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ツール・ド・北海道安全対策検討会の第2回が開催に。まだこんなレベルなのだろうか。

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ちょっと前に、ツールド北海道事故について警察の捜査が一段落したんじゃないか?何かしら動きがあるのではないか?と書きましたが、

 

ツールド北海道事故、「道路交通法の適用があるか?」なんてどうでもいい論点。
ツールド北海道事故が起きたのは9月8日なので、もう3ヶ月半以上が経ちました。 だいぶ風化した感がありますが、個人的には大会主催者の責任が大きいと考えてます。 主な問題点は下記2点。 ①片側一車線&見通しが悪い狭い峠道で「道路左側部分」のみで...

 

※北海道警察の交通事故マップに掲載されたので、警察内部での捜査が一段落したのではないかと推測。

北海道警察 交通事故情報マップ

警察の捜査とは関係ないでしょうけど、ツール・ド・北海道安全対策検討会の第2回が開催されました。
そして第1回の議事要旨についてもずっと「後日掲載」扱いになってましたが、こちらも公表されました。

 

まずは第1回の議事要旨からみていきます。

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第1回第三者委員会の議事要旨

第1回のツール・ド・北海道安全対策検討会は令和5年10月29日に開催されたので約2ヶ月前になりますが、10月下旬の報道から振り返ります。

衝突した車両は午前10時10分ごろ、頂上付近を往復している姿が目撃されていたほか、警備員から促されて上富良野町方面に移動していたことも判明した。

 

死亡選手の前に先導車なし 「ツール・ド・北海道」第三者委が初会合:朝日新聞デジタル
9月8日に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた交通事故で、死亡した選手が走っていた21人の集団の前には対向車に注意を呼びかける「先導車両」がいなかったことが29日、わかった。専門家でつく…

9月8日に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた交通事故で、死亡した選手が走っていた21人の集団の前には対向車に注意を呼びかける「先導車両」がいなかったことが29日、わかった。

 

死亡選手の前に先導車なし 「ツール・ド・北海道」第三者委が初会合:朝日新聞デジタル
9月8日に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた交通事故で、死亡した選手が走っていた21人の集団の前には対向車に注意を呼びかける「先導車両」がいなかったことが29日、わかった。専門家でつく…

検討会では、事故発生当時、死亡した選手の前方約2キロにわたって誘導バイクなど関係車両が走っていない区間があったと考えられるとする協会の調査結果を報告。

 

衝突前2キロ誘導車なし ツール・ド・北海道死亡事故 検討会初会合:北海道新聞デジタル
自転車ロードレース「ツール・ド・北海道2023」で先月発生した選手の死亡事故を受け、大会を主催するツール・ド・北海道協会は29日、事故原因の調査や今後の対策を有識者らで議論する「安全対策検討会」の初会...

先導車がいなかったとか、警備体制が不十分だった様子がうかがえます。
そしてなんかピントがズレているように思われる発言。

座長を務める萩原亨・北大院教授(交通工学)は「片側1車線しか使えないという要素が、即座に事故に結びつくわけではない」とし、時間をかけて再発防止策をまとめる考えを示した。会合では「ルール違反者に、金銭や時間の罰則を課す方法もある」との意見も出たという。

 

死亡選手の前に先導車なし 「ツール・ド・北海道」第三者委が初会合:朝日新聞デジタル
9月8日に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた交通事故で、死亡した選手が走っていた21人の集団の前には対向車に注意を呼びかける「先導車両」がいなかったことが29日、わかった。専門家でつく…

要は「左側のみでレースなんだから、はみ出さなければ事故は起きない」とも受け取れる発言。
まだ「道路左側のみ規制、対向車線は自主規制」にこだるのか?と思わせる発言です。

 

