先日書いたグラベルロードの記事。
いろんな意見を頂きました。


グラベルロードにも乗っていますが、100kmくらいなら普通に走れますし、速度にこだわらなければ快適そのものです。山道走っていて、いきなり土や砂利の道になってもそのままいけますし、むしろそういう道があると嬉しくなれます。
何を選ぶか、何で後悔するかではなく、手に入れたものでどう楽しむか?が重要だと思います。
楽しめない人は何買っても後悔するだけです。

私の場合は明確な目的があってグラベルロードを買ったわけではなく、あまりの安さに惹かれて買ったのですが、買ってからバイクに合わせた楽しみ方を自分で見つけていってる感じです。
具体的には軽いオフロードツーリングや、バイクパッキングをしてのデイキャンプなどですが、私の場合はいつもひとりで走るし、そういうのが好きだったので上手くハマったのだと思います。
しかし、こういうことに全く興味のない人や、バリバリ登りたいとか平地をかっ飛ばしたいとか思っている人が1台目にグラベルロードを買うとやっぱり後悔するのだと思います。
また、グループライドなどでは、自分だけなんでこんなに重くて遅いんだ…などと感じることもあるかもしれません。
要するに管理人様がおっしゃる通り『自分がやりたいことを明確に』せずに買うと後で後悔することが多いんでしょうね。

買ってからそれに合わせて楽しみを見つけるというのも一つの方法。
後悔するという残念な考え方
これ、だいぶ前にも書いた気がする。
一台目にエアロロードを買った人がいまして、当初はバリバリのロードらしさ(?)というか、スピードを上げて走ることをしたかったそうなんですよ。
けど買って乗っているうちに、自分が本当にやりたいのはむしろキャンプツーリング的な方向だなと気が付いたらしく、エアロロードを売却して買い替えたという話。
頭の中で思い描いていた理想が、スピードを上げてバリバリ走る方向性だった。
実際に買ってみて、思い描いていた通りに実現しているうちに、本当にやりたい方向性を見つけた・・・みたいな話ですね。
こういう人って、絶対に一台目について【後悔】というワードは使わないもんです。
エアロロードはエアロロードとして経験して、経験したからその先が生まれたみたいな話だからです。
つまり、お金で経験を買ったと考えるんだと思います。
経験しないと分からないことはあるので、それを後悔とは呼ばない。
時々ネット上で、【後悔しないロードバイク選び】みたいなのって見かけます。
ロクに調べもせずに、スピードにこだわりたいのにグラベルロードを買ったとかならいかがなものかと思いますが、後悔と捉えるか、経験と捉えるかで全くニュアンスが変わる。
単にそれだけの話だと思うんですよ。
とりあえず105理論
昔から言われることですが、
後悔しないためには105以上の完成車にしておいたほうがいいよ
クラリスとかソラ完成車を買った後、ドップリ嵌って105に変えたいと思う人はそこそこいる。
そうなったときに、最初から105完成車を買っておいたほうがお金面でいうなら確実に安いです。
お金面だけで見るなら。
ただこういう人って、意外と【後悔】というワードは使わないケースも多いような。
クラリスとかソラを経験したから、つまりはお金で経験を買ったとも言えますし。
あと、自分でコンポ組み換えを経験して、その経験値を買ったという見方も出来るし。
経験と捉えるか、後悔と捉えるかは人それぞれですが、要はその人の捉え方次第でプラスにもなるしマイナスにもなるということ。
わかりづらいグラベルロード
もう一つ、グラベルロードが分かりづらいという点もあります。
グラベルロードだけでもグラベルレース用とツーリング仕様に分かれていてそれがさらに混乱を生んでいるのも大きいと思います。一昔前のシクロクロス競技用とツーリング用シクロクロスのように・・・ 同じ名前でやることがかなり違うので。それとモダンロードというのもコンテンドARのようなオールラウンドロードと何が違うのかよくわからない・・・アドベンチャーロードというのもあるのですがツーリングバイクやランドナーと何が違うのかよくわからなくなったりします・・・
一口でグラベルロードと言っても、その中ではさらに細分化されていたり、なんだかよくわからない面も正直あります。
