だいぶ前にですが、カラータイヤについて取り上げた記事を書きました。
http://roadbike-navi.xyz/archives/1011
この中で私は、ロードバイクにはカラータイヤは使うべきではないという結論を書いています。
理由はグリップ力が弱いからという話なのですが、ちょっと考え方を改めることがありまして。
タイヤが黒い理由
タイヤが黒い理由については知っている人もいると思いますが、タイヤのゴムにカーボンブラックというススみたいな混ぜ物をしているから黒いわけです。
カーボンブラックを添加する理由ですが、ゴムの強度を飛躍的に上げることができるからです。
詳しくはTOYOタイヤのHPに書いてあります。
カラータイヤはカーボンブラックを混ぜていないからカラーにすることができます。
あくまでもタイヤが黒い理由は耐久性の話です。
直接的にグリップ力が下がるわけでもなさそう(これについてはいろいろ調べてもよくわかりませんでした)ということで、タイヤの摩耗、ひび割れなどの劣化が進むのが早いということになります。
ただ、間接的にはグリップ力にも関係していると思っています。
摩耗したタイヤはグリップ力が落ちますが、摩耗が早いカラータイヤはよりグリップ力が落ちていくのが早いということです。
自動車でカラータイヤがない理由
自動車で使われるタイヤは、関係法規により規制がかかっています。
http://www.jatma.or.jp/kankou/pdf/hourei.pdf#search=%27%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A+%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4+%E6%B3%95%E5%BE%8B%27
要は適切な検査をパスしたタイヤしか使うことができないわけです。
自転車タイヤでこういった基準や検査があるのかはイマイチわかりませんが。
ただ、カラータイヤ自体が完全NGというわけではなさそうです。
事実、こういったものもあります。
ロードバイクでカラータイヤがNGな理由
だいぶ前に書いた私の記事では、グリップ力が落ちるからカラータイヤはNG、と書きました。
これについてですが、ちょっとだけ訂正(というか補足)します。
【カラータイヤはゴムの劣化が早く、ひび割れや摩耗の進行が早くなり、その結果グリップ力も落ちていきやすいのでNG】
こういった感じじゃないかと思います。
(もしかしたら間違っているのかもしれませんが・・・)
もう一つ言えることですが、ロードバイク用のカラータイヤは、大手タイヤメーカーのハイエンドモデルにはありません。
大手タイヤメーカーのハイエンドモデルというと、例えばコンチネンタルのグランプリ4000S2、ミシュランのプロ4、ヴィットリアのコルサ、パナレーサーのレースモデルなどです。
これらにはサイドカラー入りはあっても、フルカラータイヤはありません。
700×23cあたりのカラータイヤをネット上で見ると、かなり安いタイヤばかりです。
それこそ1000円台とか。
1000円台のタイヤではフルブラックのタイヤでもいいものはありません。
よく滑るし、転がりも悪く重い感触なのが安物タイヤです。
カラータイヤが悪いというよりも、実質的に安物カラータイヤしかないので、値段的にグリップ力に難があるというほうが正しいのかもしれません。
前にメールしてきた方は、ヴェロフレックスのカラータイヤはグリップ力もしっかりしている、ということを書いてきました。
この方とは何度かメールしたかったのですが、毎回2行くらいの短文でメールしてくるため、正直何を言いたいのかサッパリわからず、そのうち返信も途絶えました。
ただ、各社のハイエンドタイヤを見たときに、ハイエンドタイヤではどこの会社でもフルカラータイヤは出していません。
これが一つ答えなんじゃないでしょうか?
ロード用タイヤはかなり軽量化されていますが、フルカラータイヤにした場合、ゴムの劣化が進むのが早く、軽くてフルカラーのタイヤを作ることが困難ということなんじゃないでしょうか?
