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サイクリングロードを通行するロードバイクと交差道路を進行するクルマの事故。

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サイクリングロードを通行していると、一般道と交差する箇所がいくつかありますが、こういう場所で事故が起きることがあります。
事故になった際の過失割合がどうなるかについては、正直なところ事故態様次第で大きく変わります。

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サイクリングロードのロードバイクと交差道路を進行したクルマの事故

たぶん私もよく知っている場所なのですが、それはさておき。
事故現場概要から。

サイクリングロードには車止めがあり、交差する一般道のほうが道幅は広く制限速度は30キロ規制。
サイクリングロードには「止まれ」の路面表示(規制効力なし)。

 

右→左からクルマが、ロードバイクは下→上方向に進行していますが、クルマの進行方向から見て交差点手前に横断歩道と停止線があると書いてあります(図面無し)。

私が知る限り、下記なんじゃないか?と疑問がありますが、図面がないのでとりあえず横断歩道がこの交差点付近のどこかにあるとだけ考えてもらえば。
なお、交差点から左側は「橋」です。

クルマは交差点手前13、14m手前で時速20キロに減速。

ロードバイクは時速30キロで進行し、交差点2m手前で右側から交差道路を進行するクルマを9.9m先に発見。

ロードバイクは危険を感じ橋の欄干に衝突。
クルマは停止線を越えて停止した形です。
つまりは非接触事故。

過失割合はこちら。

ロードバイク クルマ
70% 30%

双方の過失になったポイントです。

<クルマの過失>
・交差点進行方向左側の見通しが悪いにもかかわらず、時速20キロで進行した点(徐行する義務)
<ロードバイクの過失>
見通しが悪い交差点に時速30キロで進行した点(徐行義務)
・交差道路がサイクリングロードの1.5倍広く、ポール(車止め)があり、路面に「止まれ」の表示があることからサイクリングロードを進行する側により慎重な安全確認義務があった

なお、横断歩道があったことについては、事故態様からみて横断歩道の規制を過失割合に取り込むことは相当でないとしています。

事故態様から

横断歩道の位置がイマイチ不明ですが、

判決文を見る限り、見通しが悪い交差点なので双方に徐行義務(42条1項)を怠った過失を認定し、さらに明示されていないものの道路幅の差と「止まれ」の路面表示(規制効力無し)から、36条2項の「広狭関係の優先」を過失としているように考えられます。
内容から推測するに、自転車の進行位置は横断歩道外だったようですが、定かではありません。

 

非接触事故というのと、双方の減速具合などからロードバイク側に大きな過失をつけた判例かと。
横浜地裁 令和3年7月30日判決です。

 

なお、ロードバイク側は「道路交通法38条1項」などを根拠にクルマの過失は90%と主張していますが、横断歩道の規制を過失とはみなしませんでした。
クルマ側の主張は、「そもそも接触してないから無関係」です。

サイクリングロードと交差道路

こちらは境川サイクリングロードですが、一般道との交差箇所はいくつもあります。
途中、神奈川県道22号(長後街道)との交差部分があり、このようなアンダーパスになっていますが、

ここ、アンダーパスを嫌って直進するロードバイクが一定数いまして、幹線道路に突入した死亡事故が起きており、幹線道路の中央には自転車が横断できないように改良されています。

アンダーパスの構造がイマイチなので、そのまま直進したい気持ちはわからなくもないけど、厳密に言えばアンダーパスを通らなくても、幹線道路に出て左にちょっと行くと信号交差点があり安全に横断可能ですが。

 

「止まれ」の路面表示のみは規制効力はありません。
けど「見通しが悪い交差点」と見なし双方に徐行義務違反を認定し、「止まれ」の路面表示や広狭関係からサイクリングロード側に慎重な安全確認義務があったとしている点は参考になるかもしれません。

 

見通しが悪い交差点の徐行義務違反って、結構大きい要素なんですよね。

 

見通しが悪い交差点と徐行義務。
ちょっと前に書いたこれ。見通しが悪い交差点と徐行義務「一時不停止の自転車が悪い」という点は完全同意しますが、自転車が悪いと同時にクルマも違反がみられる。(徐行すべき場所)第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道...

 

一時停止義務を果たしたクルマ vs 徐行義務を果たさなかったクルマ。
こちらの続きです。最高裁判所  昭和48年12月25日このような事故がありました。・優先道路は無し・東西道路に一時停止規制・交差点の全方向にブロック塀があり見通しは悪い・南北道路の制限速度は40キロ・道路幅は同程度被告人車(青)は一時停止規...

 

なお、サイクリングロードなのだから自転車横断帯を設置したほうがいいんじゃね?という疑問もありますが、見通しが悪い交差点に自転車横断帯を設置した場合、高速度進行する自転車との事故は多発します。
実際境川サイクリングロードをみても、見通しがいい交差部分には自転車横断帯があるし、見通しが悪い交差部分は自転車横断帯がない。

 

意図的に使い分けているものと思いますが、サイクリングロードって速度が上がりがち。
一般道との交差点は注意しましょう。
あくまでも「交差点扱い」になると、見通しが悪いならサイクリングロード側にも徐行義務が発生するし、道路幅から優劣が発生します。


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