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「小児用の車」は歩行者扱い。

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先日書いた内容についていきなり「嘘つき」呼ばわりされるインターネットって凄いですよね。

近々改正予定ですが、改正後も結局は歩行者扱い。
現在の法規で示しますね。

(定義)
第二条
3 この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。
一 身体障害者用の車椅子又は歩行補助車等を通行させている者

施行令

(歩行補助車等)
第一条 道路交通法(以下「法」という。)第二条第一項第九号の歩行補助車等は、次に掲げるもの(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)とする。
一 歩行補助車、小児用の車及びショッピング・カート

誰がどう読んでも、小児用の車=歩行補助車等=歩行者(交通法2条3項1号)ですが、恐ろしいっすね。

 

そもそもこの記事、

 

歩行者に対し「ヘルメットをかぶれ」と。
個人的に不思議に思っている道路交通法。 改正道路交通法63条の11第3項。 (自転車の運転者等の遵守事項) 第六十三条の十一 3 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメット...

 

 

未就学児が乗る自転車=小児用の車=歩行者。
こちらの記事ですが、 ちょっと質問の意味がわからないのですが、未就学児(6歳より下)が乗る自転車は道路交通法上では小児用の車となり、歩行者になります。 ただし、絶対的な基準はありません。 警察庁の通達だとこんな感じです。 ○小学校入学前まで...

 

「真に受けて司法で否定されたらどう責任取る気なんだろう」などと妄言を吐くようですが、司法判断の判例をリンクで提示してあるのをスルーしてこれか笑。

 

インターネットって怖いですね。

 

ところで「小児用の車」って明確な線引きがありません。

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小児用の車

小児用の車について、警察庁が示した基準はこちら。

○小学校入学前まで(6歳未満)の者が乗車している自転車
○車体が6歳未満の者が乗車する程度の大きさ(車輪がおおむね16インチ)
○走行、制動操作が簡単で、速度が毎時4ないし8キロメートル程度以下のもの

2つの判例を挙げます。

福岡高裁 昭和49年5月29日

まずは福岡高裁 昭和49年5月29日、業務上過失傷害被告事件です。

 

一審は9歳が乗る22インチの自転車を「小児用の車」とし、歩行者だと認定。
弁護人の主張としては、小児用の車(歩行者)ではなく軽車両だから、横断歩道を横断しようとする自転車に対し被告人には徐行義務も一時停止義務もなかったと主張しています。

 

裁判所の判断。

被告人は、昭和48年(略)ごろ、普通貨物自動車を運転し、原判示の幅員約11.8mの国道を矢上方面(南方)から諫早市方面(北方)に向かい時速約50キロメートルで進行し、西方から右国道に接する幅員の明らかに狭い道路が右国道とほぼ直角に交差する、交通整理の行なわれていない三差路の北側に設置された横断歩道の約45m手前に差しかかつた。そして被害者の実兄A(当時11歳9か月で小学校6年生)が右横断歩道の左側端から約5m右方の地点を左側から右側に二輪自転車を押して横断中であり、かつ右横断歩道のすぐ左側において、屡々小学校中学年(3、4年)の児童が使用し、機械式ブレーキの作動をもち、タイヤ直径22インチの、側車(道路運送車両法施行令1条参照)のつかない二輪自転車(長さ1.5m、幅0.48m、高さ0.86m)にまたがり、佇立していた同人の弟B(当時9歳8か月。小学校4年生)を発見したのである。以上の状況にかんがみると、児童たるBがAに追従し自転車に乗つて横断歩道上を左側から右側に横断進行するおそれのあることも予見されるべきであつたのに、被告人はBにおいて自車の通過を待つてくれるものと軽信し、徐行もせず、また横断歩道の手前で一時停止することもなく、前記速度のまま進行したため、右横断歩道を自転車に乗つて横断進行中のBを約35.7m手前に接近して発見し、加速するとともにハンドルを右に切つて同人との衝突を避けようとしたが及ばず、横断歩道上において、自車左側ガソリンタンク付近を同人の自転車に衝突させて、同人を路上に転倒させ、よつて同人に対し加療約2か月間を要する頭蓋骨々折、右脛骨折の傷害を負わせた。

(中略)

ところで、原判決は被害者Bが乗つていた二輪自転車を道路交通法2条1項11号および同条3項1号にいう「小児用の車」にあたると解したのに対して、所論は、同車を「小児用の車」と目すべきではなくて、右は軽車両にあたると主張するので、原判決の判断が正しいかどうかについて考えてみよう。

 

道路交通法14条3項において、「児童(6歳以上13歳未満の者をいう。以下同じ。)……幼児(6歳未満の者をいう。以下同じ。)……」と規定し、「児童」および「幼児」について定義をしているけれども、同法2条1項11号および同条3項1号にいう「小児用の車」、またその「小児」については何らの定義を与えていないのである。

 

もつとも「小児用の車」または「小児」という用語が社会的に熟した言葉であるかというに、当審で取り調べた、自転車商Cの検察官に対する供述調書および当審証人D(長崎県警察本部交通指導課長)の供述によると、自転車メーカーは通例直径16インチ以下の自転車を「幼児用自転車」、直径16インチをこえ、24インチ以下のものを「子供用自転車」と称しているが、「小児用の車」ないし「小児用の自転車」という呼称は使用されていないことが認められ、他方、一般に「小児」という言葉も極めて多義的ないし限界が不明確であることは公知の事実である。

 

従つて、「小児用の車」または「小児」という文言自体からその内容を明らかにすることはできない。

 

