【注意】購入して1週間、カーボンフレームが割れたという事例。落車なし。

読者様より、購入して1週間でカーボンフレームが割れたという事例の相談を受けました。

読者様
読者様
はじめまして、初期不良のブログを拝見してメールいたしました。〇×(カーボンフレーム)を購入したのですが2回目に乗った際トップチューブのシートポスト側に50ミリほどのヒビが入りました。初めて乗った時に休憩時立てかけに失敗して倒したと言うことはありましたが、倒れた場所は平面で強くフレームやシートポストを打ってはいません。

自身にも非があるため強くは申し入れしていませんが、軽く倒れただけでトップチューブにヒビが入るのは、不良があったのではないかと販売店に話をしています

販売店側もその位で破損はおかしいと言う話になり、メーカーとやりとりをしてもらってますが、結果ユーザーが悪いでまとまりそうです。
カーボンフレームで立ちゴケしたり、風で倒れたくらいじゃ割れないなどの記事も見かけます。
自分が悪いのであれば諦めもつくのですが…
そういった事案など情報をお持ちでしたら教えていただければと思います。

なんともお気の毒な・・・という案件です。
買って1週間では、ほぼ乗ってませんので・・・

※この記事では、メーカーや車種などは書きません。そこが本質ではないと思うので。

直達外力か?介達外力か?

※このバイクは私物なので記事とは関係ありません。

まず、読んでいる限りではクラックが入ったのは、直接的な打撃があったわけではなさそうでしたが、念のため確認しました。

直達外力というのは、要は破損部に直接的な圧が加わって損傷した場合です。
介達外力というのは、破損部には直接的な打撃が加わってないけど壊れた状態。

分かりやすく言うと、例えば歩いているときに転倒して、手のひらを付いた。
これで打ちつけた手首が骨折するのを直達外力による骨折、骨折部が肘だった場合、手から伝わった衝撃が肘に到達して折れたわけで、介達外力による骨折と言います。

窓ガラスをパンチして、パンチしたところが割れたら直達外力、窓を強く締めたらガラスが割れたなら、介達外力ですね。

ご本人に確認したところ、まず間違いなく介達外力だという話でした。
確かに、立て掛けたロードバイクが倒れた場合、一般的にはハンドル、ペダル、サドルなどが地面に衝突しますが、トップチューブは地面には当たりませんね。

そんなもんで割れるのか?

確かに、最近のカーボンフレームは、落車で割れるという事例もかなり減ってますし、立ちゴケ程度で割れる人もほぼ聞きません。
なのでたかだか倒した程度で割れるのは、そもそも不良品だったのではないかと疑う気持ちはわかります。
スピードが出ている峠の下りで落車したほうがよっぽどダメージは大きいでしょうし、今回は静的状態から倒しただけ、ということで、むしろたいしたダメージではないのに割れたという見方もできます。

まあ、買って一週間という時間から見ても、初期不良であってほしいという気持ちもあるでしょう。

で、この件については、そのロードバイクを扱っている別のショップのベテラン店員さんに話を聞いてきました。

まず、静的状態から倒しただけで割れるのかについてですが、可能性としては限りなく低いけど、実例はあるそうです。
ただし、トップチューブの破損であれば、縁石などの角にトップチューブを打ちつけているか、あとは倒れた際にハンドルが切れた状態になって、ハンドルでトップチューブを打ちつけたかではないかとの話です。

ハンドルが切れてというのは、

こういうことです。
倒れていく段階でハンドルが切った状態になれば、ハンドルがトップチューブにガツンと行く可能性はあります。

もしそうではなく、ハンドルがまっすぐな状態で倒れたとしても、

トップチューブはかなり薄く作られているので、介達外力で損傷する可能性はゼロではないという話です。(ただしほとんどの場合は縁石などにぶつけての損傷が多い)

で、これがいわゆる初期不良に当たるかどうかですが、倒したこと自体は過失なので、全てのメーカーでこれを保証することはないでしょうとのこと。
単に走行疲労だけで割れたなら初期不良の可能性はありますが、倒したという時点で無理だそうです。
まあ、これについてはご本人も過失として認めていますし、倒したことで衝撃が掛かった可能性は否定できませんので。

ちなみにですが、【フレーム生涯保証】と謳っているメーカーってありますよね。
そういうメーカーでも、このケースは保証の対象外です。

フレーム生涯保証を勘違いしている人が多いのですが、あれはリコールに相当するような不良があった場合にしか適用されません。

【フレーム生涯保証】に夢見すぎないこと。ジャイアントとトレックのケースについて。

生涯保証を謳うメーカーも、規約を読むと【落車は対象外】になっています。
なのでフレーム生涯保証って、特にメリットではないんですね。
あるショップでは、

いろんな人
いろんな人
このメーカーのロードバイクは、フレーム生涯保証が付いているので安心なんですよ。

このように説明しているようですが、関係ありません。
強いてメリットを言うならば、生涯保証と謳っていないメーカーの場合、リコール相当のことが製品保証期間を過ぎてから見つかった場合(例えば10年後など)、【リコールですが既に保証期間を過ぎているので有償での対応です】となりますが、生涯保証付きの場合は、この保証期間という考えがないということでしょう。

ですが、リコールに相当することが10年後とかに見つかるということのほうが考えにくいので、ほぼ関係ありません。

ただし一応、実例はあります。
数年前ですが、ビアンキのクロスバイクに付いていたフロントサスペンションのバネが破断し事故が起きたことがあります。
このとき、サスペンション内部にバネが割れてもサスが分離しないような構造がなかったので、走行中にサスが分離して事故になったわけですが、構造上の欠陥はあったものの、保証期間を過ぎているということで有償での対応になったはず。

