以下のような質問をいただきました。
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ディスクブレーキ搭載のクロスバイク(ビアンキ カメレオンテ3)を新しいコンポのメトレアで組んでブルホーン化したいのですが、ディスクブレーキの互換性などがイマイチわかりません。
カメレオンテ3についているブレーキキャリパーとディスクローターのまま、メトレアのSTIで操作できるのか、キャリパーやディスクローターも交換が必要なのか、それ以外の部分でも互換性などで気を付けることを教えてください。
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このような質問をいただきました。
ぶっちゃけて言いますが、残念ながら私はディスクブレーキについては互換性など全く分かりません。
なのでシマノのサイトから互換性をピックアップして書きます。
その前にメトレアとは??
メトレアについてはほとんどの人が見たことがないと思います。
私も見たのは一度きりです。
【CENTURION】(センチュリオン)2017 シティスピード ディスク 1000(メトレア 1x11s) クロスバイク【クロスバイク】【自転車 完成車】
某所でセンチュリオンのCITY SPEED ディスク1000を見たのですが、これはフラットバーバージョンですがメトレア1×11スピード仕様。
フロントシングルのクロスバイクで、なおかつリア11速が斬新。
またメトレアのフロントシングルのクランクのデザインが非常に洗練されていて、ぱっと見でクランクとはわからないようなデザイン性を持っていたのが印象的でした。
メトレアというコンポについてですが、シマノのラインアップの中ではアーバンスポーツという分類になっています。
ロードコンポでもなければ、MTBコンポでもないという異質な存在です。
対象としているのは、クロスバイク的な存在という意味なのでしょうか。
ですがお値段は結構高いです。
例えばメトレアのSTI、ST-U5060ですが、定価で4万を超えます。
SHIMANO(シマノ) STIレバー(デュアルコントロールレバー) ST-U5060 左右レバーセット 2×11S METREA(メトレア) STU5060RLSET
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これはデュラエースのSTIに匹敵する価格設定です。
と、思いきや、リアディレーラーについては105のRDくらいの価格設定です。
SHIMANO(シマノ) リアディレーラー RD-U5000 SSタイプ 11S METREA(メトレア) IRDU5000SS
売り上げランキング: 121,168
クランクのデザインは、今までになかったようなスタイリッシュさがありますね。
SHIMANO(シマノ) METREA FC-U5000-1 クランクセット 42T(1x11S)
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メトレアはロードコンポでもないし、MTBコンポでもないので変速性能について比較することはできませんが、どのくらいの実力を持つのか、興味津々です。
メトレアの大きな特徴ですが、挙げるとするならば
・フロントシングルの設定がある。(ダブルもあり)
・リアは11速。なので1×11もしくは2×11になる。
・リアディレーラーは、ローギア32Tまで対応。
・ブレーキはディスクブレーキのみ(油圧)の設定。
・フラットバー用シフターと、ブルホーン用シフターの2パターンがある。
・プルホーン仕様のシフターは、専用ハンドルじゃないと付けられない
こんなところでしょうか。
肝心のディスクブレーキの互換性
まずカメレオンテ3のスペックを見ていきます。
2017年モデル Bianchi(ビアンキ) CAMALEONTE3 (カメレオンテ3) Disc[ディスクブレーキ仕様][クロスバイク]
カメレオンテ3についているディスクブレーキのキャリパーですが、シマノ BR-M315というものが付いています。
これにはシマノの互換表を見ると、対応するディスクローターは素材は金属/レジン、タイプはワイドとなっています。
で、メトレアのディスクブレーキキャリパー、BR-U5000ですが、シマノの互換表を見る限り、対応するブレーキレバーはメトレアのもの(STIならST-U5060、フラットバー用レバーならBL-U5000)のみとなっています。
逆を言えば、メトレアのSTI(ST-U5060)を搭載した時点でカメレオンテ3のキャリパー(BR-M315)は互換性なしということなので、キャリパーはメトレアのものにする必要があります。
