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意味と意図と目的を理解する。

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最近、目的をあいまいにしたままの議論って多いように感じてまして。
ちょっとそんな話を。

目的

例えばなんですが、自転車ヘルメットを推奨するよりも、道路インフラ整備をすべきという主張をする人っています。
私が思うにですが、目的を理解せずに議論や批判をするから話が噛みあわないというか、目的を理解すればヘルメットとインフラ整備は性質が全く異なるわけです。
目的さえ理解していれば、ヘルメット推奨という話にインフラ整備なんて的外れな話は出ない。

 

インフラ整備をすることで、事故を減らせる可能性はある。
けど実際に事故に遭ったときに、怪我の程度を軽くする効果は無い。
(車と自転車を分離することで、車と衝突しにくいという結果はあるにせよ、自爆転倒とか、自転車同士の衝突で転倒とかで怪我を減らす効果は無い)

 

ヘルメットは万が一頭部を打ちつけたときに、頭部の怪我の状態を軽くする可能性はある。
けど事故を予防する効果は無い。

 

自転車保険は、万が一事故を起こしてしまったときに、被害者に対して救済になる。
けど事故自体を予防する効果は無い。

事象 目的
インフラ整備 事故を減らせる可能性
ヘルメット 事故で頭部を打ちつけた際に、怪我の程度を減らせる可能性
法律順守 事故を予防できる可能性
マナー 事故を予防できる可能性
自転車保険 万が一事故を起こしてしまったときに、被害者へ救済できる可能性

目的が違うものを挙げて批判するからおかしくなる。
その事柄が、何を狙っているのか?どんな目的なのか?を考えていないと噛み合わない議論になる。

 

自転車保険に入った瞬間にマリオのスター状態になるわけではないことは、ほとんどの人に理解できることかと。
俺スゲー!自転車保険に入っているから無敵です!なんて人がいたら、マジで道路に出ないで欲しいw

 

ヘルメット被ったから無敵です!なんて考える人も通常はいないわけですし。

 

凄く不思議だなと思う話

近年警察が、横断歩行者妨害について取り締まりを強化しているのですが、いまだ守らない人が多いのも事実。

 

長野県は、圧倒的に順守率が高いとされています。
JAFの調査でも圧倒的。

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
48.3% 64.2% 58.6% 68.6% 72.4%
信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2020年調査結果)
「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2020年調査結果)」についてご案内します。

 

その一方、長野市在住の高校生が5年かけて調査した結果。

自ら「歩行者役」となり、自宅近くの横断歩道で、渡る前に手を上げた時と、そうでない時の車の停止する割合を比較した。手を上げない時は35%(102台中36台)だったのに対し、手を上げた時は88%(50台中44台)だった。

 

「横断歩道で手を上げれば、車は88%止まってくれる」…女子高生が歩行者役になり研究
【読売新聞】 横断歩道で歩行者が手を上げれば、車の9割近くは止まってくれる――。女子高校生の研究結果をきっかけに、長野県では秋の全国交通安全運動(21~30日)で、横断歩道でのマナー向上に取り組むことになった。女子高校生は手を上げる

高校生の調査方法、恐らく1日ではなく5年かけてなんでしょうけど、2016年からのJAFの調査の推移を検討したとしても、はるかに低い数字ですよね。
手を挙げないときに35%とあります。
JAFの調査では調査回数は1箇所50回の横断、同一県内で2か所(合計100回の横断)なので、調査数としては高校生とほぼ同じ。

 

イマイチどのように評価したらいいのかわかりません。

 

けどまあ、手を挙げたら順守率が大幅に向上しているのも事実。
運転者の義務なんだとか当たり前の話は出てきますが、どんな法律でも守らない人が必ずいるのは明らかですし、それこそ北朝鮮のように厳しく刑罰が科されるような社会でも違法な行動をして処罰されるケースはあるわけで、【法律を守れ!】ということだけでは違反を無くすことも出来ないし、事故も防ぐことができない。

