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信号機の効力と範囲。その横断歩道には信号がある?

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これってホント?と質問を頂いたのですが。

個人的見解として言いますと、実務上はそれでも事故にならないだろうけど、法解釈としては必ずしも正確ではないと思う。

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正直疑問

交差道路に信号機がないので、あくまでも押しボタン式信号との兼ね合いで車両用信号機があるから、という意味なんだと思います。
つまり、押しボタン式信号により「直交する横断歩道との関係性において」車道に信号があるだけで、交差点自体は「信号がない交差点」だと見なしているのかと。

 

そういう見解があることは否定しませんが、そこまで単純な話ではありません。

 

①A道路の進行方向に対して信号があると考えれば、横断歩道部分だけ信号の効力がないと解釈することに無理がある。

 

②あくまでも横断歩道はB道路を「横断」するものだと考えれば、B道路との関係性で交通整理が行われていないとみなすこともできる。

 

結局、意味がわからなくなるのです。

どちらの解釈も成り立つ以上、私なりに思う判断ポイントは「横断歩道の道路標識」です。
横断歩道の要件としては、こうなるので。

信号による規制対象の横断歩道 信号がない横断歩道
道路標識 不要
道路標示

※未舗装路や積雪では標示を省略可能だが、横断歩道の四隅に標識が必要。

 

信号がない横断歩道は、道路標識を省略できない。
なので道路標識がなければ、信号機による規制対象の横断歩道と見なすしかありません。

(公安委員会の交通規制)
第一条の二
3 法第四条第一項の規定により公安委員会が横断歩道又は自転車横断帯(以下「横断歩道等」という。)を設けるときは、道路標識及び道路標示を設置してするものとする。ただし、次の各号に掲げる場合にあつては、それぞれ当該各号に定めるところによることができる。
一 横断歩道等を設けようとする場所に信号機が設置されている場合 道路標示のみを設置すること。
二 横断歩道等を設けようとする道路の部分が舗装されていないため、又は積雪その他の理由により第一項の規定に適合する道路標示の設置又は管理が困難である場合 内閣府令で定めるところにより、道路標識のみを設置すること。

まあ、公安委員会が「標識漏れ」にしている場合もあるから確実性はないにしろ、「信号がない横断歩道」の要件は道路標識が必須。
なので標識がなければ信号がある横断歩道と見なすしかないです。
そもそも、信号がない横断歩道で標識が漏れていた場合、横断歩道自体が存在しない扱いになるので、標識漏れと捉えた場合にはもっとややこしくなります。

 

ただし異論も

たぶん私なんかよりも詳しい読者様にも聞いたのですが、読者様はこういう解釈。

お尋ねの件ですが、私も見て見ぬふりをしていたパターンの交通規制です。以前知人に聞かれたことがあったのですが、うまく答えられなかった記憶があります。
「和尚」氏が示す交差点は、埼玉県川越市のこちらの交差点ですね。

十字路で、従道路側からの車両に対しては、横断歩道標識が設置されているようです。

私の考えですが、まず、公安委員会がこの従道路を横断する横断歩道を“信号のない横断歩道”とするつもりなのであれば、管理人様ご指摘の通り、主道路からこの横断歩道へ進行する車両に対しても指示標識「横断歩道(407)」を設置する必要があると考えます。このようなイメージですかね。(金沢市「野町西」)

しかし、「横断歩道」標識を適切に設置し、いわゆる”信号のない横断歩道”の体裁を整えたところで、そのことによって、当該従道路横断歩道を横断しようとする歩行者に対し、対面する(車両用)信号機の効力が消滅するかというと、次の二点の理由から懐疑的です。

 

①法的・論理的には、“信号機が設置されており、なおかつ「横断歩道」標識も設置されている”という状況があり得ること。道交法施行令第1条の2第3項の規定は、「横断歩道等を設けようとする場所に信号機が設置されている場合 道路標示のみを設置すること」に「よることができる」とする規定です。ですので、信号がない場合と同様に標識・標示の双方を設置しても何ら問題はないはずです。当該規定を、信号設置個所における道路標示のみの設置(≒標識の設置禁止)を義務付けたものと解することはできないでしょう。

 

