読者様から、キシリウムプロエグザリットSL⇒コスミックプロカーボンSL USTに乗り換えたというメールを頂きました。
せっかくなのでフルでご紹介します。
Contents
ローハイト⇒セミディープへ
元々装着していたホイールは【MAVIC】キシリウムプロエグザリットSL(以降、キシリウム)、
現在装着しているのが【MAVIC】コスミックプロカーボンSL UST(以降、コスミック)です。
装着していたタイヤは、キシリウムについては交換直前のもので「GRAND PRIX 4-SEASON 23C」+「ビットリアラテックス」
(タイヤはいくつか変遷していますが、購入直後の付属タイヤを除きすべて23Cを使用してきました)
コスミックは付属の「イクシオンプロUST(2ではない)25C」です。

スペックをまとめておきます。
キシリウムプロエグザリットSL | コスミックプロカーボンSL UST | |
重量 | 1355g | 1490g |
リムハイト | F24mm/R26mm | 40mm |
リム内幅 | C15 | 19mm |
リム素材 | アルミ | カーボン |
スポーク素材 | Fアルミ、Rフリー側アルミ、R反フリー側カーボン(トラコンプ) | スチール |
スポークパターン | Fラジアル、R反フリー側ラジアル、フリー側2クロス | Fラジアル、Rイソパルス |
ラチェット | FTS-L(二つ爪) | インスタントドライブ360 |
一応ですが、キシリウムのフロントリムは400g、コスミックのリムは450gとされています。
キシリウムとコスミックの差
ケイデンス
普段から気持ちよく回せる回転数を意識してギアチェンジをしており、我ながらどうかとは思うのですが、
元々のキシリウムでの平均ケイデンスは70前後でした。やや重めのギアで踏む込む方が気持ちよいと感じていました。
ところが、コスミックではこれが平均して80前後と上昇しました。
何が違う、というのは難しいのですが、空力効果?もあり減速しにくいからなのでしょうか、やや軽めのギアでくるくる回す方が
楽だし、心地よいと感じています。
平均速度
実力が急にとんでもなく上がるということはないと考えています。にもかかわらず同じようなコースを走っていても
キシリウムからコスミックに履き替えたことで低めに見積もって1.5キロ、平坦が多いなど、元々コスミックの性能が発揮されやすい
と思っていたコースでは2~3キロ向上しています。
エアロ効果?かどうかは分かりませんが、元々のライド平均速度(信号待ち等除く)は24~26キロ程度で回ることが多かったのですが、
コスミックを装着している現在、26キロ後半~29キロ程度で回れるようになりました。
勝手な思い込みかもしれませんが、コスミックシリーズは上級者向けのホイールだと思っていましたので、
「私くらいの実力では軽量ホイールの方が効果的」と思っていた分、十分なブースト?効果があったことには驚きでした。
疲れにくさ
実は前者2点よりも、この点がキシリウムからコスミックにして良かったと思っている一番のポイントなのですが、
交換後の一回転目から脚に優しく感じ、ロングライド(特に160~200キロ以上)の後の、脚に残っている疲労感が全然違います。
もちろん、走った距離なりの疲れはありますが、以前のキシリウムではロングライドの終盤になれば回るには回せるのですが、
「ちょっと最後に一頑張り」なんて余裕はなくなっていました。
それがコスミックでは「最後の一頑張り」もできる余裕がありますし、翌日60~70キロくらいのライドなら「出かけようかな」
というくらいの余裕がありますし、実際にしたこともあります。
ここからは専門知識が怪しい素人の推測です。
減速しにくい等、色々理由は考えられるのですが、スポークの違いが一番大きいのではないかと考えています。
リム自体はカーボンの方がアルミに比べて剛性が高いはずですよね?であるならば、本来コスミックの方が疲れやすいはずです。
でも実際はコスミックの方がキシリウムに比べて遙かに脚に優しいと感じる・・・
コスミックはエアロ形状のスチールスポークらしいのですが、キシリウムの方のスポークは、前輪はアルミ製のジクラル、
後輪は同じくアルミ製のジクラルとカーボン製のトラコンプの組み合わせです。
それを常用していた際には「こんなものか」と思っていただけで、剛性の高すぎるスポークで相当に脚を削られていたのでは?と。
主観でしかないのですが、交換後の最初の一漕ぎ、本当にホイールを一回転させるだけで感じた「脚に優しい」という感覚が、
減速しにくい等ではなく、スポークの差が主たる要因ではないかと考えている一番の根拠です。