長野県がどういう取り組みをしているのかというと、こちらが参考になります。

長野県ではドライバーの歩行者保護の意識を高めるため、どのような対策を実施してきたのか、長野県警察本部交通部交通企画課交通安全対策室長 三浦仁士さんにうかがった。

「ドライバーには運転免許更新時の講習や各警察署が企業・団体に出向いて行う講習などの機会を通じて、信号機のない横断歩道での歩行者保護について教育しています」。

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

長野県警では交通安全施設の整備にも力を入れている。独自で外周発光装置付き横断歩道標識(写真参照)を開発したのである。これは横断歩道標識の外周部に小型 LED を配置し、夜間にそれらを点滅させることで、ドライバーに横断歩道の存在を注意喚起するためのもの。県内に 845 本設置されている(2018 年度末時点)。

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

長野県の一時停止率が高い要因の一つとして、三浦さんは小学生のある行動を挙げる。それは、横断歩道で止まっくくれたクルマのドライバーへの挨拶。長野県内ではよく目にする光景だという。

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

、(一財)長野県交通安全教育支援センターの指導員の皆さん。同センターは県民の交通安全意識の向上を図ることを目的に、県内を4方面(北信、東信、南信、中信)に分け、幼児とその保護者、小・中学生、高校生、高齢者へ無償で出前型交通安全教育活動を推進

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

児童の自主的な交通安全意識を向上させることを目的に「僕たち・私たちの交通安全宣言」として県内の小学生から標語を募集している。標語は児童自らが守るべき具体的な交通マナー・ルールを表現したもの。応募があった標語の中で優秀な作品は交通安全宣言ポスターに採用され、ポスターは長野県内の全小学校で掲示される。募集を開始した初年度(2017 年度)、優秀賞に選ばれた標語の一つが「止まってくれた運転手さんにあいさつ」。

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

「クルマを運転していて、横断歩道の手前で一時停止すると、小学生の場合は頭を下げてくれます。自転車に乗っている中学生や高校生も道を譲ると、挨拶してくれることがあります。これはすごくうれしいので、自分が歩行者になった時、止まってくれたクルマにお礼の気持ちを伝えようと思うようになります。歩行者にとってクルマが止まることは当然のことですが、止まってくれたことに対して、自然に感謝の気持ちを示す人は多いのではないでしょうか」。

 

https://www.honda.co.jp/safetyinfo/sj/20_06/pdf/SJ_20_04_4to5.pdf

適当にいくつかピックアップしましたが、一つの要因で順守率が上がっているわけでもなくて、こういうのの総合ですよね。
どれが支配的要素なのかはわかりませんが。

 

教則に手挙げ横断推奨が復活したことにやたらと批判的な人もいます。
ドライバーの義務を歩行者に押し付けるなとか、手を挙げていない歩行者は無視でもいいのかとか的外れな話も出ています。

 

けどまあ、最終的な目標って横断歩道事故を晴らすことが目的なわけで、その手段として法律の順守率を上げることも事故を防ぐ手段となる。
法律を守れなんて言っているだけで誰しもがピタッと守りだすわけでもないし、取り締まりを強化しても限界があるし、それ以上の方法を考えないといけない。

 

その手段の一つとして、横断しようとしている歩行者を見つけやすくするために手を挙げるというのも一つの方法だよね?というだけだと思うんだよなぁ。

 

守れ!守れ!なんて言っても、守らない人は守りませんし。
感謝の気持ちを伝えることで法令遵守率を上げることも出来る可能性があるわけで、歩行者に義務を負わすなとか的外れもいいところ。
そもそも義務ではなく、推奨事項なだけですし。

 

義務だから守れ!というだけの人って、ほかに施策は出せないのでしょうか?
目的が法律の順守率向上なのか、事故を防ぐことなのかで話が微妙に変わると思うんですね。
全国民が100%法律を守る世界なんてあり得ないわけですし、だからこそ裁判所は大忙しなわけですし。

 

それこそ、ヤンチャそうなドライバーに対して、横断歩道で中指を立てることを推奨したら、違う意味で車は止まる可能性が高まります。
もちろんお説教とか、喧嘩の方向性ですのでそんなことを推奨したら違う事件が勃発するだけのこと。

 

そんなバカなアイディアはあり得ないとして、法律を守れ法律を守れというだけで効果がすこぶる上がるのかは疑問。
最終的な目的がなんなのか?というところを考えていかないと、何か見落とす。
JAFのデータについても、どこまで実態を示しているのかは疑問。
同一県内2ヵ所で、一件当たり50台ですしね。




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