ディスクローターについても、カメレオンテ3搭載のBR-M315とメトレアのキャリパー(BR-U5000)では指定されているローターが違うため、ディスクローターも交換です。
カメレオンテ3についているローターがSM-RT56-Sならば互換性があるということになりますが、カメレオンテ3のスペック表を見ても何が付いているのかわかりません。
キャリパー | ローター
(160mm) |
ローター
(180mm) |
BR-U5000 | SM-RT99-S SM-RT86-S SM-RT81-S SM-RT76-S SM-RT75-S SM-RT70-S SM-RT66-S SM-RT64-S SM-RT56-S SM-RT54-S |
|
BR-M315 | SM-RT56-S SM-RT54-S SM-RT30-S SM-RT26-S SM-RT10-S |
SM-RT56-M SM-RT54-M SM-RT30-M SM-RT26-M SM-RT10-M |
ホースについても同様に交換する必要があるようです。
BR-U5000とST-U5060(ともにメトレア)のブレーキホースとして指定されているのはSM-BH59-JK-SSだけになるようです。
SHIMANO(シマノ) SM-BH59 SS ディスクブレーキホース ロード 1700mm ブラック ISMBH59JKSSL170
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さらに言うと、油圧ディスクブレーキの組みつけには、ブリーディングキットとしてTL-BT03-SまたはTL-BT03が必要になります。
シマノ(SHIMANO) TL-BT03-S ディスクブレーキ ブリーディング シンプルキット Y8H498070
【SHIMANO】(シマノ)TL-BT03-S ディスクブレーキ ブリーディング シンプルキット Y8H498090【ツール】【自転車 アクセサリー】
あと気を付ける点としたら、BBでしょうか。
カメレオンテ3についているBBはオクタリンクですが、メトレアのクランクはホローテック2タイプなので、BBも交換になります。
BBはホローテック2用のJISならば大丈夫ですので、好きなグレードを選んで大丈夫です。
ロード用JISであれば大丈夫なはずです。
他に気を付ける点としたら、ハンドルが専用品じゃないとダメだそうです。
確認した限りでは、ハンドルは一種類しかありません・・・
メトレアについての評価ですが、コンセプトは非常に面白いと思ってます。
実際の操作感は不明なのですが、クロスバイクで不要とされてきたフロントトリプルを排除し、街乗りに特化したコンポでありながら、街乗りで使いやすいディスクブレーキによる制動力を装備したコンポであるということ。
また、街乗りでカッコつけたい人にうってつけな、ブルホーンバー用のSTI。
ブルホーンを持ったまま、ブレーキも変速も操作できるという点は面白い存在です。
街乗りでブルホーンが必要なのかという疑問は置いといて、街乗りでもカッコいいバイクを操りたい人には最適なのではないでしょうか?
強いて問題点を言うなら、STIの値段が高いという点でしょうか。
あと、メトレアで組んだクロスバイクというのは、2017年のラインアップの中では非常に限られています。
私の知り限り、フラットバーですがセンチュリオンくらいしか思いつきませんでした。
どうせならブルホーンバー+メトレアで組んだクロスバイクをリリースしてほしいところですが、どうしても完成車価格が高くなってしまうと思われ、予想される完成車価格は16万以上とかそうなってしまいます。
なのでクロスバイクとしては売れにくい価格帯なので、どこのメーカーもブルホーンバー仕様のメトレア完成車の販売には消極的なのかもしれません。
シマノがもう少し頑張って、メトレアに次ぐグレードのアーバンコンポをリリースしてコストダウンしてくれればいいのですが、メトレア装備車がほとんどない現状を見ると、もしかしたらメトレアが廃れてしまう可能性も否定できません。
まあ、簡単にシマノが終わらせるとは思えないですが。
で、いろいろ探してみたら、ルイガノがブルホーンハンドル+メトレア装備のクロスバイク(?)を出していました。
【店頭受取りのみ】ルイガノ TRC1 2017 LOUIS GARNEAU トレッキングバイク クロスバイク 街乗り自転車
ただし、このバイクは700cではなく27.5インチですね。
あと、LOOKのような独特のステムで、トップチューブとハンドルまでがツライチになっていますが、これはこれで興味があります。
一体どんな乗り味になるんでしょうか?
