近年、有料でフィッティングサービスをしてくれるものがいくつかあります。
中にはそれなりに高額なものもあるようですが、基本的な原則をわかってないと、大きな間違いを起こします。
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知人の例
これは前にも書いたことがある気がしますが、仕事上のお客さんがポジショニングに悩んで、ある有料のフィッティングサービスを受けました。
身長は170センチくらいで、乗っているロードバイクはホリゾンタルトップで530mm程度なので、一般的解釈だとフレームサイズには問題ありません。
手足が長いわけでもなく、中肉中背の一般的な日本人という感じの人です。
今後レースにも出たいけど、今はサンデーライダーでロングライドがメインという方。
で、あるサービスで診断してもらったところ、まずフレームサイズが2サイズ小さい、ジャストはホロゾンタルトップで550mmだという診断が下りました。
この時点で頭の中は???だったそうですが、デモバイクでそれを再現してもらいペダリングしたところ、違和感でいっぱいだったそうです。
そこの説明では、最初は違和感があることもあるが、じきに慣れるみたいな話だったそうです。
で、この方はフィッティングサービスの沼に嵌ってしまい、その後さらに2件の有料フィッティングサービスを受けたそうですが、全部意見はバラバラ。
結局何を信じて良いのかわからない、混乱状態に陥ってました。
単にその人の意見に過ぎない
ロードバイクの乗り方論争でも、骨盤を立てる派とか寝かせる派とか、やまめ乗りとかラクダのコブだとかいろいあるわけで、それぞれについてポジショニングは変わります。
いろいろ計測して出す方法も、所詮は統計学です。
多くの人がこれだと最適解だという、その機械に入っている統計学の集約です。
そしてその統計学的な平均が、あなたにジャストフィットするとは限りません。
やまめ乗りの人って、確かワンサイズ大きいフレームを選ぶべしという考えだったと思うのですが、その理論に納得して、乗ってみてベストだと感じればそれはその人にとっては正解でしょう。
しかし、もしその乗り方が合わなかった場合は、結構悲惨です。
人間が目視でペダリング解析するにしても、その店員さんの理論に基づいた話に過ぎないので、要は単にその店員さんの意見を聞きに行く場なんだと思ったほうが良いでしょう。
人それぞれ、意見は違いますよね。
だから全てのフィッティングサービスで、同じような結果になるとも限らないわけ。
なのでその店員の意見を聞いて、それを取り入れるかはまた別問題です。
必ず答えを出してくれる場所だと思ってサービスを受けること自体が間違いでしょう。
フレームサイズを2サイズ上げるというのは、さすがに無理がある話。
ただよくよく聞くと、今乗っているアルミフレームからカーボンフレームに買い換える可能性も伝えていたそうなので、そういうことも関係するかもしれません。
どんな分野でも、一つの現象に対して、様々な見方があります。
一つの現象に対して全く正反対から考えることもあるわけで、フィッティングサービスで出てきた数字というのは、その人の考えに過ぎません。
それが合うかどうかはまた別問題。
言いたいことですが
だから有料フィッティングサービスなんて無意味・・・という安易な答えを書きたいわけではありません。
そこで出てきた数字にバッチリ嵌る人もいるし、全く嵌らない人もいる。
その差はなんなんだろう・・・と考えたときに、所詮は統計学の集約だったり、店員さんが自分の考えに基づく理論で出したものに過ぎないわけで。
答えを求めに行く場所ではなく、答えを導くためのヒントを貰いに行く場所なのかもしれません。
プロ選手の中にはステム長が140mmとか150mmみたいな、一般人はまず使わないような長いステムを使う人もいます。
その人には合っているんでしょうけど、一般的にはフレームサイズおかしいんじゃね?となりますよね。
極端なことをしても、それが速ければ正義なのがプロ。
一般人でもそこまで求める人もいなくはないでしょうけど、普通はそうはならないですよね。
神奈川県の某所で、オーダーマクラを作ってくれる整形外科があります。
レントゲンなどで撮影し、理想的な高さを数値化して作るそうですが、そこで買った枕が合わないという声も実はそこそこあります。
理想と現実は一致しないとも言えますし、理想という数字自体が所詮は統計学の集約に過ぎないとも言えますし。
世の中そういうもんです。
で、既にロードバイクに乗っている人でも、複数のフィッティングサービスを受けて迷うわけなので、これからロードバイクを買うという人にとってはもっと頭の中は【?】しか出てこないと思います。
欲しい車種が決まっていて、A店に行って相談したら530がちょうどいいと言われ、B店で聞いたら540のほうがいいよと言われたなんて、比較的多く聞く話。
で、実際に跨ってみても素人さんの一台目だと、合っているのかどうか、なんだかわからないという話も聞きます。
身長によっては、どっちのサイズでも行けそうだよね、ということはよくあります。
店員さんも、どっちのサイズでも行けそうなときは小さいサイズ推奨の人もいれば、逆の店員さんもいます。
なので最後はいろいろ質問してみて、話に納得行くかどうかが判断基準になります。
というのも、本当にサイズが合っているのかどうかについては、それなりに乗り込まないとわからないもんです。
そして多少であれば、ステム長などでポジション自体は変えられますし、むしろ乗っているうちに慣れてくればポジション自体は変わるもの。
なので最後は割り切るしかないのですが、どっちのサイズでも行けるようなときは、小さいほうのサイズだとより調整しやすいことが多い気がします。
ステムはあまりにも短いものにすると操作性としてはあまり好ましくないので。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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