さて、ここまでは第1回第三者委員会についての「報道」。
第1回第三者委員会の議事要旨が公開されました。

事務局から資料1の①~③の説明があり、説明後の発言は以下のとおり。

○ツール・ド・北海道は、主催者(オーガナイザー)も審判(コミッセール)もガラパゴス化(日本流)になっている。
○ツール・ド・北海道にはポリスチームがないエスコートバイクだけでは止まらない車両があるので白バイを含めたポリスチームが必要である。
エスコートバイクの教育が足りないと感じた。また、エスコートバイクの数も足りていない。ツール・ド・北海道ぐらいの規模であれば相当数が必要である。選手が通過するのは数分間で、それをきれいに通過させるのがエスコートバイクの仕事。
○主催者は選手の安全、大会の安全を厳守するのが基本。
○エスコートバイクが手で止まれと合図しても(車両は)止まらない。バイクでブロックするぐらいしないと止まらない。
○ポリスチームもエスコートバイクもいつも同じメンバーで情報共有を図らなければならないが、そういうシステムは日本にはなかった。
○エスコートバイクは(車両を)完璧に止めるというのが仕事である。それができていなかったからこういうことが起こったのだろうと推測。

 

続いて、事務局から配付資料1の④及び⑤についての説明。その後の発言は以下のとおり。
エスコートバイクが車を完全にブロックしていないから事故が発生した。エスコートバイク(「マーシャル」という)の数がもっと必要である。
○車両を確実に止めて、選手が通過する数分間は絶対止めなければならない。これはどこの国でもやっていること。
片側通行が危ない云々というのは別問題。ヨーロッパには馬車道しかないところなど沢山あるので、道路幅が狭いというのは別の話になる。
片側通行でレースをするのであれば、センターラインの外側は崖だというぐらいの感覚で、主催者が選手に説明をしなければならない。
○安全をキープするというのが主催者の責任であり、UCI の規則 1.2.062 を守らなければならない。
選手へのルール徹底がどこまでできていたのかというと、たぶんできていない。勝負に出ている選手にとっては、行くぞという気持ちになったら対向車線にはみ出てしまう。そこの問題をどうするのかという対策を取らなければ、車を止めたとしても、違う形でまた事故が起きる可能性が高まる。
○リスクコミュニケーションの手法の中で、ルールに関する情報伝達について、参加者側に情報発信するだけではなく、伝わっていることを主催者側も承知したという、何重の情報のやり取りを設計し、この考え方を手法に落とし込んでいけば状況が変わるのではないか。
○警備員やエスコートバイクなどそれぞれの役割や、選手の責任など、それらの全てがかみ合わなければならない。数量的に足りていたのか、能力的なものはどうだったのか、車両の停止方法などシステムの問題はなかったのか、何回も開催しているうちに心が緩んではいなかったか、予算的な問題はなかったのか、なども含めて検討していかなければならない。
レース中の選手は気持ちが高ぶっているので、ルールを冷静に判断することはハードルが高い。大会のシステム上で選手を守る形をある程度つくっていかなければならないと感じた。
○2007~2009 年ころのレースでは中央線をはみ出すことに厳しかった時代があった。タイムカットや罰金が発生した。
○選手にとって何がリスクなのか、そのリスクをどう自分たちで意識しながら走るのか、タイムカットや罰金がいい形であるかは別として、そういった実害のような形にならないと、選手たちは(ルールを)意識できない。

○萩原座長(まとめ)
今日は、レースについての具体的な話や「リスクコミュニケーション」というキーワード、また、予算の制限やシステムの問題などに縛りがあるのではないかという発言が出た。
そういう視点から、具体的に調べ、どういう対策があるのか。また、過去にもっといろいろやっていたのではないか、他の大会ではどうなのかなどを拾い、答えのレポートを作りつつ、そのレベルを高めていきたい。最後はどういう対策になっていくのかということを提言、まとめる方向で進めていきたい。

https://2023.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=311

具体論というよりも抽象論に思えますが、気になる点をピックアップします。

 

①ポリスチーム(白バイ)が不在、エスコートバイクの数や教育不足

白バイによるポリスチームが不在だったことをまず挙げています。
そしてエスコートバイクの教育不足と数の不足を挙げていますが、こちらの動画。

ガードマンの方がいらっしゃいまして、なんか、なんかされてるみたいなんですよね。ちょっと止まって声を掛けまして、これ行けるんですか?ったら「行けるよ」って言うからそのまま、登ってきました。そうしましたらちょうどツールド北海道23ていう自転車競技が開催されていたみたいで、上の方からものすごいスピードで自転車が降りてまいりました。交通規制はですね、片側だけの交通規制ということで、まあ、こっちのほうは、山に登って行くほうは解放されて自由に走れると。まあ下りのほうは規制されているということでした。

 

ツールド北海道2023 上富良野→吹上温泉R291号 登り車線規制なし 怖かった

対向車に何か合図をしている雰囲気は見えても、その合図の意図は対向車に伝わっていないし、止めようとしていた雰囲気はない。

 

動画の車両にしても、知らなかったとは言えスルーパス状態で進入していたわけでしてね。。。

 

「エスコートバイクは(車両を)完璧に止めるというのが仕事である。それができていなかったからこういうことが起こったのだろうと推測」ともありますが、まだ片側開催の予定なのだろうか。

 

②片側開催は問題なし?