勝手な予想ですが、グランプリ4000S2のフルカラータイヤを作っても、フルブラックのグランプリ4000S2とは耐久性や性能などでかなり落ちてしまうから作っていないのかなと(もちろん、需要の問題もあるかと思いますが)。
カーボンブラックを添加しないとゴムの劣化が早くなるというのは歴然たる事実なので、個人的にはロードバイクやクロスバイクではカラータイヤはオススメしていません。
今回この記事を書いた理由
今回この記事を書いた理由ですが、読者様からの質問メールでした。
私の彼女がロードバイクを始めることになりまして、タイヤをピンクにしたいと言っています。
前にこちらの記事で黒いタイヤでないと制動力がないから危険と書いてあったので、サイドにカラー入りで接地面は黒のタイヤにするように伝えました。
街中ではカラータイヤも見かけます。
実際のところ、含有成分の違いによる制動力の差は数字として出ているのかが気になりました。
彼女のように可愛いカラータイヤを使いたいという層は相当数いると思うのですが、数字で明らかになっているなら説得材料になるかと思いまして。
質問されてきた方は、某社のハイエンドバイクに乗っていらっしゃるそうです(車種名は書いてありましたが伏せます)。
確かに私の知人でも、クロスバイクにカラータイヤを付けている人がいます。
というより、そのクロスバイクは初期装備でカラータイヤでした。
ロードバイクって、あんな細いタイヤに命を預けているわけです。
時速50キロの下り坂で、タイヤがバーストしたら死ねます。
私は常々、タイヤはいいものを使うべしと書いてきました。
ロードでもクロスでも、タイヤってペラペラですよね。
なんだかよくわからないメーカーのタイヤは使いたくありませんし、安全性と走りを考えた場合、タイヤはいいものを使ったほうがいいでしょう。
なのでカラータイヤはNGという意見については変わりません。
もしくはカラータイヤを使いたいという場合、安物ではなくそれなりの値段のものを探してならアリかもしれません。
その場合でも、カラータイヤが劣化しやすいというのは歴史が示している事実ですので、交換頻度は高くなります。
サイドにカラー入りのタイヤは問題ありませんので、オシャレしたい人はそういうのを選んでください。
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 4000 S II グランプリ4000 S2 (2本セット, 700×23C)
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
カラータイヤですが、カーボンブラックの代わりにシリカを混ぜることでゴムとしての強度を確保、着色を実現しています。
そのカラータイヤですが、一昔前ですが、カラータイヤの方がウェットグリップがいい説が一部でありました。
これについては自転車、自動車にかかわらず近年ハイエンドタイヤにシリカを混ぜてグリップ力アップなんて謳っているところを見るに、一理あったのかなと思います。
なおカラーハイエンドタイヤは現在ではヴェロフレくらいしかありませんが、GP4000S2の前のGP4000Sの前のGP4000の時代は実にカラフルなタイヤでした。
で、このカラーGP4000に対してコンチネンタル自身が黒が一番いいよって言ってましたので、カラータイヤの性能が劣ることはおそらく事実でしょうね。
コメントありがとうございます。
シリカの件ですが、私が知っている範囲ではカーボンブラックの代わりというか、カーボンブラックも添加するしシリカも添加すると思っていましたが、そうではないのでしょうか??
ただ、現状ではブラックタイヤのほうが性能がいいという点は間違いなさそうですね。
カーボンブラック混ぜちゃうと黒くなっちゃいますので、カラータイヤでは代用としてシリカを用いています。
現代のタイヤはカーボンブラック+シリカで、これらの組成、配合を調整することで性能を向上させてますので、その理解も間違ってはいません。
コメントありがとうございます。
シリカだけの場合でも、カーボンブラック&シリカに比べて性能が落ちるということもないのでしょうか?
ご存知でしたら教えてください。
落ちることがないとは思いませんが、もともとカーボンはゴムの耐久性を上げるための添加物でしたので、グリップ面ではそれほど重大な影響はない(下がるとも上がるともどちらともいえない)のではないでしょうか。ただの予想ですが。
自動車でも最近はカラータイヤが実用化、安全基準もクリアされるまでに耐久性も改善されてきていますので、シリカコンパウンドの技術は昔よりも向上してきています。
一部ではカーボンを使用していないが、マーケティング上タイヤを黒くして販売している製品もあるという噂です。
ただしカーボンの方もナノカーボンやらグラフェンやらの新素材を開発していますので、これらを使わないという制限がある以上、カラータイヤはどこかの面で劣る点はあるのではないか、という予想はできますね。
コメントありがとうございます。
すいません。
【性能】と書いてしまったので紛らわしかったのですが、グリップだけでなく耐久性でも劣ることがないのか?という意味でした。
タイヤメーカーに聞いたほうが良さそうな話でしたね。