リムの剛性ですが、リムハイトが高いほうが一般的には剛性が上がります。
蛇足ですが、「アルミスポークは意味が無い」という主張をする方(会社?)がいらっしゃるような記事を見たような気がします。
「ありえない」と思います。

向かい風、横風に対して
この項目が、キシリウムからコスミックへ履き替えるに際し一番の懸念事項でした。
24~26mmとされるリムハイトのホイールから40mmハイトのホイールになるので風の影響を受けやすく不安定になるのでは?と。
まず向かい風ですが、キシリウムでは20キロを切る速度にまで落とされるような風の中でも、なんとか25キロ程度を維持できる
ようになりました。何度か同じ区間で風の強い日に走ったコースでの体感(目視し記憶しているサイコン速度)です。
これに関してはエアロ効果なんだろうと素直に受け止めています。
何よりも恐れていた横風ですが、拍子抜けするくらい、危険な目に遭うことはほとんどありませんでした。
「ほとんど」というのも、さすがに「しまなみ街道」の高所の架橋区間、風の強い日にはハンドルを取られそうでしたが。
これが40mmのリムハイトなら「そんなもの」なのか、うまく風をいなすような形状にしてあるのかまでは分かりません。

60㎜以上になると話は変わると思いますが・・・
リム幅、タイヤ幅について
これについては、もちろん純粋なホイール比較の話ではなく、おまけ要素です。
これまで23Cタイヤを「軽量だから」という理由で選択してきましたが、19mmリムに25Cタイヤを装着したコスミックを使いだし、
「リム幅は広めがいいし、タイヤも25C程度の方が良い」と感じるようになりました。
路面状況がどうとかなどは、あまり気にしないのですが、カーブでのグリップ(踏ん張り)が良くなったと感じています。
15mmリムに23Cタイヤを使っていたキシリウムの時は、カーブで神経を使っていましたので。
もっとも、チューブレスなので、という要素もあるのでしょう。
ですが今後にキシリウムを使う際は、せめてタイヤだけでも25Cにしようと思います。

どちらにせよ、実際にどう変わるかは使って確かめるしかありません。
管理人より
個人的に一番面白いなと思ったのは、スポークの差というところでして、キシリウムはアルミスポーク(リアは反フリーのみカーボンスポーク)、コスミックはスチールスポーク。
一般的にアルミスポークは剛性が高いとされますが、それと同時にリムハイトが高いとスポーク長は短くなるため、剛性は高まります。
私もずいぶん昔にキシリウムSLS(アルミスポーク)の試乗をしたことがありますが、ちょっと硬いかなと思う点があったためにやめたことがあります。
恐らくこの方が感じている要素はいろんなものの複合だと思うのですが、
・タイヤの差(クリンチャーとチューブレスの差)
・タイヤ幅の差
・スポークの差
・リムハイトによる空力の差
・リム重量の差
こういう要素の複合で、トータルで感じ方が変わっているのかなと。
最近のカーボンディープ系は横風に強い形状が多いので、そこまで神経質になるほどでもないです。
もちろん、60㎜とかになるとまた話は変わる可能性があります。
ということで、読者様から頂いた原文そのまんまですが、一応インプレということで。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
私も管理人様と同様な経験があります。
24㎜ハイトのアルミ/カーボンコンポジットホイールからRovalCL50に変更したところ、いきなり巡航速度が3キロあがりました。タイヤも23から25に変更しましたので、最初はサイコンの設定(タイヤ周囲長)が不正確なためか?と思ったほどです。
(サイコンの周囲長設定は「自動」になっていまして、実測でも正しいことが確認しました。)
また、横風に対しても予想外に強く、ほとんど気にする必要なく走れています。(あくまで“ほとんど”です。)
定量的事実は巡航速度があがったという1点のみですが、似たようなインプレでしたので思わずコメントしてしまいました。
コメントありがとうございます。
記事の件は私の体験記ではありませんが、私もROVALを試したときには平坦での圧倒的な速さにビックリしたのを覚えています。
今はワイドリム&ワイドタイヤの時代ですね。