片側通行が危ない云々というのは別問題。ヨーロッパには馬車道しかないところなど沢山あるので、道路幅が狭いというのは別の話になる。

結局、片側開催自体は問題なしという判断で、対向車を確実に止めていれば問題なしという認識らしい。
確実に止めたいような雰囲気は動画からは全く感じ取れませんが、ここを徹底すればいいという考え。

 

逆に「徹底してなかった原因」については、さほど掘り下げている雰囲気はありません。
いかなる体制で、具体的にどのような指示を警備員に出していたのかなど具体論は無し。

 

例えば報道にもあるように、先導車が不在だったなどの不備もありましたが、なぜ先導車が不在になってしまったのか?については言及がなく、「エスコートバイクの数が足りなかった」とか「ポリスチームが不在だった」などで済ませている。

 

③「安全をキープするというのが主催者の責任であり、UCI の規則 1.2.062 を守らなければならない」

UCI の規則 1.2.062はこちら。

1.2.062 完全閉鎖のサーキットを要求する条項を無効とするものではないが、競技が通過するときにはコースにおけるすべての交通は停止させなければならない。

対向車を停止させようとしていた雰囲気はありませんが、これを徹底するという話ですかね。
以前のツールド北海道でも対向車が普通に走っていて、だからこのように「出場取り止め」にしたチームもあるわけですが、

一年以上前に日本自転車競技連盟(JCF)の専門部会がツールド北海道のリスクを指摘していて、「大幅な改善が必要」などと警告されていたけど変わらなかったのではないでしょうか?

「落車、事故の危険リスクを伴う」

「大幅な改善が必要」

A4判の内部資料には、強い文言が並ぶ。

資料をつくったのは、日本自転車競技連盟(JCF)の専門部会「ロード部会」。昨年6月「ツール・ド・北海道協会」に対してレースで事故が起きる危険性を指摘したものだ。

 

「事故起きるリスク伴う」ツール・ド・北海道、いかせなかった指摘:朝日新聞デジタル
「落車、事故の危険リスクを伴う」 「大幅な改善が必要」 A4判の内部資料には、強い文言が並ぶ。 資料をつくったのは、日本自転車競技連盟(JCF)の専門部会「ロード部会」。昨年6月、「ツール・ド・北海…

危険性について警告されていたにもかかわらず、対向車を停止させようとしていた雰囲気もない。
そのような状況で
「ポリスチームがいれば!」とか
「エスコートバイクの教育も数も不足していた!」

 

などと言われても、それらは以前から指摘されていたにもかかわらず変わらなかった現実があるのではないか?と疑問が浮かびます。

 

④選手への説明の問題

片側通行でレースをするのであれば、センターラインの外側は崖だというぐらいの感覚で、主催者が選手に説明をしなければならない

リスクコミュニケーションの手法の中で、ルールに関する情報伝達について、参加者側に情報発信するだけではなく、伝わっていることを主催者側も承知したという、何重の情報のやり取りを設計し、この考え方を手法に落とし込んでいけば状況が変わるのではないか。

左側のみでレースをするにあたり、選手への説明が不十分だったとの話。
選手が理解したかを確認する仕組みという話も出てますが、一方ではレース中に選手が興奮状態になれば無意味という指摘も出ている。

レース中の選手は気持ちが高ぶっているので、ルールを冷静に判断することはハードルが高い。大会のシステム上で選手を守る形をある程度つくっていかなければならないと感じた。

つまり、何回も選手に「レースは左側のみ」と説明したところで、レース中に高ぶっていれば限界があることを認めている。
そして報道にも出ていた「罰金などのペナルティ」についても出ていますが、

タイムカットや罰金がいい形であるかは別として、そういった実害のような形にならないと、選手たちは(ルールを)意識できない。

レース中の高ぶっている状態では冷静な判断は難しい…と認めていたはずなのに、「実害(ペナルティ)」があればいけるんじゃないか?というのは甘さが見えます。

 