②当該横断歩道で横断しようとする歩行者に対して、「横断歩道」標識が当然に見やすい位置関係になるのでしょうか。従道路からの進行車両に対する標識は、横断者からすればその裏側を見ることになりますし、主道路側からの車両に対しての標識を設置したとしても、その設置方法によっては標識を真横から見たり裏面を見たりすることになります。(主道路交差点流入部に設置する場合など。川越市の現場の場合、カローラのお店側の路側帯を交差点に向かって歩いてくると・・・) そのような歩行者から見やすくない標識の存在を以って、歩行者の横断歩道の横断の可否が決まるというのはかなり苦しいお話になるでしょう。

 

「和尚」氏の言いたいことはわかります。交差点全体を見れば、この交差点において交通整理の対象としたいのは主道路車両と主道路横断者であることは明らかです。しかしそれは、交差側の交通規制の有無やその内容を含め、交差点を各方向から観察してようやく導くことができる結論です。自分に対面せず、視認できない交差側の標識や信号機が自らの通行方法を規定するのであれば、交通規制のすべての秩序が吹き飛びかねません。「和尚」氏に対する私の感想としては、「気持ちとしては痛いほど理解するけれど、交通ルールの話として、その論理構成を採っちゃおしまいよ」といった感じでしょうか。(でも、同じ状況なら私も渡るかなぁ…?)

 

結局のところ、形式的には従道路の横断歩道を横断しようとする歩行者に対して、対面する車両用信号機の効力が及んでいると解釈せざるを得ないと考えます。しかし、それは一種の交通規制の不備のようなものでもあるでしょう。ちなみに、富山県内のこの地点のように主道路が一方通行だと、いよいよ意味が分からなくなってきます。
(歩行者の進行方向によって従う信号の有無が変わってしまう。それはもはや何のために信号機に従うのか、というお話になってしまう。)

まず、当該横断歩道の件。
信号がない横断歩道の場合、標識が「2つ」必要です。

しかしGoogleマップで見るとA道路から進行すると標識がない。
これをどう解釈するのかについては正直疑問ですが、少なくとも「信号がない横断歩道の要件」を満たさないため、当該横断歩道については「信号による規制がある横断歩道」としか言えない

 

次に「横断歩道の標識」とは、そもそも歩行者に向けてないという点。
車両に向けているのは明らかなので、標識の有無(対 車両)が信号規制横断歩道なのか(対 歩行者)に影響するとも言い難い。

 

そして富山県の一方通行道路にある横断歩道については、確かに解釈に困りますよね笑。
横断歩道の標識がないので「信号がある横断歩道」とみなすしかないけど、車道が一方通行なので横断歩道の信号についても片方向にしかない。

 

結局、いろんな法律の隙間や不備の結果だとみなすしかないけど、横断歩道に標識がなければ信号がない横断歩道とはなりません。
川越市の事例は、主道路(A道路)側に標識がないため、「信号がない横断歩道」としての要件を満たさないことになる。
なので少なくともTwitterの横断歩道については、車道の信号に規制されているとみなすしかないかと。

 

なのでTwitterの方の解釈については、必ずしも正確とは言い難い。

 

ちなみにですが、交差点自体が「交通整理されてない交差点」だと解釈すると、それはそれで解釈に困ると思うのです。

 

交差点内に中央線も車両通行帯もないので「優先道路」の設定がなく、交差道路に一時停止規制。
交通整理が行われていない&見通しが悪い交差点になるので、青信号側車両は「徐行義務(42条1号)」があることになってしまう。

 

昭和46年改正前までは、明らかに広い道路なら見通しが悪くても徐行義務がないとする判例がありますが、

車両等が道路交通法42条にいう「交通整理の行なわれていない交差点で左右の見とおしのきかないもの」に進入しようとする場合において、その進行している道路が同法36条により優先道路の指定を受けているとき、またはその幅員が明らかに広いため、同条により優先通行権の認められているときには、直ちに停止することができるような速度(同法2条20号参照)にまで減速する義務があるとは解し難いが、本件のように幅員約7.6メートルのあまり広くない道路で、これと交差する道路の幅員もほぼ等しいようなときには、これと交差する道路の方に、同法43条による一時停止の標識があっても、同法42条の徐行義務は免除されないものと解すべきである。

 

昭和43年7月16日 最高裁判所第三小法廷

昭和46年改正後については、明らかに広い道路でも交通整理や優先道路でない限りは、徐行義務が免除されない。

判例違反をいうが、所論のうち、原判決が昭和42年(あ)第211号同43年7月16日第三小法廷判決・刑集22巻7号813頁に違反するという点については、右判決は昭和46年法律第98号による改正前の道路交通法36条、42条について示された解釈であつて本件の先例とはなり得ない

