大手サイクル系サイトのバイシクルクラブさんに、なかなか凄い話が書いてありました。
1、サイクリストを追い越す時には、自動車はその道路に課された制限速度から20Km/h減速したスピードで走ること。
2、同時に、自動車はサイクリストとの車間距離を最低1.5mは確保すること。
3、できれば車はサイクリストを追い越さず、サイクリストを先行させることが望ましいこと。
自転車を追い越すときにクルマは20㎞/h減速! スペインで道交法改正へ | Bicycle Club, 新製品ニュース自転車で車道を通行する際、クルマが追い越される際にヒヤッとした経験をすることはないだろうか? 世界的にクルマが自転車を追い越す際には側方距離を1.5mとることが
法改正にて
スペインでは道路交通法の改正で、自転車を追い越すときには側方間隔を最低1.5mとしたそうです。
自転車を追い越すときの側方間隔については、オーストラリアやフランス、アメリカの一部の州などでは規定されているのですが、スペインではさらに【追い越すときには減速する義務】まで課すそうです。
まあ、記事をみていて思ったのですが、スペインの一般道って制限速度は何キロなんでしょう?笑
日本でも、愛媛県は思いやり1.5m運動と称して、車のドライバーになるべく車間を取って追越しするように推奨してます。
これ自体は法的な拘束力はないので、あくまでも努力目標とかお願いレベルになります。
日本では
日本の道路交通法上、自転車を追い越すときの側方間隔は定められていません。
というよりも、道交法の規定では【追越し】と全てをまとめているため、車同士だろうと車と自転車の関係だろうと、同じ条文が適用されます。
追越しの方法についても、自転車と車で分けて定義していないのが日本の道路交通法。
まあ、追越し時の側方間隔が近いだけでは違反として取れるものがないため、実際には接触・非接触驚愕で事故が起こらない限りは問題視されないことがほとんどです。
一時期、幅寄せは暴行罪という言葉が独り歩きし過ぎて、側方間隔が近い追越しと幅寄せの違いもわかってない人が増えたような気がしますが。
側方間隔が近すぎることで事故が起こった場合は、せいぜい70条の安全運転義務違反になる程度です。
第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
70条は法条競合時は他条優先の原則があるのと、むやみやたらに適用しないようにという原則があるので、実際には事故が起こらない限りは適用されないものと考えていいです。
法条競合というのは、ほかの条文に触れるときはほかの条文が優先され、70条違反を併科することはダメという話。
このように側方間隔については何ら規定が無いと思っていいので、結局は自己防衛するしかないわけです。
ただこれも考え方次第というか、条文で側方間隔が定まっているほうがいいのですが、もし日本にそういう条文があったとしても、全てのドライバーが守ってくれるとも限らない。
なので結局は自己防衛するしかないという観点では、条文があってもなくても大きく変わらないのかもしれません。
自己防衛手段
自己防衛手段はいくらでもあります。
1、リアライト等を夜間ではなくても点滅させる
夜間にリアライトを点けるのは当たり前として、日中でもそれなりには効果があるのかなと考えてます。
リアライトを点けている=必ず側方間隔を取ってくれるわけではないので、過剰な期待をするのは禁物なんですが。
点けていることでメリットがある可能性はあっても、デメリットは無いに等しいので、それなら点けておいたほうがいいよね?という話なのかと。
赤は危険を意味する色でもあるので、無意識に距離を取ろうとするのかもしれませんが、これは車のドライバー次第かと。
2、大型車を先に行かす
大型車が自転車を追い越そうとするときに危険な目に遭う可能性が高いので、それならじゃんじゃん先に行かせてしまうのもアリ。
必ず先に行かせるわけではないですが、どう考えても車とロードバイクでは走行性能が違いすぎるので、先に行かせてしまったほうが安全。
なので赤信号の時に、無駄にすり抜けて前に出ないことも大切。
3、走るコースを考える
交通量とか道路幅とか考えて、走りやすいコースを選ぶことも大切。
4、夜間なら、反射テープなども有効
シューズやペダルなどに、反射テープを付けておくのも有効です。
いろいろ手段はあります。
正直なところ、スペインと同じような法律が日本でも出来るとは全く思いません。
できれば車はサイクリストを追い越さず、サイクリストを先行させることが望ましいこと
【できれば】がついているので、それを必ず守らなくてもいいと考える人もいるでしょうし。
日本の道路交通法もこういう方向性になる・・・とは正直思いませんが、もしそういう法改正があったとしても事故をゼロにすることは出来ないわけで。
なので自己責任で安全対策することには変わりないのかなと考えます。
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