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自転車の左折巻き込み事故。アホ同士の仁義なき闘いか?

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これ、以前も話題になっていましたが、

確かクルマ:自転車=100:0で示談した(?)みたいな話だったような気がする。
いいですよね。
示談の場合、双方が合意していれば自由に過失割合を決めることができますし。

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そもそもですが

裁判したときにも同じ過失割合になるとは思いませんが、現場の道路は指定最高速度が40キロに規制されているので、自転車は10キロ超の速度超過。

そして先行車と後続自転車の進路が重なっていて、最後に自転車が左側に回避しようとしてますが、

そもそも車間距離不保持かつ速度超過していれば回避可能性がないわけで、先行車が左側にきちんと寄せていたとしても衝突していたんじゃないか?と疑われますが、

道路交通法26条1項の「先行車が急に停止したとき」とは、先行車が制動機の制動力によつて停止した場合のみならず、制動機以外の作用によつて異常な停止をした場合も含むとした原判決の判断は相当である

 

最高裁判所第二小法廷 昭和43年3月16日

車間距離保持義務って、先行車が急に速度ゼロになっても衝突しないだけの距離を求めてますし、先行車が減速したら後続車も減速するのは当たり前の話。

 

似たような判例を見ても、自転車過失を30%にした判例(車間距離不保持を重視。東京地裁H21.12.22)とかもあるし、先行車の左側面に衝突した事故について後続オートバイの車間距離を問題にし後続オートバイの過失を90%にした判例(神戸地裁 平成28年8月31日)とかもあるし、時速50キロ超は民事責任上はオートバイと同様に扱う傾向にあることを考えても裁判したら自転車が無過失になるとは思いませんが、わざわざ裁判するよりも示談でニコニコ解決した方がいいんでしょうね。

 

あっ、左折車の義務は「できる限り左側端に寄る」「左折時に正常な交通の妨害禁止」です。

(道路外に出る場合の方法)
第二十五条 車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
(横断等の禁止)
第二十五条の二 車両は、歩行者又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設若しくは場所に出入するための左折若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。

左側端に寄っていたとしても衝突するでしょうけど、強いていうなら左側端に寄っていれば自転車は右側から通過しようとするかと。
一応この類型って追いついてから進路を変えているので左追い越しになってしまいますが、

このあたりは自転車に関してはルーズに扱われている気がします。

二十一 追越し 車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう。

実務上、自転車に関しては追い越しと追い抜きを分けて考えない傾向にあるので、道路交通法を厳格に検討しないことが多い。

しかしながら

そもそも理解してないよな…と感じるような話をしている人がまあまあいるので、道路交通法ってそもそも共通理解がないから争いになるのかなと。
そもそも進路が重なった状態なので純粋な左折巻き込み事故ではないのですが、なんでもそうですが事実を確定させないまま論評し出す人が多い風潮に問題があるのかもしれません。

 

普通に進路が重なった状態なので、車間距離保持がまず大前提になりますが、

(車間距離の保持)
第二十六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

違う進路にいた場合を前提に話をしても無意味ですし。
なお、進路とはこのような解釈になります。

「進路」とは、道路を進行している車両について、その車両が左右に方向を変えないで直進した場合におけるその車両の幅に相当する道路の部分、いいかえるならばその車両が道路の状況に即して近い将来において進行するであろう道路上のコースのことである。

 

宮崎清文、注解道路交通法、立花書房、1966

「進路」とは、当該車両の幅に相当する道路の部分であり、車両(自転車を含む。)は、他の車両通行帯に進行方向を変える場合のみならず、同一車両通行帯内であっても、みだりに進路を変更することは禁止されている(道路交通法26条の2第1項)。

 

福岡高裁 令和2年12月8日

先行車と後続車の「進路」が一部でも重なっていたなら「同一の進路」になります。

なのでアホ同士がガッチャンコしただけの話としか見えないです。
示談なら当事者間で合意していたらあとは自由なのですが。

コメント

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