ざっと挙げましたが、ここまでが第1回第三者委員会の内容です。

第2回第三者委員会の概要

第2回の第三者委員会は令和5年12月28日、つまり第1回から2ヶ月後にありました。
配布資料からみていきます(議事要旨はまだ公開されていない)。

https://2023.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=313

まず「委員の発言」というまとめについては、これは第1回第三者委員会の内容そのまんまなので、会議を開く上で第1回の内容をまとめただけなんだと思われます。

 

そして報道が出ています。

<2回目の会合での主な意見>

・コース設定が複雑
・1か月前に試走など、コース説明の徹底必要
・もっとダイレクトに伝わる標識、表示が必要
・事前の簡単なレースを組み立て、具体的に走行することで運営側も学ぶ仕組み必要
交通量少ないところは、もう少し両側規制を増やす

その上で、北海道の白バイの数は少なく、両側規制を増やすことについても、萩原座長は「実行できるかは、別次元の話」という認識を示しました。

一方、事故の原因については「さまざまなヒューマンエラーが重なった」と指摘しただけで、第三者委では「追及していない」としています。

 

「ツール・ド・北海道」死亡事故から3か月半、情報錯綜で原因解明すすまず…協会は“白紙”を強調するも再発防止のハードル高く、来年の大会は事実上“困難”の見通し
国内最大規模の自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」の死亡事故から3か月半余り…28日午前、再発防止策などを提言する第三者委員会の2回目の会合が開かれたものの、原因解明がすすまず、来年の開催は事実上“困難”の見通しです。

簡単に言えば、第2回の第三者委員会においては新しく判明したようなものは無さそうで、従来の内容を繰り返しているだけにも思えます。
唯一進展があるとしたら、「交通量少ないところは、もう少し両側規制を増やす」という点くらいですかね。

 

なお、どのような規制だったについての内容はこちら。

結局「ヒューマンエラー」?

・警備がザル過ぎた
・ポリスチームがいなかった
・選手への説明が不十分だった
・選手にルールを理解させ理解したことを確認する仕組みが必要
・ルール違反に罰則?

 

第三者委員会の内容をみると、これらを徹底すれば問題なしという判断に向かっていると考えられますが、そもそもは一年以上前に危険性を指摘されながらも「変わらなかった現実」があるはずだし、「なぜ徹底できなかったのか?」についても原因を調査している雰囲気は感じ取れません。

 

徹底しましょう!で徹底するなら誰も苦労しないと思うのですが、ツール・ド・北海道安全対策検討会は来年3月を目処に再発防止策を出すかのように書いてあります。

 

まさか「徹底します!」で終わるわけじゃないと信じていいのかはだいぶ疑問ですが、どこに問題があって徹底できなかったのかについては調査が無いのですかね?

 

だって「数が足りない、教育も不足していた」と言ってもスルーしていた警備員が現にいたわけで、主催者が警備員に対しどのように指示を出していたのかすら不透明。
「何が何でも止めろ」という指示を出していたような雰囲気は全くありませんが、警備マニュアルみたいなものや警備員に対する指導などはどうだったのか不透明なのに「数を増やします!教育します!」ではムリでしょう。

 

テストで赤点取った人が「勉強時間が不足してました。次はがんばります!」と言ったところで具体策がない抽象論に聞こえますが、さほど変わらないレベルに見えてしまうのは気のせいでしょうか。

 

あとそもそも、許可を出した警察の責任も少し引っ掛かるところ。
毎年こんな状況でやっていたことを「知らなかった」とは言えないだろうし、警備体制がザルだったことに注意指導などはしてなかったのでしょうか?


コメント

  1. 元MTB乗り より:

    ヒューマンエラーは、確かにそうですかね。実行委員と言う意味では。
    それは兎も角、狭い道路と片側規制は全然危険度が違うと思うんですけど、大丈夫なんですかね。もう、警備体制のこれ以上の改善が無理なら、一時的な柵等で中央分離帯作るとか物理的に隔離するとか、もう少し改善案はあるような気がしますが、どうなんですかね。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      予算が限られているみたいな文言もありますし、そのような柵は全く検討されてないようですね。
      なんか第三者委員会は機能しているように見えません。

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