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横断歩行者が目の前を通りすぎた後、どれくらいの距離を空けて進行すべきか?

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横断歩道で歩行者を優先するために一時停止した後の話。

横断歩行者とどれくらいの距離を空けて出発すべきか?と質問を頂いたのですが、

これについては明確な定めはありません。
しかし、たまに聞く話としてはこれ。

いろんな人
いろんな人
一時停止して歩行者が通りすぎたから出発したのに、「近かった」として切符を切られた!

たまにおかしな取り締まりの話も聞きますが、法律解釈としてはどうなるのでしょうか?

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横断歩行者が目の前を通りすぎた後、どれくらいの距離が必要?

これについて明確な基準がないのには理由があって、例えば小学生とかだと後ろから友達に呼び止められて急に反転したり、酔っぱらいとか全く予想がつかない動きをするから。
普通の感覚だと、横断歩道上で突然反転して引き返すようなことにはなりませんが、判断力が低い子供や、何をするかわからない酔っぱらいなどは通常よりも距離を空けて出発しないとまずい。

 

で、普通の成人が横断中だったとして、最低でも1.5mは空けて出発するというのが法律解釈かと。
理由ですが、38条1項後段の規定。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条 (前段省略)この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

進路の前方を横断する歩行者 進路の前方を横断しようとする歩行者
車体幅+1.5m 車体幅+5m

反対側に向かって歩く横断歩行者は「横断しようとする歩行者」には該当しません。
概ね1.5mは空けてから出発すれば問題にはならないかと思いますが、子供や酔っぱらい、その他挙動不審な歩行者の場合は別。

 

ただし取り締まりする警察官次第ではちょっとムリがあるような違反認定をするので、なるべく安全にとしか言いようがないんですよね笑。
一応、「突如反転する可能性」に備えて出発する際も徐行しながら注意する必要があるとは思います。

 

このあたりについてあまりいい判例があるわけではありませんが、こういうのがあります。

横断歩行者が突如反転して衝突

判例は東京地裁 昭和46年2月18日。
業務上過失傷害罪(現在の過失運転傷害罪)の事件です。

 

まずは事故の概要から。

・事故現場は車道幅20m(軌道敷含む)
・クルマは青信号に従い右折し、横断歩道手前で一時停止
・小学生3名のうち、2名が歩道に引き返した。
・1名(A)はそのまま横断歩道を左→右へ横断して被告人車の前を通過した(このとき2名は声を掛けた)。
・Aは軌道敷のレール部分でしゃがんで、手にした棒でレールをつつくようなことを始めた。
・Aは被告人車からみて、右前方5.6mの位置。
・被告人はAの様子を数秒間停止後して観察し、そのまま右へ横断すると考えた。
・被告人は現状、Aとの間に1.5mほどの側方間隔を置いて安全に通過できると考えた。
・被告人は時速5キロ程度でAを注視しながら進行したものの、突如Aが反転して左側歩道に戻る動きをしたため急停止したものの衝突

イメージはこんな感じなんじゃないかと(信号は割愛します)。

 

クルマが青信号に従って右折し、横断歩道の前で一時停止。

小学生のうち一名が被告人車の前を横断。
この際に、小学生は被告人をチラ見。

小学生は軌道敷のレール上にネズミの○骸を置く遊びを始め、被告人はしばらく観察していました。
被告人は小学生との側方間隔を1.5m空けて進行できると考え、小学生の様子を見ながら注意深く出発。

被告人は同人はそのまま右方に横断歩行していくものと考え、数秒間停止状態を続けたのち、同人の傍らを通過しても危険はないものと判断し、同人を注視しながら発進し、そろそろと約3.5m前進して車体が横断歩道上に半分位かかったときに、しゃがんでいた被害者が突如立ち上がって振り向きざま、やや斜め左後ろ方向に駆け出したので、危険を感じ急制動措置に出たが、1.85m位前進した被告人車両の右前部に被害者が衝突して転倒したものである。被告人としては、被害者が、被告人車両に事前に気付いていたのであるし、まさか、このような行動に出るであろうことは予想せず、しゃがんでいる同人の約1.5m位脇を無事通過できるものと考え、同人の動静を十分注視しながらゆっくり前進したものであって、運転者としての注意はつくしたつもりである、というのである。

