PVアクセスランキング にほんブログ村 当サイトはAmazonアソシエイト等各種アフィリエイトプログラムに参加しています。
スポンサーリンク

昭和の時代、自転車通行帯と利用率。

blog
スポンサーリンク

だいぶ古い調査になりますが、「車道左側端の自転車通行帯(自転車レーン)調査報告書」(日本自転車普及協会、1982年6月)という本がありまして。
「自転車通行帯」と書いてますが、実際には

 

・普通自転車専用通行帯
・車道外側線の外側~歩道の縁石が広い場所
・自転車道
・歩道の普通自転車通行指定部分

 

など全国の「自転車レーン」(上記をまとめて呼んでいます。以下同じ。)について、自転車の通行位置を調査したものです。
1982年なので昭和57年。
昭和45年に一部の歩道にて自転車通行が解禁され、自転車道が誕生し、昭和53年には普通自転車の定義を確立して自転車横断帯が誕生。
このタイミングで「自転車レーン」がある道路について、自転車レーン、歩道、車道を通行した自転車台数を調査した結果になります。

スポンサーリンク

実態調査

この調査、自転車の通行台数を朝7時~夜19時まで観測してまして、ずいぶんと大規模な調査なんだなと思いました。
自転車ナビライン創設前後の調査なんて、わずか数時間の調査とかだった気がしますが、通勤通学時間帯から日中、夜まで観測するのがまず驚き。

 

全国各地の調査なので、実はまだ私なりに全てを分析しきれていないのですが、調査した道路は一応画像付きなんですね。
なので、「文字による構造(標識の有無、白線or縁石)」だけでなくある程度は画像と照らし合わせて確認できるのはありがたい。

 

で。
今回、詳しい内容はイチイチ紹介する予定はなくて(笑)、あえて昭和57年当時に「自転車道」だった箇所について、現在のGoogleマップで確認してみたのです。

 

まだ全ては確認していませんが、既に現存していない自転車道も。
当時は自転車道でも、今は歩道に吸収されて自転車通行可の標識のみのケースもありました。

 

なぜなんでしょうかね?

 

もっとビックリしたのは、「自転車通行可の歩道」がある道路にて、自転車の通行位置が以下だったこと。

歩道 車道
3659台(59%) 2556台(41%)

今の時代、歩道を通行する自転車がはるかに多い気がしますが、車道通行自転車がまあまあ多い。

このうち車道の通行者が自転車歩行者道の通行者を上回って観測されたのは、全調査地点94ケ所のうち約1/3に当る32ケ所、極端な例では自転車歩行者道を利用せず車道のみを通行しているものが6ケ所もみられた。

 

「車道左側端の自転車通行帯(自転車レーン)調査報告書」(日本自転車普及協会、1982年6月)

この理由としては歩道が狭く歩行者との交錯を嫌ったのではないかという趣旨が書いてありますが、昭和45年に歩道通行を一部解禁し、歩行者との交錯で死亡事故が起きるなど問題になっていたりしましたし、何が影響しているかはわかりませんが、道路次第で差が大きかったのかもしれません。

 

ある意味では興味深いデータなんですが、例えばこんな感じ。

「車道左側端の自転車通行帯(自転車レーン)調査報告書」(日本自転車普及協会、1982年6月)

構造分離の自転車道のケースでは自転車道利用率がかなり高い。
白線分離のみの場合(8のケース)は、たぶん歩道の中の普通自転車通行指定部分なんじゃないか?と思いますが、白線を引いて「自転車道」の文字が書いてある(標識なし)とあり、現在のGoogleマップと照らし合わせてもイマイチよくわかりません。
8のケースの特記事項を挙げるなら、自転車やバイクの駐輪などが「自転車レーン」で障害になっていたとあります。

 

というよりも歩道のはずなのに原付が通行していたりするし、ちょっと意味がわかりません。
そして現在のGoogleマップでは、広い歩道があるわりには白線分離も構造分離もありません。

ある意味では

昭和の時代に何を考えていて、なぜ今の形に至ったのか歴史を紐解けば、何か見えてくるものがありそうな予感がしたのですが、まあまあ不思議なことに、昭和57年の調査時に存在した「普通自転車専用通行帯」が今は何もなくなっていたりする。
当時は「普通自転車専用通行帯」があったのが、今は片側一車線のやや広めな道路になっていたりするのが不思議。

 

なんでそうしたのか経緯がわからないと何とも言えませんが、「なぜ消滅させたのか?」という資料は公安委員会なら残っているのだろうか?

 

ちなみにこの調査。
最終的な結論としては構造分離の自転車レーン(自転車道)が望まれる的な内容になっています。
けど、当時存在した「自転車レーン(各種)」は今は存在しないというのも不思議ですね。
表示されている地図と照らし合わせた限りでは現存しない「自転車レーン」が多々あるように思いますが、昔の地図と照らし合わせて確認する作業がちょっと疲れました笑。


コメント

タイトルとURLをコピーしました