先日、知人から受けた相談です。
完組ホイールでマヴィックのアクシウムを使っているらしく、低予算でホイールのグレードアップをしたいという相談を受けました。
彼が考えているのは、リムだけもっと軽いものに変えるとか、スポークだけキシリウムプロのアルミスポークに変えるとか、ハブだけデュラエースに変えるとか、そんな話ばかりでした。
こういうことは可能なのかどうか、解説していきます。
答えから書きます。ムリっす・・・
質問をしてきた彼の頭の中では、まずはリムだけいいものに変えて、お金が出来たらハブも変えて・・・と考えているようです。
完組ホイールの場合、リム、ハブ、スポークがそのホイールのための専用設計なので、ほかのパーツのと互換性が全くありません。
なので無理と考えたほうが早いです。
理屈の上では、リム自体は同じホール数(スポーク穴の数)が合えば、使えそうに感じるでしょう。
ですが次の問題として、リムが変わるとスポークの長さが変わってしまうため、スポークも交換になります。
で、完組ホイールのスポークはストレートスポークであり、ハブとの連結部がそのホイール専用品なので、市販されているスポークを買ってきても使えないことがほとんどです。
そうなるとほぼ無理と考えたほうが早いんですね。
一応、条件さえ満たせばハブ自体の交換は可能です。
これはスポーク数が合うことが絶対条件です。
ただし、市販されている単体のハブって、手組ホイール用に首折れスポーク用なんです。
ストレートスポークじゃなくなるため、今度はホイールの剛性が保てません。
ハブの回転性が上がっても、ホイールの剛性がガタオチじゃ意味がないのです。
そうすると、ハブの交換も原則として無理と考えたほうがいいです(できる場合もありますが・・・)
完組ホイールは、全てトータルで専用パーツを設計している
完組ホイールと手組ホイールの大きな違いですが、完組ホイールはハブ、リム、スポークが全てそのホイールのために専用設計されています。
一方の手組ホイールですが、ハブ、リム、スポークと市販品をあり合わせで作る形になるため、あるレベルからは完組ホイールには勝てません。
手組ホイールの名人だと、例えばゾンダよりも良く走るホイールを、ゾンダ以下の値段で組めたりします。
そういう人は残念ながら、かなり少ないのが現状です。
専用設計のホイールの一部を、市販パーツに交換すると、ホイールの設計理念が滅茶苦茶になってしまい、元々の状態よりも性能が落ちてしまうことがほとんどです。
なので完組ホイールのリムだけ交換とか、ハブだけ交換とか、スポークだけ交換と言うのは無理だと考えたほうがいいのです。
マヴィックのアクシウムを長期間使っていたことがありますが、アクシウムはなかなか不思議なホイールで、持つと重い割には走ると意外と軽いのです。
これはマヴィックの剛性の高さからくるのだと思いますが、頑丈だし、意外と走るし、プロ選手でも練習用ホイールとして使っていたりします。
なのでアクシウムはそのまま置いておいて、ホイールのグレードアップをしたいならお金貯めて買いましょうとしかいいようがないのです。
Campagnolo – Zonda (ゾンダ) C17 ホイールセット
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント