何を以って広告というのでしょうか?ステマに繋がりかねない問題を。

先日の記事についてですが、

初志貫徹は難しいことだとは思わないけど、流されない勇気は大切。

ご意見いただきました。

広告とは何なのか?

読者様
読者様
私個人の感覚としては、物品の提供を受けた程度で【PR】表記を付けるのは逆に違和感があります。
管理人さんのポリシーを厳格に適用したら、サイクルスポーツやファンライド等の
企業サイトのインプレ記事や、ワイズロードが毎年やってる社員試乗会の記事も
全部【PR】と書かなければいけなくなると思うのですが…。

現状の【PR】表記って、いわゆるタイアップ広告のような”記事風広告”に付けられているものであって
商品の提供を受けて個人的なインプレを書く記事にはそぐわないんじゃないかと。

これについて、まずこちら。

読者様
読者様
管理人さんのポリシーを厳格に適用したら、サイクルスポーツやファンライド等の
企業サイトのインプレ記事や、ワイズロードが毎年やってる社員試乗会の記事も
全部【PR】と書かなければいけなくなると思うのですが…。

まずこれについてですが、重大な誤認があります。
ガイドラインでも書いてありますが、広告でないコンテンツと広告が並存していて、広告かどうかについて読者さんがわからないような場合には、広告であることを明示しましょうというのがルールです。
広告なら必ず【PR】を付ける、という意味ではありません。

(10) 広告であることの明示
広告掲載枠に掲載される広告は、一般に、広告が表示されることが明確であるが、媒体社が編集したコンテンツ等と混在したり、並列したり、リストの上位に広告として掲載される場合や、広告を中心とした特集記事や、いわゆるネイティブ広告等において、消費者等が媒体社により編集されたコンテンツと誤認する可能性がある場合や、広告であることがわかりにくい場合にはその広告内や周辺に、広告の目的で表示されているものである旨([広告]、[広告企画]、[PR]、[AD]等)をわかりやすく表示する必要がある。

インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン

雑誌って、基本的には全部広告ですよね。
自転車屋のブログは、基本的には自社で取り扱っている商品やサービスの宣伝目的なので、イチイチ広告だと明示しなくても、広告だと分かります。
というより、プロショップのブログは、むしろ全てが広告だと見なしてもいいでしょうし。
そういうところまで【PR】と表示しましょう、というのではなくて、あくまでもほかの広告ではないコンテンツと併存していて、広告かどうか分かりづらい場合には【PR】表示をしましょうというのがガイドライン

広告だったら、全部【PR】表示をすべきという話ではありません。

例えばですが、新城幸也選手はバーレーンマクラーレンの所属していて、メリダからサポートを受けていることはロード乗りなら広く知られた事実です。
なので新城選手が、ユーチューブなどでメリダについて語ることは、誰でも宣伝活動の一部だと分かるので(大変失礼な表現で申し訳ないですが)、そういうところまで【PR】表示しましょうという話ではないのです。

スペシャライズドの専属ライダーがいたとして、専属ライダーである事実が広く知られているなら、スペシャライズドの宣伝をするときにイチイチ広告だと断る必要がありません。
ところが、スペシャライズドの専属ライダーだということが明かされてないまま、宣伝活動をするには広告だと表示すべき話に変わります。

なので全部が全部、広告だと表示すべきという話ではありません。

次にですが、

読者様
読者様
私個人の感覚としては、物品の提供を受けた程度で【PR】表記を付けるのは逆に違和感があります。

このように考える方がいるということは、その逆の考えの人もいます。
提供を受けた時点で特別な関係があると見て、それは広告でしょ?と感じる人も世の中にはたくさんいます。

だからこそ、どこかで線を引かないといけない。

【PR】とタイトルに書くと、明確にPV数(ページビュー数)が下がることはよく知られています。
これは広告であるなら読む価値が無いと判断する層が一定数いることを示しています。
ということは、不利益という観点で見るとこうなりますよね。

【PR】表示をする

⇒広告主と広告サイトにとっては、PV数が下がることで宣伝効果が下がるという不利益

【PR】表示をしない

⇒広告である事実を知らずに買ってしまう消費者側の不利益、広告であることを知らされずにクリックしてしまう不利益

つまり、広告主やサイトの利益を優先するか、消費者の利益を優先するかの違いとも言えます。
どっちが守られるべきかは明らかだと思うのですが、当然ですが消費者保護ですよね。

そういうことです。
いろんな考えがあって、

・広告であるなら一切読まない人
・好きなブロガーがステマする分には気にしない人
・そもそもすべてがステマだと疑って読むから、表記がなくても変わらないという人
・ステマであっても、内容が良質なら許せる人
・ステマは一切許せない人

どれも個人の主観ですので、正しいとか間違っているとかは特にありません。
そうなると、広告する立場のほうが線引きしないと、消費者の不利益につながりかねないわけです。

一般論として、企業がブロガーとかユーチューバーに提供することは、記事などを作成してもらえること、つまり宣伝してもらえることを期待して提供します。
というよりも、【記事を書いてもらえませんか?】という体でメールが来ます。

ブログもユーチューブもやってない、どこの誰だかわからない人に、企業が商品を提供することなんてないでしょう。
メリットが無いので。
だから、商品を提供された時点で、基本的には広告です。
プロ選手に機材を供給するメーカーは、宣伝目的という側面は必ずあります。
ほとんどの場合、返却義務もなく貰えるという形ですし。

そうなると、借りるという行為は提供に当たるのか?ということになってきます。
企業側が話を持ちかけて【商品を貸すから記事にして欲しい】というのなら、広告でしょう。
もしくはブロガーが企業に対して、【商品の記事を書きたいから貸してもらえませんか?】と投げかけて、借りれるのも提供です。
一般人にも同じように貸し出されているなら別ですが。

もし広告かどうかの判定に、【報酬の有無】が関係するとしたら、商品を貰えるという行為は広告です。
現金で貰うか、現物で貰うかの違いでしかない。
1万円の商品を貰えば、1万円貰ったのとなんら変わりないです。

商品の現物支給だと広告ではなく、現金での報酬は広告だというなら、それこそ意味不明です。
商品には価値があり、定価1万円の商品なら1万円もらったのと同じ。
ロードバイクのパーツ類は高価なものもあり、例えば50万の商品を提供される可能性もゼロではない。
50万の商品でも、商品の提供を個人が受ける分には広告ではないというお考えなのか?
一般的には高価なものですよね、50万は。
そうすると、3000円のパーツは?3万円のパーツは?

どこで線を引くのでしょう?
そうすると、いくらまでなら広告ではない、いくら以上なら広告、という線引きがないと話がおかしくなるけど、合理的な線引きなんてできないでしょうし。

あと、商品の提供の場合は広告ではないとするなら、アマゾンの中華レビューも問題ないということですよね。
あれって聞いている話では、購入者に中華業者が連絡して、高評価レビューを書いてもらえば商品代金を全額返すという手法だと聞いてますが、最終的にはタダで商品を貰ったという状態になりますよね。
これといったい何が違うのでしょう?

なので、

読者様
読者様
私個人の感覚としては、物品の提供を受けた程度で【PR】表記を付けるのは逆に違和感があります。

そう思うことは自由ですし、それについては特に感想はありません。
しかし逆の意見を持つ人もいるわけで、そうするとどこかで線を引く必要が必ず出てくる。

個人の感覚で話されてしまうと、水掛け論にしかなりません。
それは違う感覚を持つ人もいるよね?となってしまい、感情論にしかならないわけで。

だからこそ、サイト側が自主規制するべき話なわけです。

根本的な勘違い

読者様
読者様
現状の【PR】表記って、いわゆるタイアップ広告のような”記事風広告”に付けられているものであって
商品の提供を受けて個人的なインプレを書く記事にはそぐわないんじゃないかと。
管理人さんが批判しておられるサイクルガジェットにしても、
記事広告にはちゃんと【PR】表記が付いています。
http://www.cycle-gadget.com/bici_amore.html

テレビでもよく”番組風のCM”がありますが、
そういう場合は画面端に「※これはCMです」みたいなテロップがつきます。
それに対して、たとえば番組内で最新家電を紹介するような時は
間違いなく企業から提供を受けているにもかかわらずCM表記は当然ないですし、
それを見た人が「これはステマだ! CM表記をつけろ!」なんて言う人もいないと思います。

もちろん、企業のコンテンツと個人のブログは事情が違うでしょうし、
個人の場合は誤解がないよう本文中に企業から提供を受けたことを明示するのは大事です。
少なくとも「自分が見つけて自分で買った」と嘘をつくのはダメでしょう。
でも安易に【PR】表記を付けてしまうと
却って読者がタイアップ記事やアドセンス広告だと誤解してしまうこともあると思うのです。
「【PR】表記したらPV数が下がった」というのはその辺の理由もあるのではないかと。

別に【PR】表記を付けるなとは申しませんが、
特定の個人サイトを名指しして「【PR】表記がない! けしからん!」みたいに
一方的な基準で批判するのは、さすがに筋違いではないかなと私は思います。

根本的に勘違いされているなと思う点があるのですが、まず、このサイトを批判しているという感覚はありません。
その上でですが、

読者様
読者様
現状の【PR】表記って、いわゆるタイアップ広告のような”記事風広告”に付けられているものであって
商品の提供を受けて個人的なインプレを書く記事にはそぐわないんじゃないかと。

これの意味についてはちょっと理解できなかったのですが、企業がブロガーなどに【記事の執筆を条件に】商品を提供することって、記事風広告ではないのでしょうか?
記事は絶対に書くな、だけど提供するよ、という意味不明な状況であったなら話は違うかもしれませんが、それならそもそも記事にはならないのでなんら問題ありません。

で、私が前の記事で書いた内容ですが、このサイトさんは、このように明示していらっしゃいます。

記事広告について
サイクルガジェットでは記事広告を掲載する事があります。記事広告の場合、記事タイトルに「広告」もしくは「PR」と表記しています。

広告であっても、実際に私が試し、触り、感じたことを正直に書きます。徹底的&圧倒的なユーザー目線での情報発信をモットーとしていますので、事実と異なったり、体験していないことを体験したかのように書くことはしません。

記事内容の最終決定権はサイクルガジェット側にあり、読者に対して誤解を招くような訴求は、仮に広告主が要望しても載せることはありません。

http://www.cycle-gadget.com/blog/faq.html

このように、一般消費者に対して約束しているわけで、明らかに商品の提供を受けている、つまり広告と見なせる案件でも、【PR】表示がある記事と、【PR】表示が無い記事が混在しているのは、どうなのか?というだけの話です。
以前は確かに【PR】と付けていたけど、最近はその意志がなくなってしまったのかな??と思うと、尊敬していただけに非常に残念だと・・・
メディアの人間として、広告ならきちんとタイトルに表示すると約束しているのに、それがあったりなかったりする。
最近の記事では無さそうでしたので、初志が変わってしまったのかな?というところについて疑問だというだけの話です。

どうもこちらの言いたいことと、コメントでの反論内容が噛み合っていないように感じましたので、ここはハッキリさせたいと思います。

前の記事でも書きましたが、私は

【PR】表示はやめて欲しい

と企業側に言われたことはあります。
そこで、広告主である企業の言いなりになるのは消費者を騙す行為だと思うので、当然拒否します。
メールで返信する際は、二度と付き合わないことを前提にして返信したりもしますし、そういう要望を出す企業とは今後お付き合いするつもりは全く無い、と返信したこともあります。

一般人が企業から提供を受けていて、自己判断で【PR】が不要だと思うなら、それは一般消費者の感覚とはズレているのではないでしょうか?
この意見を頂いた方のスタンスは理解しますが、そこが広告に求められる線引きだとは思いませんし。
もし企業側からの圧力で【PR】表示を外したなら、それはそれで問題です。

読者様
読者様
別に【PR】表記を付けるなとは申しませんが、
特定の個人サイトを名指しして「【PR】表記がない! けしからん!」みたいに
一方的な基準で批判するのは、さすがに筋違いではないかなと私は思います。

けしからん、と書いた事実はありませんが、【一方的な基準】ではないですよね。

例えばこちらの記事。

利益提供秘匿型とは、第三者に金銭の支払いその他の経済的利益を提供して掲載を依頼しているにもかかわらず、その事実を表示しない場合だ。たとえば、商品やサービスを推奨する記事をインフルエンサーに報酬を払って掲載依頼しているが、広告であるという表示がないといったケースだ。最近しばしば話題になっている例は、利益提供秘匿型であると分類することができる。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191227-56439488-nkctrend-bus_all