あと、どんな人が買っていくのか、純粋に興味がありますね。
クロスバイクのフロントシングル化は大賛成
クロスバイクって、ほとんどの車種がフロントトリプルです。
これ、なぜかわかりますか??
クロスバイクの場合、以下に定価を下げて売るかが売れるカギになってきます。
というのも、ロードバイクと違って基本的なコンセプトはタウンユーズ、つまり街乗りを意識して販売していますから、定価が上がれば上がるほど売れにくいわけです。
コストダウンするには、安いMTBコンポを付けて売るのがいいのです。
そうなるとMTBコンポの下のほうのグレードはフロントトリプルなので、クロスバイクもフロントトリプルとなるわけです。
素人的には、【フロントがトリプルだと変速数が多くてお得】と感じる場合もありますし、自転車屋でも【変速が多いので便利ですよ】と説明している店もたくさんあります。
ところがです。
フロントの変速はほとんど使わないのです。
フロントトリプルの一番軽いインナーギアは、下手すると一生で一回も使わないくらい軽すぎるギアです。
トリプルにすると無駄に重くなるし、変速性能も落ちます。
だからクロスバイクでは、フロントはシングルもしくはダブルくらいのほうが使いやすいのです。
そういう意味で、メトレアはユニークなコンポだと思いますが、ちょっとコンポの値段が高いので、フレームメーカーもメトレアを導入しづらいのだと思います。
メトレアの下のグレードを作って、安くても1×11もしくは2×11コンポを作れば、クロスバイクには最適だと思うのですが・・・
今後に期待ですね。
※ディスクブレーキは詳しくないので、調べた範囲で書きました。
間違いなどありましたらご指摘いただけるとありがたいです。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
検索してこちらにやってまいりました。
カメレオンテ3-2017モデルが先日納車され、ディスクローターを見ましたら前後ともSM-RT10-Sが装着されてます。メトレアキャリパーはポン付け不可ですね。
情報ありがとうございます。
まあ、実際のところ、メトレアで組み直す人がいるのかという疑問はありますね。
高いので。
表題とは関係無いですが、メトレアについて書かれていたので足跡を。
ロードバイク乗りでメトレアのメリットがあるとすれば、貧脚対応な46-32Tがあることでしょう。
クランクは高価格で重く、不満もありますが、最近のリアスプロケット32tとの組み合わせで、ギア比1.00が実現します。
また文中の、クロスバイクにフロント3枚は不要、インナーなんて一生使わないとありますが、坂の多い地域に住んでいる初心者には必須です。
低いギア比は時間を掛けてでも無理せず登れるというメリットがあります。
コメントいただきありがとうございます。
確かに脚力に自信がない人には46-32Tはメリットなのかもしれませんが、単にギア比1.0にしたいだけなら、今はロード用スプロケでもロー34Tがありますので、クランクが50-34でもギア比1.0は達成可能です。
むしろ、高価なクランク買うよりも、スプロケと対応するリアディレーラーを買ったほうが安いと思います。
フロントトリプルの件ですが、文中では【下手すると】と書いている通り、ほとんどの人の環境ではインナーは使わないと思います。
15%を超える勾配なら使うかもしれませんが、そういう環境にいる人はどちらかというと少数派だと思いますし。
低いギア比は時間をかけてでも無理せず登れると書いていますが、これは考え方次第です。
時間がかかる=つらい時間が増えるという考え方も成り立ちますし、初心者さんでもあまりにも軽すぎるギアで登るほうが疲れるという人も結構聞きます。
なのでSHUN様がそう感じることは否定しませんが、私の考え方やいろんな初心者さんから聞く話を総合したときに、フロントトリプルのインナーは不要だという人のほうが多い気がします。