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危険運転or過失運転。

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大分の194キロ直進車事故について、大分地検は当初の「過失運転致死」から「危険運転致死」に訴因変更したと報道がありました。

危険運転致死

報道によると、危険運転致死の2号(制御困難高速度運転)と4号(妨害運転)に訴因変更し、予備的訴因として過失運転致死にしたとか。

(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 

高速度制御不能→妨害運転へ。
大分の時速194キロ事故。 高速度制御不能危険運転での起訴を断念した大分地検に批判が集まっていましたが、高速度制御不能危険運転致死が「コースの逸脱」と解釈されている以上、やはり厳しい。 署名活動の結果、再捜査を開始したと報道がありましたが、...

 

制御困難高速度危険運転致死の場合、あくまでも「コースの逸脱」と解釈されているのでなかなか難しい。
妨害運転…おそらくは大阪高裁判決のこれ。

本件罪の通行妨害目的には,人又は車の自由かつ安全な通行を妨げることを積極的に意図する場合のほか,危険回避のためやむを得ないような状況等もないのに,人又は車の自由かつ安全な通行を妨げる可能性があることを認識しながら,あえて危険接近行為を行う場合も含むと解するのが相当である。

 

大阪高裁 平成28年12月13日

時速194キロで通行すること自体に「人又は車の自由かつ安全な通行を妨げる可能性があることを認識」と見なすのですかね。

 

ところで比較的最近の事件ですが、こちらの事故はそれなりに報道されていたのでご存じの方も多いかと。

一審(金沢地裁 令和3年12月7日)は「妨害運転」の危険運転致死罪が成立するとして懲役6年の実刑判決。
しかし二審(名古屋高裁金沢支部 令和4年10月11日)は原判決を破棄し、危険運転致死の成立は認めず、過失運転致死で執行猶予付き判決。

 

二審判決文が見当たらないので詳しい理由はわかりませんが、一審判決文によるとドラレコが証拠採用され、上で書いた大阪高裁判決が引用されてます。
二審の報道によると、

11日の2審の判決で名古屋高等裁判所金沢支部の森浩史裁判長は「被告は被害者の車とは別の前方の車両との車間が詰まったために車線変更したにすぎないとみられ、直前に被害者の車と約1分間にわたって併走を続けたという検察側の指摘についても高速道路を走行する際にはしばしば起こりうることだ。何ら不自然な運転状況とはいえず、1審判決には明らかな事実誤認がある」と指摘して、1審の判決を破棄しました。

 

エラー - NHK

動画ニュースはこちら

 

一審判決文での認定を見る限り、二審で覆したのは不可解な気もしますが。
一審の事実認定によると、第二通行帯の被告人車と第一通行帯の被害車が並走状態になり、被告人車が第一通行帯に車線変更開始した際の位置関係は、被害車前端の約0.93m前方となってます。
並走状態からわずかに出た状態から車線変更したら、妨害する意思は明らかではないのか?
この位置関係で進路変更することは一般的に幅寄せと言われると思うけど…二審は何が起きたのか不思議です。

曖昧にしすぎでは?

危険運転致死罪は危険な運転行為の中から特に危険なものを類型化したとされますが、結局、立証はかなり難しいのが現実。

 

法自体を改正したほうがよいと思うけど、国にはその雰囲気が全くありません。
不思議です。





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