科学的な態度で全面改訂してもらいたいです。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      数字は見せ方によって受け取る側の印象が変わるものなので、よくある手法なのかなと思います。
      スペシャが出している40キロの距離を走って12秒短縮できる!という話も、1キロ当たりにすると0.3秒の短縮なので、1キロ走って0.3秒速くなる!等と宣伝しても誰も食いつかないわけで・・・

      まあ、被りたくないという人がいるなら、被らなくてもいいと思うんですね。
      そこに苦しい言い訳をつけるから、おかしな点が出てくるだけなのかなと・・・