ただ、ロードバイクで10年後とかに初期不良が見つかりということ自体が考えずらいことなので、生涯保証は何らメリットとも言えません。
あとビアンキ事故の件を挙げましたが、生涯保証を謳うメーカーでも、フォークは対象外になっていることがほとんどです。

メーカー側も、実際に適用されるケースがほぼ無いことを知っているからこそ、生涯保証と言うのだと思うのですが。

今回の件ですが

倒したという過失がある以上、初期不良扱いにはなりませんので、代理店が対応することはありません。
代理店側からも、倒しただけで割れたという事例もあるという話はあったそうです。

ただ、買った本人はなかなか納得しづらい点もあるのは事実。
今回については、結論からいいますとカーボンドライジャパンで修理になったそうです。

カーボンドライジャパンのHPを見ると、塗装込みの修理費用が65000円~、となっている上に、フレーム単体で送らないといけないのでバラシと組み立ての工賃がショップで掛かります。
そのほか送料もかかりますね。

ただし、ショップのほうでさすがに買って1週間だし、今後も気持ち良く乗ってもらいたいとのことで、バラシと組み立ての工賃、送料はショップ負担(つまり無料)にし、カーボンドライジャパンでの修理費用だけ負担して欲しいということで話がまとまったそうです。

ご本人も倒した過失はあることなので、これで納得されたそうで。

で、私がなじみのショップで聞いてきた話ですが、走行中の落車よりも、静的状態で倒したほうがフレームが割れる可能性は高まることもあるとの話なんです。

というのも、走行中の落車だと、ダメージのほとんどは人間の体で吸収するわけで、フレームに直接的な力が掛かりづらいし、人間の体がショックを吸収しているので、介達外力がフレームに大きくかかるわけでもない。
また、走行中の落車だと、前方向に加速度がかかりながら落ちるので、フレームは打撃というよりも擦る、回転するという方向にうまく逃がしている可能性もあると。

静的状態から倒した場合は、フレームのチューブにダイレクトに負荷が掛かるような方向なので、落車でのダメージよりも大きくなる可能性はあるとのことでした。

要はドスン!と真下に落とすのと、

やや前方向に投げ出すように落とすのでは、負荷のかかり方が違うということですね。

こちらの動画の8:10あたりからですが、

フレーム自体も地面に叩きつけられていますが、人間が最もダメージ受けていそうですし、フレームは叩きつけられるというよりも、前方向に投げ出されています。
これがフレームへの負荷を減らしているのかもしれません。

これを見てもそうですが、

前方への加速度が付いているので、人間が衝撃を吸収した後、バイク自体は前方に流れるように転がっているようなイメージとでもいいましょうか。
決して、真下にドスンとロードバイクが落ちるわけではなさそうです。

ただそういうことがあっても、静的状態から倒してトップチューブが割れるのは、相当運が悪いケースです。
同じことをして必ず起こるような再現性が高い現象ではないので、それもあってメーカー名や車種名は書いていません。

倒さないように立て掛ける

ロードバイクは軽いので、風が吹いても倒れます。
なので倒れないように立て掛けることも必要です。

私の場合ですが、柵やフェンスなどに立て掛けて、ワイヤーロックを柵やフェンスにも通します。
要はワイヤーロック自体がストッパーになっている状態ですので、万が一の外力が掛かっても、ワイヤーロックが倒れないようにストッパーになります。

あとついでにですが、ワイヤーロックでもちょっとだけ盗難されにくくするロックの回し方。

よく、ワイヤーロックで盗難に遭う方は、ワイヤーカッターで切断されて持っていかれます。

一瞬ですよね。
サクッと切って後は乗るだけ。

ところが、複雑にグルグル巻きになっていると、一箇所切断しても解く必要が出ます。

なので一箇所切断後、複雑に絡んでいるロックを解いていくか、もしくは複数個所切断する必要があるのですが、動画の犯人、切断したロックは持って帰ってますよね。
要は手で触っているので、指紋が付いたものを残したくないわけです。

まあ、切断したロックを持っている状態で職務質問にあってしまえば一発で終了ですが、なかなかロード乗りが職質にあうこともないでしょうし。

長時間駐輪するなら別ですが、コンビニで休憩するときなど短時間の休憩では有効です。

今回のカーボンフレームが割れた事例では、立て掛けようとして倒しただけ、という超不運なケースですが、風が吹けば同じことが起こることもあります。
なので柵とかフェンスに立て掛け、ロックを昨夜フェンスに回すようにしてストッパーにしたほうが無難です。

今回の事例では、カーボンドライジャパンで修理することになったとのことで、修理後の状態の画像もいただけることになっています。
実際のところ、綺麗に直しても多少段差があるような仕上がりになるそうですが、どの程度まで直るのか、実例は参考になりますね。

超不運でしたが、こういうこともあるという事例でした。

あと、一応ですが全損や分損にも対応している保険もあります。

ロードバイクの盗難に備えた保険、入ってますか?ZuttoRideの自転車盗難車両保険。

こういうものに入っていて今回のことが起こった場合、カーボンフレームを修理しろと言われるのか、フレームごと交換となるのかわかりませんが、購入して1週間で割れてしまうと、さすがにこういうのに入ることを考える前だったのでしょうけど。