被告人の供述通りに事実認定されてますが、以下の理由から無罪。

検察官が主張するような注意義務があったかどうかを検討するほかはないが、被告人は被害者の動静注視は十分につくしていたと認められるし、また、本件当時のつぎのような状況、すなわち、本件現場が自動信号機によって交通整理の行われている大きな交差点の出口付近であり、都電の軌道敷を含めて車道幅員は計20mを越える大通りであって、学童等がしばしば不規則な行動をして遊びまわるようなことが予想されるようなところ(たとえば路地等の裏通りとか、広場付近、あるいは団地内の道路等)とはまったく異る場所であること、被害者らが当時9才の小学生で、しかも下校途中であったこと(幼児ではなく、また、交通規則等の遵守を期待できる通常の通行人と目し得る者であって、一見して交通秩序や危険にまったく無関心な路上遊戯者といえるような状態にある者とは認められない)を考えると、前記弁解事実のような状況下における通常の自動車運転者に、しゃがんでいる被害者が本件においてとったような突飛な行動に出るかもしれないことまでも事前に予想すべきであるとすることは難きを強いることになるというほかはなく、これを予見すべきであるとして構成されている検察官主張の注意義務はこれを認めることはできない、といわなければならない。なお、検察官の主張する警音器の吹鳴は、本来、本件のような状況下においてはそれ自体を業務上の注意義務として認めることはできない(なぜならば、ただ警笛を鳴らしてみても、相手がその警告を理解しないときは、他の注意、たとえば発進自体をさし控えるか、相手の近くで再び停止する等のことをつくさないかぎり結果回避は結局不可能であるからである)のみならず、かりに、そうでないにしても、被告人の弁解するように、もし、被害者が被告人車両の存在に気づいていたとすれば、そのような歩行者になお義務として警告を与えるべきであるとすることはいささか酷といわなければならない。そして、被告人は、被害者のしゃがんでいる姿をしばらく見届けたうえ、これを注視しながら、5キロ程度のきわめてゆるい速度で前進し、被害者の突然の動きを認めるとただちに急制動措置をとっているのであるから、この経過にも通常の自動車運転者としてとるべき態度に欠けるところはないと認められる。

 

東京地裁 昭和46年2月18日

1.5mの側方間隔を空けて慎重に進行した被告人に過失はないとしていますが、あくまでも大通りであることを前提にしていて、子供が不規則な行動をするような場所なら判断が違うかもしれません。

 

まあこの事例はシンプルに言えば、窓を開けて声をかけていれば起きなかった可能性が高い気がしますが…
検察官が主張する注意義務で「窓を開けて声をかける」みたいなのは見たことがありませんが、クラクションがどうのこうのよりもわずか6m弱の距離なんだから声をかけていれば済む話に思えます。
検察官が主張してない注意義務については検討されませんし、個人的にはやや疑問が残ります。

一律の基準はない

どれくらいの距離を空けて出発すべきか?という基準はないのですが、不規則な行動が予見可能なら広め、そうでない場合は最低1.5m以上かなと。

 

ただし、2mくらい空けて出発したのに違反認定されたという話も聞くので、「なるべく広めに」としか言いようがないのよね。
1.5m空けて出発すれば、歩行者の横を通過する際にはもっと間隔が空いているわけで問題無さそうに思えますが、結局は警察官の現場判断という話になる…

 

便利な言葉ですよね。
「現場判断」って。

 


コメント

  1. 元MTB乗り より:

    信号無しの横断歩道だと、大体渡り切るまで待つようにはしてますね。急いだところで、たかが知れてますし。一方で左折の時の横断歩道は、複数車線で距離が長い事がままあるのと信号機の点灯時間もあるので、交通島か反対車線に達した段階で横切る事が多いですかね。
    その意味では明確に何メートル空けて、と言う事を意識したことはなかったです。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      何メートルと意識しなくても、通常考えられる安全な距離を保てば十分です。

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