プーリーだけデュラエースは効果があるのか?

ロードバイクのパーツ交換で、「プーリーだけデュラエースにする」という技があります。
理屈の上でいうならば、デュラエースのプーリーはシマノのプーリーの中で最も回転性がいいということですが、これは本当に実感できる効果なのか、検証していきます。

シマノのプーリーにはグレードがある

リアディレーラーについているプーリーにも、デュラグレードなどのグレードがあります。

プーリーにはガイドプーリー(上)とテンションプーリー(下)があり、デュラエースグレードではガイドプーリーもテンションプーリーもシールドベアリングですが、105グレードではベアリングなし(厳密にはブッシュベアリングというもの)になります。

105以下のプーリーは、分解すると非常に簡単な構造をしています。
樹脂製のプーリーを、金属製のカップのようなもので挟み込んでいるだけで、金属製のカップを外すとベアリングがありません。

これも本来はベアリングの一種で、ブッシュベアリングと呼ばれる構造をしていますが、一般的にいうベアリングとは違う構造のため「105以下のプーリーはベアリングなし」と呼ばれます。

一方、デュラエースなどのプーリーは、中を開けると小さいボールベアリングが並んでいます。
こちらはシールドベアリング構造をしているため、本来は開けてメンテナンスするのはあまりよくありません。
メンテフリー構造にしてあります。

こちらはシマノのプーリーではありませんが、シールドベアリングのプーリーです。

プーリーだけデュラエースにするのは、効果があるのか?

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デュラグレードのプーリーはメンテナンスフリーなのと、105グレードよりも回転性能は上です。

で、昔はデュラエースのプーリーをアルテグラや105、その下のグレードに突っ込むグレードアップがあったのですが、現行のR9100デュラエース世代(R8000、R7000、4700など)では、互換性がなくなっています。
プーリー自体の大きさが変わっているので、原則としてはリアディレーラーのグレードのプーリーだけしか使えません。
しかもリアディレーラーがSSなのかGSなのかでもプーリーが違います。

品番をこちらに挙げておきます。

グレード ケージ 品番 他グレードとの互換性(シマノ発表
デュラ(R9100) なし Y5ZR98010
アルテ(R8000) GS Y3E998010
SS
105(R7000) GS Y3F398010
SS
デュラ(9000) なし Y5XX98090
アルテ(6800) GS Y5YC98140
SS
105(5800) GS Y5YE98090
SS Y5XE98030
ティアグラ(4700) GS Y5RF98070
SS
ソラ(R3000) GS Y5FT98030 RD-3500(ソラ)
SS
クラリス(R2000) GS Y5TT98020 RD-R3000(ソラ)
SS

シマノ的には、デュラエースのプーリーはデュラにしか使えないことになってます。
これは実際のところ、微妙にアルテグラとも寸法が違うとか、5800系のようにSSとGSでプーリーの大きさが違う場合もあるので、ちょっとややこしいところです。

実際のところ、同じ世代間(R9100、R8000、R7000)であれば、実用上は使えることが多いですが、このあたりは自己責任で。
ちょっとややこしいのは5800系で、SSとGSでプーリーの大きさと歯の形状が違います。

最低限、
・違う世代のプーリーは突っ込まないほうがよい
・SSとGSで品番が違うものの場合は、要注意

R8000アルテのRDにR9100プーリーを入れている人もいますし、9000デュラのプーリーを6800アルテに入れている人もいるので、ここはさほど問題ないかと。

で、プーリーだけデュラエースにするとどれだけ変わるのかですが、正直な話でいえば実走ではほんのわずかな差でしかないため、正直な話体感しにくいグレードアップです。
これについては、気持ちの問題程度の差しか出ないように感じます。
でも、理論上は回転抵抗が減るわけです。
なので少しでも速くなりたいのであれば、ロードバイクにかかる様々な抵抗を軽減していくことが大切なので、デュラエースのプーリー単体に大きな効果を求めるのではなく、いろんなところの回転抵抗を減らしていき、トータルで回転抵抗を減らして速くなるという努力は大切です。

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【リアディレーラーのプーリーだけデュラエース】というわずかなグレードアップは地味に人気があるというか、低価格で完了するデュラエース化です。 ...

回転性能だけでいえば、シマノ社外製品になりますが、KCNCのセラミックベアリングプーリーのほうが上です。
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ロードバイクでは、様々な抵抗がかかります。
最も大きな抵抗は、言うまでもなく空気抵抗です。
走っている時に乗り手にかかる抵抗が最も大きい。

駆動系でいえば、チェーンの抵抗、BBの回転抵抗、リアホイールのハブの回転抵抗、プーリーの回転抵抗などがかかります。
なので少しでも速くなりたいなら、回転抵抗を抑えるグレードアップがオススメです。

回転性能だけでいえばセラミックベアリングのほうがよいのですが、実はこれにすると変速性能が落ちます。
元々シマノのプーリーは、わざと左右にガタがある仕様だったのですが、デュラエースが11速化したあたりからガタがないプーリーに変更されています。

このガタが、変速時に滑らかな変速を生む要因だったのですが、これはシマノの特許なので、他社はマネできません。
今はガタがないプーリーにしているシマノですが、かなり綿密に設計しているため、他社プーリーを入れると変速性能はやはり落ちます。
そのため、KCNCなどのシマノ以外のプーリーでは、回転性能は上がるものの、変速性能は落ちる結果となります。

あと、シマノ以外のプーリーは、アルミ製が多い気がします。
シマノのプーリーは、頑なに樹脂製のままです。
アルミ製にすれば軽くなったりするのですが、アルミプーリーの問題点としては削れていくのが早いということです。
シマノが樹脂製プーリーを採用する理由は、ここにあると思います。

デュラエースプーリー or セラミックプーリー?

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どっちがいいかですが、人それぞれ考え方が違うのでどちらがオススメとは言いづらいのが現状です。
耐久性はシマノの圧勝ですが、おしゃれ感や回転性能はセラミックべアリング。
変速性能はシマノのほうがよく、シマノ以外にすると若干ですが変速性能が落ちます。

私も他社製のマニアックなビッグプーリーを使ってますが、

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GEAROOPという台湾のメーカーに、4.7mm Variation Pulleyという特殊なプーリーがあるのをご存知でしょうか? そもそ...

凄く変速性能が落ちるというよりは、ちょっとだけ変速時のショック音が大きくなる程度の違いですが。
ビッグプーリーでもそうですし、シマノが互換性なしと発表しているプーリーを使うときの注意点としては、そのプーリーを入れたときに、チェーンがプーリーケージからはみ出るようなことになってないことの確認です。
チェーンがケージから少し出ているようだと、何かのきっかけでチェーンがプーリーから落ちて、プーリーケージと干渉してしまい、下手するとRDごともげてしまうので。

プーリーだけデュラエースにしても速くなるというほどの話ではないですが、変速が滑らかになるという人もいます。
とりあえず、今使っているリアディレーラーと同じ世代のデュラプーリーなら、何とか使えることが多いです。