なんかビミョーに燃えているみたいな。
「歩道」と勘違いしている人が多いですが、法律関係から確認します。
Contents
サイクリングロードの法律上の立ち位置
サイクリングロードの法律上の立ち位置はこちら。
道路交通法 | 道路法 |
歩道と車道の区別がない道路(道路交通法2条1項1号) | 歩行者自転車専用道路(道路法48条の13) |
サイクリングロードは歩道ではなく、「歩道と車道の区別がない道路」。
なので常時徐行義務があるわけではなく、以下のルールに依ります。
第十八条
2 車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
歩行者の横を通過するときは、安全側方間隔又は徐行。
安全側方間隔については以下のように解釈されます。
これとの間に安全な間隔を保ち、または徐行しなければならないという車両の義務は、歩道と車道の区別のない道路を通行する場合に限らず、歩行者の側方を通過するすべての場合に課される義務である。
この場合の「歩行者」とは、歩道と車道の区別のない道路を通行している歩行者だけでなく、車道を横断する歩行者や歩道上にいる歩行者も、これに含まれる。「安全な間隔を保ち、または徐行しなければならない」というのは、歩行者との間に安全な間隔を保つか、それができないときは徐行しなければならないということである。
この場合の「安全な間隔」とは、歩行者の行動に不測の変化があったとしても歩行者の安全が図られるような間隔であり、車両の速度により一概にはいえないが、最低1メートルは必要だと考えられる。歩行者の側方を通過する車両は、歩行者との間にこのような安全な間隔を保つことができないときは、直ちに停止できるようなおそい速度で進行しなければならないことになる。
「道路交通法の一部を改正する法律」(警察庁交通企画課)、月刊交通、昭和46年8月、東京法令出版
サイクリングロードのように狭い場所においては、現実的には「安全側方間隔かつ徐行」にせざるを得ないでしょう。
サイクリングロードは「歩道と車道の区別がない道路(2条1項1号)」なので、歩行者も本来は右側端に寄って通行する義務がありますが、
第十条 歩行者等は、歩道又は歩行者等の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる
現実的には歩道っぽい状況に見られちゃうので、歩行者に遵守を求めるのは無理があります。
なので自転車がより注意を払うのは当然。
というところが法律上の話になります。
ちなみに映像だと画角の問題から分かりにくいけど、中盤に歩行者の一団を抜く際に片手運転はやめたほうがいい。
理由はこれ。
この場合の「安全な間隔」とは、歩行者の行動に不測の変化があったとしても歩行者の安全が図られるような間隔であり
安全側方間隔を保持できないまま抜く状況なので、もうちょい速度を落とす&両手保持が基本。
後半で歩行者の一団を抜く際には安全側方間隔を保持できない状況ですが、徐行の範疇とみなせますし、法律上は「安全側方間隔又は徐行」なので違反とまでは言えません。
ただし、より慎重に抜くためには「自転車通ります」とか「こんにちは」などの声かけが好ましい。
ちなみに、先に書いたようにサイクリングロードは歩道ではないとはいえ、歩道と勘違いしている人が多いのも事実。
「自転車通ります」と声かけしたときに
「歩道なのに何を貴様は!」
などと発狂する事例を聞いてますので、当たり障りがない「こんにちは」をオススメしています。
そもそも「サイクリングロード」という通名も変ですが。
道路法上は「歩行者自転車専用道路」ですし。
まあ
道路交通法上は「歩道と車道の区別がない道路」なので歩行者も右側端によって通行する義務がありますが、要は実態として「歩道風」に見られてしまう以上、歩行者にそれを期待できない。
なので雑にまとめるなら、「歩行者が邪魔だと思うなら一般道へどうぞ」になります。
そもそも、サイクリングロードの設計速度ってかなり低いので、ロードバイクのようなスピードを出す自転車を対象に設計したとは思わない。
設計速度は広いところで30キロ、狭いところは10キロです。
いわゆるシティサイクルや子供の自転車が対象だと思ってますが、それでもロードバイクでサイクリングロードを走るなら注意しながら歩行者優先で走るしかないのよね。
個人的にはサイクリングロードは避けます。
理由はこちら。
・せっかく歩行者優先で走っていても、アホなロードバイクがビュンビュンかっ飛ばしていたり、小さな子供の横でも減速せずに走り抜ける姿にイラっとするから。
・単調過ぎてつまらないから。
まあ、歩行者の横を十分な減速もせずに走ると、同じことされても文句言える立場じゃない気がします。
「同じこと」とは、車道でクルマがスレスレをビュンビュンかっ飛ばすアレですね。
クルマにされてイヤなことを、歩行者に対してやったらアカンです。
何に乗っていても、降りたらみんな歩行者なのですから、自分がされたくないことはしない。
ただまあ、そもそもの原因としては「狭い道路の乱立」にあるような気がしないでもない。
ほとんどのロードバイクは歩行者優先でサイクリングロードを使っていると信じたいけど、トラブル話は絶えないのよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
関東で有名な多摩川沿いの「多摩サイ」は管轄地域に応じて微妙に掲示される行政ルールにも違いがあります。
八王子以西は明示ほぼないが自転車優位、多摩まで自転車中央付近、歩行者縁側で対等扱い、府中〜調布は通行区分同じも多数のバンプ設置で「自転車自重しろ!」モード、以東は明示ほぼないが、そもそも道が飛ばせない作り。
府中が厳しくなったのは15年位前でロードが増えてからで、行政も法律によるルールより、クレームやアクシデントを減らすために工夫をこらしてルール提示している気がします。
法律は大事ではありますが、すべての状況に適切なルール化の難しさを感じますね
コメントありがとうございます。
いまだに多摩川については、そもそも法律上の区分がよくわかりません。
府中あたりのハンプは、過去に起きた死亡事故の影響です。
ありがとうございます、やはり事故があったのですね
府中エリアのみ風の道、他はサイクリングロードで呼んでいますが、市区町村区分のようですから、一級河川でも河川敷道路は市町村道ということですね
コメントありがとうございます。
確かピストバイクと歩行者の衝突による死亡事故でした。
まあ、あまり減速にならない気もしますが。