シマノ12速化のときはリアエンド幅142mmになる??エンド幅は変わらない?

前にカンパニョーロのスーレコとレコードが12速化されたという記事を書きました。

カンパニョーロが12速コンポのスーレコとレコードを発表!今までのホイールは対応する?さて、シマノはどうする?

そしてシマノは12速化についてどうするかという予測記事も書きました。

カンパ12速化から予想する、シマノの今後の方向性。シマノも12速化追従?

この記事の要点ですが、カンパ12速化ではリアエンド幅の拡張が起こらず130mmのままだったという話と、シマノも12速化するならエンド幅の変更はないのではないかという個人的見解を書きました。(キャリパーブレーキ車の話です)

で、読者様からタレコミがあったのですが、あるサイトにて私の記事のリンクを貼り、エンド幅の変更がないことはありえないと書いて批判しているものがあると教えてもらいました。
このサイトの見解についてどう思うかという質問もありました。

個人的には気乗りしない案件だったのですが、諸事情によりこれについて書きたいと思います。

※今回の話ではあくまでもキャリパーブレーキ車のエンド幅の話となります。



その方の主張

まずお断りしておきますが、このタレコミが来た時、かなり期待していました。
というのも根拠のある批判は大歓迎です。
ぜひその根拠を知りたいと思いますし、私自身も見識が広がるので。

なんですが見てみるとそれほど根拠のある話でもないようで・・・
このエンド幅の問題は、かなり複雑な問題を抱えているのを理解しないといけません。

相手は個人サイトのようなのであえてリンクは貼りませんのでご了承ください。

さてその方の主張ですが、こんな感じです。

・シマノが12速化するときは、リアエンド幅は130mmではなくもっと広がる(142mm)。

・シマノがカンパに追従することはあり得ない。

・次のデュラの発表まで2年しかなく、既に新型デュラは設計済み。

・既に設計されたものをカンパに合せて130mmに変更することはあり得ない。

・カンパの12速コンポを開発したときはまだディスクロード142mmの波が来ていなかった。だからエンド幅130mmそのまんまで作るしかなかった。

・5年後には新車のほとんどがディスクブレーキ車になる。

これについてですが、確かに当たっているだろうと思うところはあります。
恐らくですが既に次のデュラエースは開発済みで、実験段階に入っているでしょう。

ですが重要な視点を見逃していると思うのと、書いていることに矛盾が出ています。

シマノ12速化のときはエンド幅130mmだと予想する理由

未来について正確に予想できる人はいません。
これは最初に断っておきます。
その上で私が思うことを書きます。

数年後には新車のほとんどがディスク?


まずこのテーマについてです。
これについては前に当サイトでもアンケートを実施していますし、その中で北米の新車販売の7割がディスクブレーキ車であることも書きました。

ディスクブレーキについてのアンケート結果。世界でのディスクロードの普及はどうなっている?

先日ビアンキのオルトレの試乗をしたときに、ビアンキ直営店の方とディスクブレーキの話もしたのですが、その方も【全てディスクになることはないと思う】という見解でした。

理由は挙げればいくつでもあるのですが、まずロード一台目の人はディスクブレーキ車を買う人も多くなるだろうという見解でした。
これについては私もそう思います。

ですが例えばボーラとかの高額なホイールを持っている人は、ディスク用フレームを買ってしまったらそのボーラは使えないわけです。
ボーラ使っていた人が完成車付属の鉄下駄では満足できませんし、またディスク用ボーラまで買うの??という話になるわけで、既存のロード乗りがディスクに行く可能性はそんなに高くないでしょうという見解でした。

フレームメーカーがディスク用フレームしか出さないとか強硬策に出れば話は別ですが、そんなことしたら既存のユーザーがそのメーカーから離れて行ってしまう可能性が高く、そこまで強硬策には出ないでしょうということです。
私も、ディスクは今後広がっていくことには同意します。

ただ、キャリパー用フレームもディスク用フレームも両方出すというところに落ち着くでしょうというのは大方の見解でしょう。

5年後には新車販売のほとんどがディスクになるという意見ですが、可能性としてはゼロではないでしょうけど、限りなく低いと思います。

良くて半々くらいではないでしょうか?

新車販売となると完成車、フレームとありますが、そのほとんどがたった5年でほとんどがディスクになると予想している人は正直少ないでしょう。



カンパの12速コンポを開発したときはまだディスクロード142mmの波が来ていなかった?だからエンド幅130mmそのまんまで作るしかなかった?

