ぼちぼちと新型デュラエース、R9150(Di2)のデリバリーが始まっているようですが、今回の新型デュラエースの目玉といえばシンクロシフトなのではないでしょうか?
MTBコンポであるXTRではすでに投入されていた技術ですが、シンクロシフトとはなんぞや?というところから解説します。
R9150のシンクロシフト
シンクロシフトというのは、ギア比の自動調整システムだと考えればいいです。
ロードバイクはフロントがダブル、リアが主流は11速ですが、2×11=22段といっても、ギア比が被る組み合わせが出てきますので実際に使用できるギア比はそれよりも少ないです。
ロードバイクの変速において、フロントとリアを結んだ線が一直線になるようにチェーンが張られている状態が、最も駆動ロスが少ないわけです。
逆に言えば、いわゆる【たすき掛け】状態になってしまいチェーンが斜めになっているようだと、駆動ロスが大きくなります。
例えばですが、やってしまいがちなのはフロント=アウター、リア=ローという組み合わせです。
フロント変速はついつい面倒だからとアウター×ローに入ってしまいがちですが、アウター×ローは最もたすき掛けが強くなるため、駆動ロスが生じます。
それと似たようなギア比は、フロントをインナーにして、なおかつリアをローから2、3枚程度シフトアップすれば達成できるわけで、そのほうがチェーンは斜めにならないわけです。
シンクロシフトでは、チェーンが斜めになりにくいように、自動でフロントとリアのギアを選択してくれるシステムです。
新型デュラエースR9150では、3つのモードがあります。
フルシンクロモード
リアの変速を基準にして、フロントを自動で変速させて最も効率がいいギア比を選んでくれるもの。
セミシンクロモード
フロントの変速に合わせて、リアが1~4段程度自動変速して、ギア比を保つもの。
マルチシフトモード
シンクロシフトせずに、フロントはフロント、リアはリアと別々に操作するもの(従来のものと同じ)
実際のシンクロシフト
youtubeを探したら、実際にシンクロシフトさせている映像がありました。
フルシンクロモードの映像と思われますが、シフトダウンをボタン操作で指示した瞬間、フロントがインナーに落ちると同時に、リアがシフトアップされています。
通常のシフターなら、フロントをインナーに落とすと一気に軽くなりすぎるが、R9150では一瞬でリアのシフトアップも同時に起こるため、一気に軽くなりすぎるということがないわけです。
もちろん、通常のコンポだと、それを避けるためにフロント変速ではなく、リアのシフトダウンだけで対処しようとしますが、それだとチェーンが斜めになる可能性もあります。
チェーンが斜めになって駆動ロスを起こさないように、自動で駆動ロスが少ないギアの組み合わせを選んでくれているわけですね。
懸念されることがあるとすれば、シフトダウンしようとしてクリックした際に、フロントがシフトダウンされると一瞬チェーンが緩むため違和感を感じないのだろうかということでしょうか。
同時にリアのシフトアップも行われるため、違和感なく変速できるとは思いますし、なんといってもシマノの新商品でデュラエースですから、ほぼ心配はいらないと思いますが、人によっては違和感を感じる可能性はありますね。
ただし、それが嫌ならマルチシフトモードにしてシンクロシフトしないように設定すればいいだけなので、大きな問題にはならないと思います。
インプレ記事などを見ても、そこを問題視している人はいないようでした。
身近なところでR9050を使用している人がいないのでなかなか試すことができませんが、今回の電動デュラエースはボタンの位置やレバーの形状など、非常にいいという評判ばかり聞きます。
私も今回は導入すべきか検討中です。
シマノ SHIMANO デュラエース DURA-ACE R9150 Di2導入キット ビルトイン

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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