 

最高裁判所第二小法廷 昭和52年2月7日

なので「交通整理が行われていない交差点」だと見なすと、青信号側には徐行義務があることになり全く意味がわからなくなる。

 

その上で、以下の判例があります。

甲道路(幅員7.1m)には信号機の設置がなく、これと交差する乙道路(幅員13m)には信号機が設置されているような、甲乙道路の見通しがよくない交差点においては、信号の効力は乙道路にしか及ばないから、甲道路進行中の原告車にとっては、交通整理が行われていない交差点となるから、広路車の進行を妨げてはならない注意義務がある。

 

東京地裁 昭和45年8月31日

まあ、信号がない側から進行するなら「交通整理されてない交差点」と見なすしかない。
しかし信号がある乙道路について徐行義務があるのかはやや怪しい。
おそらく、信号がある乙道路側からだと「交通整理が行われている交差点」とみなして徐行義務がないと解釈するしかないのかな。

 

管轄署の見解

ところで、当該横断歩道が車道の信号に規制されているかどうか、管轄署に聞いてみました。

結論から言います。

・横断歩道は車道の信号に規制されている。
・青信号側(A道路)を進行する車両には徐行義務はない。

なのでTwitterの方については、警察の見解とは異なる形になります。
そもそも「信号がない横断歩道」の法定要件を満たさないため、当然と言えば当然ですが。

そもそも

時々、歩行者用信号機がない場所がありますが、その場合には歩行者は車道用信号機に従うことになる。

 

実態としての話になりますが、そういう場所って歩行者が信号機の意味を理解してなかったり、そもそも交通量が少ないため問題にならないことが多い気がします。
なのでどうでもいい話とも言えます笑。

 

ということで、一律に「信号機の規制対象外」とも言えない。

 

交差点自体が「交通整理が行われていない」と解釈すると、青信号でも見通しがよくないなら徐行義務があるとなってしまうけど、

・信号がある側→交通整理が行われている交差点とみなし徐行義務が免除される
・信号がない側→交通整理が行われていない交差点だし一時停止規制がある

このように捉えるしかないのかな?
一つの交差点だけど、進行する向き次第で変わるという…

 

実務上問題が起きてないからこうなるのだと思いますが、私なりの解釈としては標識がなければ信号規制対象の横断歩道なのは確実。
標識があれば信号規制対象ではない横断歩道になる可能性もあるけど、異論もある。

 

まあ、実務上問題が起きてないだろうしどうでもいいんですけどね笑。
仮に事故が起きた場合、信号無視扱いと無信号横断歩道では過失割合がまるで違うことになりますが、一時停止規制があるのでまだマシなんですかね。

 

なんにせよ、車両が注意して歩行者の安全を確保することになるのは間違いないですが、同様の横断歩道についていくつか調べたところ、結局は「標識の有無」により信号規制があるかないかを区別しているようでした。
警察的には「標識がある」=無信号横断歩道と見なしているような雰囲気でしたが、たぶん全国一律の扱いではないと思います。

 

なので、Twitterの方が主張するように安易に考えずに、個別に検討するしかないと思いますが、信号や規制とは誰のためにあるのかいろいろ考えてしまいます。
歩行者と車両など通行する者に分かりやすくすることが本来の目的であるべきですが、ジャパンが得意とする「問題が起きなければいいんじゃね」の典型例なのかもしれません。

 

なお、民事判例については「違反の有無」を争うわけではないため、ある程度実情を踏まえて判断されます。
なのでこの手の話を正確に解釈するに当たり、あまり参考にはならないかも。
ちょっと前にも別件で挙げましたが、道路交通法上では正しいけど「実態を踏まえて」道路交通法違反しろとする判例が出るのが民事。

 

進行方向別通行区分から左折するクルマと、車両通行帯最外側線の外側から追い抜きする二輪車が衝突した場合。
ちょっと前の話の続き。 道路交通法上、進行方向別通行区分がある場合には34条1項でいう「あらかじめできる限り左側端に寄って」を排除しているため(35条1項)、車両通行帯の中から左折する義務があります。 しかし、実態としてはこういう事態が起き...

 

正確には個別に検討するしかないですが、少なくともTwitterに挙げられた横断歩道については、車道信号の規制対象です。


コメント

  1. いなかもの より:

    何てハイレベルな記事なんだ。
    しかし興味深い記事、ありがとうございます。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      実際のところ、だれも守らないだろうから関係ないとも言えるので笑。

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