例えば先ほども挙げたサーベロのカレドニアは【モダンロード】という独自のカテゴリだとしています。
より太いタイヤをR5に履かせたいですし、Asperoをより高速仕様にしてこのルートにマッチさせようとしたとき、新しいバイクデザインコンセプトが生まれました。
cervélo | サーヴェロジャパン オフィシャルサイト | 東商会Cervelo商品の最新情報、バイクの試乗会情報など様々な情報をご紹介
R5=オールラウンドのロードバイク、Asperoはグラベルロードなので、オールランドとグラベルロードの中間・・・という存在。
エンデュランスバイクだと砂利道は難しいけど、太いタイヤも可能にしてグラベル性を持たせ、それでいながらも舗装路ではグラベルロードより速く・・・というのがコンセプトなんですが、それなりに知識がある人はまあいいとして。

確かに難しいポイントですよねw
そのほか、アドベンチャーロードとして販売しているメーカーもありますが、グラベルロードと何が違うのか?と聞かれるとこれまた難しい。
ジェイミスのHPではこのように説明されています。
グラベルロードとの違い
グラベルロードの基本設計は、ロードに近い為、若干重心は高くなるものが多い。アドベンチャーロードにはキャリアやフェンダーを取り付ける為のダボを装備しているが、多くのグラベルロードには無いものが多く、ツーリングの為の荷物を車体に積みきれない事がある。
Adventure Bikes - アドベンチャーバイク / Jamis Bicycles - ジェイミスジャパン - Mountain Bikes, Road Bikes, Street Bikes1979年創業 アメリカの総合スポーツバイクブランドJamisジェイミス公式ウェブサイト The Power of Design.
いわゆるグラベルロードでもキャリアやフェンダーのダボ穴があるものはあるわけで、なおさら難しい。
ビアンキなんかはオールロードというカテゴリにしてますが、何が違うの?と聞かれると何とも言い難い。
これについては各社統一見解があるとも思えず、新しいもの特有の【言ったモン勝ち】みたいな雰囲気すら感じますが・・・
ジャイアントのコンテンドARについてはこのように説明されています。
「コンテンド」をベースとし、高めのスタックハイトと38mm幅タイヤまで装着可能なフレームが特徴の「コンテンドAR」シリーズ。
前後12mmスルーアクスル+フラットマウントの最新規格に、D-Fuseピラーと32mm幅タイヤ、フェンダー装着などの汎用性が、
アドベンチャーサイクリングの世界を切り開く新コンセプトのオールロード。
2020 GIANT Bicycles | CONTEND AR 1 (New 2021)RIDE LIFE. RIDE GIANT. わたしたちGIANTは、魅力的で幅広い製品ラインナップを通じて、世界中の人々を自転車というすばらしい冒険へと駆り立ててまいります。
ジャイアントの場合、グラベルロードにはREVOLTがある。
コンテンドARの場合は、パフォーマンスロードに位置付けているわけですが、意味合いとしてはエンデュランスバイクがさらに太いタイヤを履けるようになったみたいな感じでしょうか。
そうするとジャイアントのコンテンドARシリーズと、サーベロのモダンロード【カレドニア】は似たような方向性とも言えるのですが、それなりに違いも大きい。
コンテンドAR系 | カレドニア | |
リアセンター長 | 422㎜ | 415㎜ |
ヘッドチューブ長 | 比較では長め | 比較では短め |
ホイールベース | 比較では長め | 比較では短め |
最大タイヤ幅 | 38㎜まで | 34㎜(フェンダー装着では31㎜まで) |
値段の差は置いといて、ジオメトリで見るとカレドニアのほうがよりロードバイクに近い方向とも取れます。
サーベロのカレドニアは【グラベルも走れるロードバイク】で、サーベロのAsperoは【舗装路も走れるグラベルロード】なのかと。
FELTは、BROAMシリーズを【グラベルアドベンチャー】と呼び、BREEDシリーズをグラベルレーサーと呼んでます。
ジオメトリにも大きな違いがあります。
BROOM系 | BREED系 | |
リアセンター長 | 450㎜ | 420㎜ |
ヘッドチューブ長 | 比較では長め | 比較では短め |
