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報道をそのまま読むと間違いそうな。

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このような判決があったようですが、

おととし11月、札幌市豊平区の道道で、当時8歳の男の子が乗用車にはねられ、重傷を負った事故…乗用車を運転していた70代の女性は、無罪判決を受けました。

(中略)

18日の判決で札幌地裁は、事故当時、男の子が暗い色の服を着ていたことなどから「自転車の進入を予測できたとしても、衝突を回避することは不可能、または極めて困難だった」とし、禁錮1年の求刑に対し、無罪を言い渡しました。

 

自転車の男児はね、全治1年の大けがさせた女性に無罪判決…服の色などから「衝突を回避は不可能、または極めて困難」(HBCニュース北海道) - Yahoo!ニュース
おととし11月、札幌市豊平区の道道で、当時8歳の男の子が乗用車にはねられ、重傷を負った事故…乗用車を運転していた70代の女性は、無罪判決を受けました。  判決などによりますと、札幌市の70代の女

ちょっと思うこと。

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報道から読み取れることは特にない

こういう報道を見て、

男の子が暗い色の服を着ていたことなどから

発狂する人もいるでしょうけど、報道ってよくわからないところを抜き出すのが趣味なんだろうなと思ってまして。
当たり前ですが、服の色は「ごく一部の要素」に過ぎなくて本当に大事な部分って

 

「暗い色の服を着ていたことなどから」

 

だいたいは「など」に含まれているのがもはやお約束。

 

何度も取り上げてますが、こちら。

名古屋市内の国道302号を走行中、車を道路の左橋に寄せた際に車線左側を走行していた自転車に接触して発生したという死亡事故の裁判で、名古屋地裁が運転手に対し「過失は認められない」として無罪を言い渡したという(中日新聞、毎日新聞)。

 

名古屋の交通事故、道路事情から「自転車の通行が想定されていない」と判断 | 財経新聞
名古屋市内の国道302号を走行中、車を道路の左橋に寄せた際に車線左側を走行していた自転車に接触して発生したという死亡事故の裁判で、名古屋地裁が運転手に対し「過失は認められない」として無罪を言い渡したという。

判決文(刑事)を読めばわかるように、そもそも幅寄せしたとする鑑定自体が明らかにおかしいから「幅寄せはなかった」と判断された事例なのに、おかしな報道をするから「幅寄せしても無罪」などという間違った世論が形成される。

 

幅寄せの事実が認められなかったから無罪の判決なのに、おかしな報道をして意味が変わることはもはやお約束。
中身を自ら確認することもなく騒ぐネット民にも問題があるように思いますが…

 

ロードバイクの事故と、本当の原因。
何年か前になりますが、名古屋で先行する時速35キロで進行する大型車に対し、左側の狭いところから時速36キロで追い抜きしたロードバイクが事故に遭った件をご存知でしょうか? こちら。 この事故、民事の判例もあります。 刑事事件の内容 刑事事件の...

 

ちなみにですが、このような事故の無罪判決ってまあまあ見かけます。
単に報道されてないから画期的だと思う人もいるかもしれませんが。

違和感が

刑事事件って検察官が有罪の立証を試みて、裁判官が判断を下す構図。
以前から不思議に思っていたのですが、無罪判決に対し裁判官が批判の対象になる。

 

立証に失敗した検察官の問題なのでは?

 

判決文を見ていても、検察官の主張が無理筋過ぎて「何を言ってるのかわからん」みたいに書いてある判決文すらあるわけで、批判すべきなのは立証に失敗した検察官のほうじゃないかとすらある。

 

以前も挙げた徳島地裁判決。
赤信号の自転車横断帯を横断した自転車と、青信号を時速72キロ(12キロの速度超過)で進行したクルマの衝突事故です。

 

まず判決文の冒頭で「検察官は何を言ってるのかわからん」みたいな感じで始まります。
検察官は「赤信号の自転車横断帯でも道路交通法38条1項の義務がある」と主張していたようですが、意味合いからするに検察官の主張とは38条1項前段の減速接近義務の話。
もちろん、一蹴されます。

 

そしてこれ。

なお、以下の検討は、秒速約20.05メートル【時速約72キロメートル】という被告人が現に走行したと認められる速度を基に行っており、法定速度である時速約60キロメートルで走行した場合の検討はしていないが、本件では、検察官が、公判前整理手続を行い、公判で被告人質問まで終了した後の打合せ期日において、法定速度を順守していなかったことを併存過失とする訴因変更を行う予定はない旨明言しているため、この点について更に訴因変更を促すなどして審理、検討することはしない。

 

徳島地裁 令和2年1月22日

検察官が「速度超過は不問にする」と宣言している以上、裁判官は法定速度内なら回避可能だったかを一切審理できない。
裁判のルールとして、主張がないことを裁判官が勝手に判断したら違法ですから。

 

立証に失敗した検察官に問題があるとしか思えないけどな。
赤信号の自転車横断帯にも38条1項の減速接近義務があるという主張も含め、何を言ってるのかわからないレベル。

 

けど、報道ではそんなところが報道されるわけもなく、「信頼の原則ガー!」で終了する。

 

裁判官は検察官が用意した資料のみで判断する仕組みなので、何を言ってるのかわからない主張をしても立証できるはずもない。
しかし批判されるのは裁判官。

 

以前「あるひき逃げ事故」の判決について無罪が出たことがあります。
報道を見て「ひき逃げ無罪なんて裁判官は頭がおかしい」などと言っていた人もいましたが、そもそもひき逃げ自体は起訴すらされておらず、過失運転致死について無罪。
なお判決文をみると裁判官から「検察官の主張の趣旨がハッキリしないがこういう意味なのか?」と何度も確認が出てくる程度に支離滅裂。
検察官の立証が大失敗に終わっただけですが、非難されるのは裁判官になるという…不思議。

 
 

報道なんて大事なところを伝えないことはザラだし、冒頭の件にしても何がどうなって無罪なのかはさっぱりわかりませんが、わずかな報道で発狂する人のほうに問題があるような気がします。

 

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