先ほど次のデュラエースの開発はもう済んでいるでしょう、と書きましたが、たぶんこれについては間違いないです。
メーカーは極秘に開発を進め、テストを繰り返し、テストで出た問題点の修正を行い、ユーザーに発表し提供するという流れですが、2年後に販売されると予想されているものはもう開発自体は終わってテスト段階でしょう。

で、この方の意見には大きな矛盾があります。
エンド幅142mmのディスクコンポが出たのは、カンパ12速化よりはるか前です。
つまり開発自体もエンド142mmのディスクコンポが先なので、波が来るとか来ないとかの前に、メーカーは142mmエンド幅のディスクを流行らそうとしていたわけです。

ディスクブレーキについてはメーカーがかなりプッシュしている商品で、最近は大手サイトや雑誌では何でもかんでもディスク特集です。
かなりの広告費を掛けているとも言えます。
広告費をかけて雑誌やサイトにプッシュしている状態ですね。

要は142mmエンドディスクを流行らそうと頑張っていたのですから、その流れでユーザーを誘導しようとメーカーがしていたわけです。
だからカンパも将来は142mmエンド幅のディスク車が主流になることは予想していたわけですし、予想というよりはメーカー主導で誘導していたわけです。

そんな中、カンパ12速コンポ(キャリパー用)がエンド幅を変えずに130mm出来たというのは、別の理由が合ってあえてエンド幅を変えていないと見るほうが自然です。

エンド幅の変更は、リスクを伴う

エンド幅の変更というのはメーカー的には大きなリスクを伴います。
これについて詳しく説明します。

デュラエースは誰のもの?

デュラエースのニューモデルが出るとき、完成車にもデュラエースが付いてくるものが出ますよね。
そういう完成車でデュラが売れることも多いでしょうけど、それと同時に見逃せないのがコンポの組み替えとして売れるケースです。

次のデュラエースがR9200シリーズと仮定します。
R9200にする人は、今現在R9100を使っていて新しいものを使いたい裕福な人もいるでしょう。
アルテグラ6800あたりを使っていて、ここはひとつ奮発してデュラR9200にしようという人もいるでしょう。

個人的な感覚では、デュラが売れるときというのは完成車販売ではなくてコンポ組み替えのほうが多いような印象ですが、何らデータを持っていないのでこれについてはわかりません。

もしR9200がエンド幅142mm用に開発されたとします。
そうなった場合、既存のフレームへの組み替えは不可能になるわけですから、コンポ組み替えとして売れることはゼロになりますよね。

メーカーは新技術を披露するだけのところではなく、新技術を披露しながら利益を上げるところです。
完成車用としては新型デュラが売れても、コンポ組み替え用としては全く売れないという事態が発生するので、利益は下がりますよね。

同時にエンド幅142mmのフレームも買ってね!ホイールもよろしく!という事態になったときに、買い替える人が果たしてどれだけいるのでしょうか?

エンド幅の変更というのはメーカー側にリスクを伴うわけです。

フレームメーカーとコンポメーカーの同調

シマノはコンポメーカーです。
ホイールも作っていますが。

もしエンド幅142mmなどに設計したデュラエースを開発したとして、フレームメーカーがそっぽを向いた日には全く使い道すらなくなります。
開発費で大赤字もいいところです。

同じように、ホイールメーカーも巻き込んでエンド幅という規格のコンセンサスを得ない限りは出来ません。

果たしてコンセンサスが得られそうですかね?
どのフレームメーカーも、同じ金型で同じモデルを数年出しますよね。
いきなりエンド幅の変更で金型が無駄になった、というのではフレームメーカーは大赤字になる可能性もあります。
カーボンフレームの金型ってかなり高いようですし、金型の費用を回収するのに数年は同じモデルを出し続けているわけです。

エンド幅の変更は、フレームメーカーやホイールメーカーも巻き込んでしまう一大事です。

コンポメーカーにとって最大のお客さんはフレームメーカーであることを忘れてはいけません。

でもディスク車のエンド幅はコロコロ変わった


FELT(フェルト) 2018年モデル FR60【ロードバイク】

ディスクブレーキロードのエンド幅は、最初は135mm&クイックリリースから始まりました。
この規格は1年程度で消え、今は142mm&スルーアクスルが主流です。

1年で消えたらメーカーは大赤字・・・なんでしょうけど、ディスク車が広まっていない初期だったので、ユーザーへの迷惑は少ないだろうと踏んで規格変更してきたのだと思います。