【金銭の支払いその他経済的利益を提供して掲載を依頼】とありますが、商品の提供は経済的利益の提供ですよね。

またその基準自体もこのサイトさんが自ら決めて、広告であるなら【PR】とタイトルに付けると消費者にお約束しているわけで、それは約束とは違うのでは?というところをこちらは指摘したまでですので。
そもそも批判しているという感覚は一切無くて、疑問視しているだけの話です。

食べログでのステマ疑惑の際も、飲食店がインフルエンサーにタダなどで料理を提供してレビューを書いてもらっていたのが問題だと思うのですが。
ちなみにですが、例えば90%引きなど大幅な値引きを受けて商品を買うケースも、経済的利益の提供と言っていいでしょう。
誰に対しても90%引きで提供しているなら別ですが、記事の執筆をしてもらうことを条件に割引されているなら、それはやはり経済的利益の提供かと。

なので筋違いだと言われると、この方の感覚ではそうなんでしょうけど、その話をすると感情論にしかならないんですよ。
感情論をぶつけ合っても、水掛け論にしかならない。
広告とはなんなのか?というところと、このサイトさんが広告であるならタイトルにPR表示をつけるとお約束しているわけなので、最近はそれもやめちゃったのかな??と思って残念に感じているわけです。

いろんな考え方はあると思いますが

前の記事でも書いたように、こちらのサイトさんは、記事中で提供を受けた事実を書いているだけまだまともなほうです。
マトモだなんて書くと、上から目線みたいに思われるかもしれませんが、自転車業界の個人サイトで大きなところは、提供を受けた事実すら伏せているところばかりですから。

今回いただいたご意見を見て、事実誤認している部分は別として、意見としては正しいも間違っているも無いと思うんです。
一つに意見として、この方がそう感じていることを否定するつもりはありません。

その上で、消費者の利益を最大限守ろうと考えると、広告であるか否かの線引きはどこにあるのか?というところです。
この方は個人が商品提供受けてインプレすることは広告ではないという考えのようですが、それだと企業がやると広告なの?という話になりますし、個人と企業で分ける理由はどこにあるのか?という話にもなっていきます。
個人だろうと企業だろうと、営利ですしね。

そして実際に、商品提供を受けるという特別な関係で書かれたインプレ記事を広告だと感じる人も多いわけで、消費者保護の観点からすれば、どこで線を引くべきなのかは自ずとわかるのではないでしょうか?
【個人的な感覚】で話されてしまうと、人それぞれ違いますよね?で終了しますし、結論が出ることはありません。

前の記事もそうですし、この記事もそうですが、このサイトさんを批判する目的では書いていません。
問題提起として、この業界は本当にそれでいいのか?というところが焦点です。

有名なIT技術者のロードバイク日記でも、以下のような記載があります。

IT技術者ロードバイク日記では自転車関連の記事執筆、プロモーションを実施しております。

実績:Amazonジャパン様、楽天株式会社様、株式会社はてな様、パイオニア株式会社様、スペシャライズドジャパン様、トレックジャパン様、キャノンデール様、イナーメ・スポーツアロマ様、Wiggle様、東京書籍様、株式会社インターマックス様、サンボルト株式会社様、株式会社グロータック様、株式会社 ハーセリーズ・インターナショナル様、ビチアモーレ様、IRCタイヤ様。

https://rbs.ta36.com/?page_id=16122

私が調べた範囲では、記事タイトルで広告であることを明示しているものを見つけることが出来ませんでした。
もしかしたらあるのかもしれないので何ともいえませんが、依頼を受けて記事執筆ならそれは一般的感覚では広告なのではないでしょうか?

これだけは断言しますが、企業側の本音としては【PR】などと付けて欲しくないことは事実です。
そうすると、そういう表示をしないサイトのほうが、仕事を振りやすいことも事実でしょう。

この記事も前の記事もそうですが、あくまでもネット社会の健全化のために書いています。
思っている以上に、広告問題ってシビアに捉えている人は多いですよ。
取りあげたサイトさんがこの記事を見るかどうかは知りませんが、何でもありになっているネット社会、本当にそれでいいのでしょうか?