ホイールベース | 比較では長め | 比較では短め |
最大タイヤ幅 | ?(完成車では40c) | 45mm(完成車では38c) |
フェンダーマウント | 〇 | 〇 |
ラックマウント | 〇 | 〇 |
BROAMのほうがよりアップライトに乗れるのと、リアセンターをかなり長くしているので安定性重視だろうなということは読み取れますが、ジオメトリが読めない素人さんにとっては難解なのかもしれません。
イメージ的にはBREEDはグラベルレーシング、BROAMはグラベルツーリングなのかなと思いますが、BREEDでもツーリング用途に出来ますし。
同じメーカー内でも細分化され、それが他社との比較で言うとなおさら意味不明なのかもしれません。
これについては、もうちょっと各社のジオメトリを比較しながら書こうと思いますが、グラベルロードについてはロードバイクほど成熟したジャンルでもないので、今はどこのメーカーも独自の発想でジオメトリを考案している段階に思えます。
まあ読者様がおっしゃるように、【グラベルロード欲しい!】という考えだけで検討しだすと、落とし穴はありますね・・・
グラベルロードで何をしたいのか?どういうところを走りたいのか?というところで考えないと、ミスマッチは起こるかもしれません。
けどあえて言うなら、試乗して納得して買えばミスマッチの可能性は大きく減らせそうな気がします。
まあ、ホイールを変えたりタイヤ幅を変えることで多少の変化を付けることは可能。
グラベルロードを買ったけど舗装路での走りがマッタリしすぎると思うなら、それこそタイヤをやや細めにして軽量化するだけでも結構変わりますし。
こういうカスタマイズする方向性で楽しみを感じる人もいるかもしれないですし、楽しもうと思えばいくらでも楽しめそうなポイントはあります。
けど、舗装路で最速をイメージしていたにもかかわらず、グラベルロードを買ったらそりゃミスマッチになるのは当たり前。
このレベルまで来るとさすがに調査不足と言えるかもしれませんが、【10万円オススメロードバイク】などと称していきなりグラベルロードを勧めている事例もあったりするので、そういうのに惑わされた人は気の毒。
今の時代で言うなら、舗装路系のレーシング、エンデュランス、エアロなどは分けて紹介すべきものですし、グラベル系でも舗装路寄りのグラベルとか、砂利道メインのグラベルとか、ツーリング向きグラベルとか、レース向きグラベルとか分けて考えないとどこかでミスマッチが起こるかも。
紹介する人にも責任があると思うんですけどね。。。
プラス思考
そもそもの話でいうと、試乗してから買えば後悔なんてワードは出てこないと思うのですが、コロナ禍で試乗会も少ないししょうがない面はあるとして。
たぶん【グラベルロード 後悔】の人って、読者様が言うように、

買ってから気が付く楽しみ方もありますしね。
知人で手組ホイールを組むことに情熱を燃やしていた人がいましたが、それも一つのロードバイクの楽しみ方ですし。
後悔と捉えるか、経験と捉えるかってその後にも大きく影響すると思うんですよ。
金銭的なプラスマイナスでしか考えられない人もいるのかもしれませんが。
昨年まで2年ほど行政訴訟を経験したわけですが、一般的に弁護士を立てずに訴訟を提起した場合、勝率は大きく下がると言われます。
原告・被告双方に弁護士が付いている場合、原告勝訴率は約67%、原告が弁護士を立てずに本人訴訟の場合は32%程度とされていますし。
ちなみに行政訴訟の場合、原告勝訴は10%以下とされます。
なのでプロに任せたほうが統計上の勝率は上がるわけですが、私自身は弁護士を立てずに勝てる自信があったのと、負けても後悔しないと思えるほどの根拠があったので、あえて弁護士は立てていません。
弁護士相談に行ったのも口頭弁論の後ですし。
根拠が無い自信なら問題外として、ちゃんと根拠があって全力を尽くしたなら、勝っても負けても後悔はしないですね。
行政顧問の大物弁護士だから、常に正しい主張をするわけでもない。
まあこんな経験して何か得たものがあったのか?というと、法律に詳しくなったのと、偽弁護士・エア弁護士を見抜くのがうまくなったくらいですかねw
後悔しそうな要素があるなら、調べる、試乗するのは鉄則かも。
後悔と捉えるよりも経験と捉えたほうが人生ハッピーになると思うのは私だけ??