ちなみにFELTのアルミディスクロードの一部は、いまだにエンド幅135mm&クイックリリースですね。
これは開発費用の元を取るために、残しているのではないでしょうか?
ディスク車の場合、クイックリリースであることのメリットは何一つありませんので。

昔はエンド幅126mmだった

その昔、ロードバイクのリアエンド幅は126mmでした。
それが拡張されて130mmになって今に至ります。

このエンド幅126mmが主流だった時代がいつなのかですが、正直私もハッキリとしたことはわからないので調べてみました。
デュラエースが7400の時代には126mmだったようです。
リア8速化のときに130mmになったようですが、デュラエース7400は当初リア6速から始まり、1991年にリア8速になったようです。

この頃は調べた範囲ではスチールフレームが主流だったようです。
スチールフレームの場合、一応エンド幅の修正ができます。
126mm⇒130mmへの拡張は出来ないことではありませんでした。

ところが現代のカーボンフレームやアルミフレームでは、エンド幅を広げる加工は不可能です。
カーボンやアルミでは、エンド幅を拡張する作業をしたら割れます。

何が言いたいかというと、126⇒130mmへの時代では、恐らくですがエンド幅が広がるコンポなどでもユーザー側への迷惑(フレーム買い替えなど)がほとんどなかったのではないでしょうか?
まだ手組ホイール全盛の時代だったはずなので、ホイールのほうもハブの組み替えで済んだはずです。

ところが現代でエンド幅の変更が起こった場合、ユーザー側が被る損害は結構大きいです。
新型コンポを使うにはフレームとホイールを買い替えてね!ではユーザーは追従しないでしょう。

シマノはカンパのマネをして追従という意味ではない

私の記事では【シマノはカンパに追従??】というタイトルで書きましたが、これの意味はシマノがカンパをマネしてエンド幅の変更をしないという意味ではありません。
この方が言うように、開発自体は既に済んでいるでしょう。

ただ、ユーザー側から見ると後から発表されたものは【追従したように見える】という意味で追従という言葉を使ったのですが、過去にはシマノもカンパの構造をパクッて来たこともあります。

それは置いといて、販売戦略や利益を考えた場合、シマノがエンド幅の拡大に踏み切る可能性は非常に低いと思っています。
エンド幅を拡張したコンポを作って、誰の利益になるのかさっぱりわかりませんから。

メーカーもさほど利益が上がらない可能性も含んでいるのがリアエンド幅の変更です。

もちろん、フレーム買い替えなども含めてビッグビジネスになる可能性もありますが、たぶんそうはならないでしょう。

ただ、【カンパの12速コンポを開発したときはまだディスクロード142mmの波が来ていなかった。だからエンド幅130mmそのまんまで作るしかなかった。】というのは矛盾があります。
先に開発されたのは142mmエンドのディスクロードですし、それを流行らそうと頑張っているのはメーカーのほうですから。

あともう一つ矛盾点というか、もし5年後に新車販売のほとんどがディスク車になると予想するなら、今更キャリパー車のフレーム規格を変える意味がありません。

今後無くなっていくもの(=キャリパー用フレーム)の規格を、フレームメーカーとホイールメーカーを巻き込んで規格を変えても各社開発費で大赤字喰らいますよね。

新しいデュラが発売されると予想されるのが2年後です。

5年後に新車のほとんどがディスクになると予想しているなら、廃れていくと予想しているキャリパー車の規格を変えることはメーカー側にとってリスクが大きすぎるでしょう。

もし5年後に新車販売のほとんどがディスクになるという予想なら、キャリパー車のエンド幅が広がると予想している時点で大きな矛盾があると思いませんかね?

こういうところも矛盾が生じています。

今後はディスク車もキャリパー車も並行して販売されていくだろうという予想なら、キャリパー車のエンド幅が拡張するという予想もまだわからなくはないです。

しかし5年後くらいには消えると予想するのであれば、消えるものの規格を変えるのはメーカー側にとってリスクが大きすぎます。

未来はわかんない

未来を正確に予想できる人はいませんし、私が確実に合っているとか、この方が必ず合っているとか今の段階で評価することはできません。
ディスクロードにしてもそうです。
5年後くらいに新車の全てがディスクになるとは今の段階では誰もわかりません。

私の予想ですが、12速化の段階ではこうなるだろうと予想します。
・キャリパー車は130mmクイックリリースのまま。
・ディスク車は142mmスルーアクスルのまま。

