近年、エアロ形状のフレームにこだわっているブランドが増えてきている気がします。
ジャイアントのプロペルとかメリダのリアクトとかは見たまんまのエアロフレームですし、ビアンキのオルトレXR4なんかもエアロフレームと言っていいでしょう。
さて、エアロフレームは空力に優れているというのがウリなわけですが、反面どうしてもフレーム重量が重くなる傾向にあります。
これはフレームの構造上仕方がないことですよね。
一方、最近は超軽量フレームというのもあります。
エモンダSLRとかフレーム重量は600g台ですよね。
プロ選手を見ていると、ヒルクライム(山岳ステージ)にて必ずしも軽量フレームを選んでいるわけでもありません。
これの理由を探っていきたいと思います。
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プロレースには重量制限がある
プロのレースでは、使用するバイクに重量制限があります。
バイクの重量が6.8キロ以上であることが求められます。
LOOKの2018年モデルの785 HUEZ RSはフレーム重量730g(未塗装Sサイズ)となっていますが、785HUEZ RSはフレームセットのみの販売です。
これを完成車にすると、何を付けるかにもよりますが5キロ台後半とかも可能です。
FUJIのSL1.1なんかはフレーム重量695gと超軽量です。
FUJI (フジ) 2018モデル SL 1.1 カーボン/レッド サイズ52 フレームセット
FUJIのSL1.1ですが、定価が25万とかなりお買い得なフレームです。
http://roadbike-navi.xyz/archives/3620
ほかにもトレックのエモンダSLRはフレーム重量640gとなっています。
TIMEが2018年モデルとして出してきたAlpe d’Huezはフレーム重量840gとなっています。
http://roadbike-navi.xyz/archives/4637
ビアンキのスペシャリッシマも超軽量フレームですよね。
プロ選手が使う機材は基本的に最高ランクのものが多く、コンポで言うならシマノならデュラエース、スラムならレッド、カンパニョーロならスーパーレコードとかになってきます。
これらの最高級コンポの特徴ですが、片側性能やブレーキ性能はもちろんのこと、かなり軽いというのも大きな特徴です。
プロ選手が使うホイールやハンドルなども基本的に軽量パーツばかりなので、正直なところで言うならばやろうと思えばどのフレームでも6.8キロ以下に仕立てることは可能です。
特にプロ選手の場合は基本的にチューブラータイヤですので、クリンチャー用ホイールよりもだいぶ軽くなってしまいます。
ですがプロ選手は6.8キロ以上のバイクしか使えないわけなので、フレームに重りをつけて走ることもあるわけです。
プロ選手が山岳ステージでもエアロフレームを使う理由
これにはいくつかの理由があるとは思いますが、以下の二点に集約されるのではないでしょうか?
重量の問題
軽量フレームで組んだ場合、プロ選手が使うレベルのパーツで組み上げると、どうしても重量制限に引っかかります。
その場合、フレーム内に重りを付けるなどしないと使えないわけですが、変に重りを付けてフレームのバランスをおかしくするよりは、最初からそういう設計になっているエアロフレームにしたほうがバランスがいいという考え方です。
どこにどのように重りを付けているのかはよくわかりませんが、本来のフレーム設計とはバランスが変わってしまうのは明らかなので、それならば最初から重めに設計されているエアロフレームのほうがバランスがいいんじゃね??ということですね。
空力の問題
山岳ステージと言っても、平坦なところもあれば下りもあったりします。
そういう場所ではエアロフレームで空力を良くしたほうが有利ですし、特に下りではエアロフレームと軽量のオーソドックスなフレームではそれなりに差が出てしまうそうです。
なのでエアロフレームでの空力を重視するという考え方ですね。
一般人レベルだと、激坂で10キロ未満まで速度が落ちてしまい空力なんてほぼ関係ないと思いますが、プロ選手だと登りでも空力が大切なんでしょうしね。
あとは選手とフレームの相性もあるんでしょう。
こっちのフレームのほうが乗りやすいとか、そういった事情も関係するかと。
一般人の場合
一般的に行われているヒルクライムレースなどでは、バイクの重量制限はありません。
別に4キロ台のバイクでもいいんです。
一般サイクリストの場合は、ほとんどの人にとってヒルクライムでは軽さが命でしょう。
そうなると超軽量フレームにも意味があるわけです。
また一般サイクリストでも、デュラエースを変える人はごくわずかで、多くのサイクリストがアルテグラとか105あたりを使っていると思います。
105コンポで6キロ台を目指そうと思うと、こういう超軽量フレームじゃないと無理だと思います。
超軽量フレームは一般サイクリスト向けの商品?
プロ選手の場合、バイクの重量制限があるため、超軽量フレームでも重りを付けないと出ることができないという意味不明な状態に陥ります。
もちろん、超軽量フレームにコンポはクラリス、ホイールはシマノRS010とかそういう構成なら重量制限はクリアするでしょうけど、プロ選手がそんな機材で満足できるわけもありませんよね。
なので超軽量フレームというのは、あくまでもプロ向けに開発したというよりは一般サイクリスト向けに開発しているというのが本音ではないでしょうか?
これはどのメーカーのどのパーツでもそうですが、最終的にメーカーが利益を上げるのは一般サイクリストに買ってもらった結果です。
プロ選手はメーカーからの供給なので、言い方は悪いですが宣伝広告のために乗っていると言っても過言ではありません。
一般サイクリストにとっては、フレームが600g台とか超軽量フレームは魅力的です。
ビアンキにはスペシャリッシマという超軽量フレームがありますが、プロレースを見ているとオルトレXR4を選ぶほうが多いような印象があります。
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スペシャリッシマは乗り味がちょっとアレだという噂も聞きますが、要は軽すぎても乗りづらかったりしますし、バランスを見て軽量化していくのがベストなんでしょうね。
ビアンキ 2018年モデル OLTRE XR 4 FRAME SET(オルトレ XR 4 フレームセット)【ロードフレーム】【Bianchi】
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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