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
グラベルロードについて自分なりの考えをまとめてみました。実際は上手くまとめ切れずに長文になってます。申し訳ありません。
グラベルロードを初心者や若者に説明するのって難しいでしょうね。正しく伝わらないと誤解されたり勘違いされたりする事があります。
自分は軽量カーボンロードからグラベルロードに乗り変えました。だからと言ってこれでダートを走る分けではありません。自分の場合、スポーツサイクルの出発点はMTBなので、今でも非舗装路を走るときはMTBと決めています。じゃあグラベルロードで何をしたいのか・・? 単に今まで以上にヒルクライムを楽しみたいだけです。だけど初心者にこう告げるとそこそこな確率で勘違いを招き誤解を与えます。この自転車はヒルクライムが楽しいと言うと自分がイメージした通りに相手に伝わるとは限らないという事です。
それは人それぞれヒルクライムが違うからです。特に自分のようなジジイと血気盛んな若者とではヒルクライムのスタイルも志向性も全く異なります。
自分の場合は昔は速さに重点を置いていましたが、今では速さは求めてません。単純に楽しみたいだけです。ご存知のように楽しいと速いはイコールではありません。この2つはなんら関係ありません。ところが若者や初心者は意外とここが分かっていない人が多いです。
前に自分はロード仲間の若者にこう言われた事があります。オヤジのオススメの自転車は全然走らんやないかい。オレは楽しいとは言ったが速いとは一言も言ってねぇぞって話なんですが、きちんと相手に伝わらないとこんな結果ですよ(笑)
グラベルロードでの登りは軽量モデルのような軽快なペダリングフィールなんてありません。キビキビ感を期待するとただのシンドイ自転車です。ダンシングも得意だったりしますが、それは超低速でもふらつかずに車体が安定しているという意味です。タイムの短縮を狙うようなダンシングではもっさり感しか味わえません。とにかく先を急ごうとしても拒絶されますw コイツはウサギではなくカメだという割り切りが必要ですw そこをちゃんと割り切って走れば最高の相棒になりますよ。
硬いフレームの軽量バイクのように脚があるうちはシャキシャキと登れるけど、脚が売り切れると冷たく突き放すような事はないです。最後まで脚に優しく長い時間登りを楽しめます。だから軽量モデルと違って標高に応じて変化していく風景を楽しむ事が出来ます。カメラが趣味の人なら軽量バイクよりもグラベルロードのほうが断然向いていると思いますよ。
あと自分は車通りの多い道は嫌いなので、基本的に車があまり通らない道を選んでライドしてます。ただ車がほとんど通らない山道って大概路面状況が悪かったりします。舗装のひび割れや剝がれ、枯葉や砂利などの堆積など不安要素がいっぱいです。自分も23Cのタイヤを履いた頃は気を使わされましたが、今ではそんな道が楽しいです。軽いギア比と太いタイヤは20%超えのコンクリ舗装の激坂でもチャレンジしたくなります。軽量モデルのような不安感がありません。
先を急ごうとしなければ、路面状況も脚力も心配せずに長い時間登りを楽しめるのが特徴です。だからStravaでタイム>獲得標高の人は完全に不向きだけど、タイム<獲得標高の人には良きパートナーとなりそうですね。
こういうグラベルロードのキャラをちゃんと理解してないと思ってたのと違う感が出て来ると思いますよ。だからグラベルロード 後悔というキーワードも有り得る事です。言葉足らずの説明や逆にまわりくどい説明だと自分のイメージと全く違う形で受け取られる可能性もあります。結局誤解を招く結果になってしまうのだと思います。
コメントありがとうございます。
知り合いが最近グラベルロードを買ったのですが、買った目的はなかなか特殊でして、ヒルクライムでのダンシングがよかったからだそうです。
レースにもバリバリ出ている人ですが、苦手なダンシングについてグラベルロードだとリズムが合っていたとのこと・・・
結局のところ何を求めて買うかは人それぞれですが、この方は試乗して決めたそうです。
それぞれの自転車には目的がありますし、合う・合わないというフィーリングはまた別にあります。
買って後悔するという感覚を持つなら、せめて似たような自転車に試乗してから決めればいいと思うんですよね。
ロクに調べもせずに買ってみて、違うなと後悔するのはそもそもリサーチ不足に感じます。