これが13速とかになると今のエンド幅では間違いなく不可能だと思いますが、メーカー的にも13速化よりも無線コンポだとかそっちのほうに力を注ぐだろうと予想しています。
これ以上変速段数が増えても、そこまでメリットもありませんし。

エンド幅の変更という規格の変更は、フレームメーカーやホイールメーカーの協調がないと実現できませんし、ユーザーの動向を見誤ると利益を上げることすら困難になります。
シマノが【キャリパー用デュラR9200!12速化したけどエンド幅広げるわ。みんな頑張ってフレームとか買い直してね!】ではユーザーがついてこないでしょう。
そういうリスクまで考えてメーカーは商品開発するわけで、今回の話は浅はかなんじゃないのかと思ったので書いた次第です。

私の考え方を【ありえない】と書いていらっしゃったので、どんな根拠でそう書いているのか楽しみに読んでいたのですが、私もこの方も推測しかできません。
ですが推測するには根拠も必要で、矛盾だらけの根拠であり得ないと一蹴するのもどうかと・・・
あと、最近の各社の動きを見る限り、ディスク化の流れを推進したいという業界の流れを感じます。
なので可能性としては、ディスク用コンポだけ12速化していくという流れも考えられなくはないですね。
【新型デュラ使いたいなら、ディスクにしなきゃ無理なんですわ】という流れを作りつつ、今までのキャリパー車向けには旧コンポを売り続けるという手法ですね。

シマノは既存のユーザーを切り捨てて新規格を持ち出すのは好きなほうの企業だと理解しています。
代表的なのは11速化に伴う、シマノホイールの問題ですね。
他社はほぼすべてが10sフリーを11s化できるように対処しましたが、シマノだけは【11s化?無理無理。ホイール買い替えろや】という態度でしたし。
ただ、それによって失ったユーザーもいるはずですし、エンド幅問題は10sホイール問題よりも複雑なので、ここを変えてくるとは考えにくいですね。
繰り返しますが、今の段階で誰が正しいかなんてわかりません。
どう予想するかは個人の自由です。
自由ですが、【ありえない】と断言するならそこに根拠がないと説得力がありません。

あと私の前の記事ではエンド幅拡張の可能性もなくはないと書いています。
人によっては【エンド幅142mm&スルーアクスルで、キャリパーとディスク共用フレームが出るのでは?】と予想しているようですが、これについては可能性自体はゼロではないと思いますが、たぶんないだろうと推測しています。

これの理由ですが、なんでディスクがクイックリリースから始まって1年でスルーアクスルになったのかという経緯を考えるとわかると思いますが、ディスクブレーキは制動力がハブ側で起こり、スポークを介してタイヤまで伝えます。
リムブレーキはタイヤに近いところで制動力が起こります。

ディスクブレーキの場合、フレームのエンドの剛性がないとブレーキが安定しないという欠点があり、そのためほとんどのメーカーでは単にスルーアクスル化する加工だけでなく、根本的にカーボンの積層などを変えて剛性を確保しているとされています。
キャリパーブレーキで必要なフレームの剛性とディスクブレーキで必要なフレームの剛性は違うので、両用できるというのはさほどメリットがないかと思います。

プロ選手の場合は、パンク時のホイール交換が面倒という事情もありますが。

ただ、最終的な結論はデュラエースがモデルチェンジしない限りわかりません。
私の推測も的外れなのかもしれませんが、エンド幅130mm継続があり得ないと断言できる根拠は見当たりませんし、むしろエンド幅を変えることによるメーカー側のリスクのほうが大きいでしょう。

もし次のデュラがいきなりエンド幅拡張を前提としたコンポを出して来たら、【えっ?誰がそんなもの買うの?バカなの??】と思うと思います。
それをカンパもわかっていたからそのまんま130mm幅だったんじゃないでしょうか?

これが私の推測です。

あと、私の勝手な予想ですが、シマノは12速化しないという結論もありうると思っています。
【12速?あんなのチェーンの耐久性ヤバいからうちはやんないよ】という流れですね。
その代わりフロントシングルのコンポとか、無線変速とかで攻めてくるということもありうるかと。

どっちにせよ、コンポとしてのシェアはシマノが優位なわけです。
価格で勝負したらカンパもスラムも勝てません。
そういう中でシマノがあえて12速化しないという流れもあっていいかなと勝手に妄想します。

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