そこで、飜つて、道路交通法2条1項11号が「小児用の車」を軽車両から除外し、同条3項1号が「小児用の車を通行させている者」を歩行者とした所以を考えるのに、同じく自転車の類型に入るものであつても、「小児用の車」にあたれば、これに乗つて進行している者は歩行者とされ、従つて、歩道等(同法10条1項参照)と車道の区別のある道路においては歩道等を通行しなければならず、右区別のない道路においては道路の右側端に寄つて通行しなければならない(同法10条1、2項)のに対し、「小児用の車」にあたらなければ、軽車両とされ、従つて、歩道等と車道の区別のある道路においては車道を通行しなければならず、かつ道路(右区別のある道路においては、車道)の中央から左の部分を通行しなければならないのである(同法17条1、3項、2条1項8号)。

 

ところで、道路交通法は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的としているから(同法1条)、同法2条1項11号および同条3項1号の定める「小児用の車」ないしこれにいう「小児」の意味づけは右目的に即して、すなわち当該種類の自転車自体のもつ機能効用および他に与える危険性と右自転車を使用する年令の者の安全性および他に与える危害性との双方から定められなければならない

 

側車のつかない、直径22インチの本件二輪自転車は、大人用の直径26インチの自転車に近い速度をもち、かつ惰力行進をするから、同車が人車等に衝突すると一般の歩行者が危害を受け、また当該自転車の運転者自身にもたらされる危険も大きいので、これを防止するために機械式ブレーキが設置されているし、そのような性質、機能に徴し一般の歩行者の安全と交通の円滑を図るため歩道等と車道の区別のある道路においては車道を通行させ、かつ道路(右区別のある道路においては、車道)の中央から左の部分を通行させるのを相当とするのである。

 

もつとも、右の二輪自転車が道路交通法にいう軽車両、従つて車両として扱われることになると、歩行者として扱われる場合に比し、一般歩行者が受ける危険は減少する反面、その運転者自身の受ける危険が増すことになるわけであるけれども、この種の自転車は小学校中学年(3、4年)の児童が使用し、本件でも現実に当時9歳8か月の小学校4年の児童が使用していたのであるから、同人らは、通常有する健康な体力と学校および家庭で受けた交通の危険に関する訓戒、訓練とにより、道路の状況により同車を押して歩行者として進むか、これに乗つて車道で運転するかどうかを判断する能力はあり、またこれを車道で運転する際に伴う危険発生を避けるに必要な注意をするだけの弁識能力も備えていると解されるのである。

 

以上の理由から本件二輪自転車は、道路交通法2条1項11号および同条3項1号にいう「小児用の車」にはあたらず、同法にいう「軽車両」にあたると解するのが相当である。

 

福岡高裁 昭和49年5月29日

まず福岡高裁は、道路交通法上の「小児」とはなんなのかから検討。
その上で

・自転車自体のもつ機能効用および他に与える危険性
・自転車を使用する年令の者の安全性および他に与える危害性

自転車自体の大きさや機能・危害性や、乗る子供の安全性と危害性から総合的に判断するものとしている。
22インチ自転車が持つ他害性や、9歳8か月の小学校4年の判断能力などを検討して「軽車両」だとしています。

 

なお、判決自体は結局有罪です。
横断することは予見可能なのに適宜速度を調整せず漠然と進行したので有罪

東京高裁 昭和52年11月30日

こちらは民事の判例。
まずは事故概要から。

本件交差点付近は見通しがよく路面は平坦であり、本件交差点には各方向に通ずる道路に横断歩道が設けられており、本件事故当時交通量は人車とも普通であった。加害者は加害車を運転し鶴見駅方面から市道を進行し本件交差点にさしかかった際、本件交差点を左折して県道を地下道方面へ進行しようとしたが、対面信号が赤であったため本件交差点の手前で一時停止した後、青信号に従い左折の方向指示をしつつ進行を開始し、鶴見駅方面に向かう市道に設けられた横断歩道上辺りで二人の歩行者が左方の本件横断歩道中央付近を市場町方面に向かい、これに続く歩行者はいないことを確認した後、左折を開始しその後は対向右折車の動静を注視し、左方の確認をすることなく加速しながら加害車を進行させたところ、被害者はハンドルの高さ約80センチメートル、車輪直径40センチメートルで側車の付いていない、機械式ブレーキを備えた子供用自転車を走行させ、顔をうつむき加減にし、やや安定を欠いたような乗り方で鶴見駅方面の歩道から市場町方面に向かって本件横断歩道に進入した。加害者は前示のように左方の確認を怠っていたため被害者に気付かず、本件横断歩道上の地下道寄り付近で加害車の前部左角辺りを被害者に衝突させ同人を路上に転倒させたところ、加害者は右衝突音を聞いたがそのまま約4メートル進行し路上に転倒していた被害者を加害車の左前輪で轢過し、障害物に乗り上げる衝撃で始めて事故の発生に気付き、制動をかけて右衝撃を感じた地点から約4.8メートル進行した地点で加害車を停止させた。

車が左折進行し、横断歩道を自転車に乗って横断した被害者(5歳7ヶ月)を轢過した事故。

右認定の被害者の子供用自転車は大人用の自転車に比し小型で速力も遅いとはいえ歩行者より格段に早い速度をもちかつ惰力でも相当の距離を進行するものであるから、その機能からいっても歩行者とは異なる取扱いが相当であり、殊に道路交通の上で歩行者に生ぜしめ得る危険は歩行者が惹き起す危険に比すれば格段に大きく、その運転者は歩行者と同一には論じられないといわねばならない。したがって右認定の被害者の子供用自転車は道路交通法第2条第1項第11号および同条第3項第1号所定の小児用の車には該当せず、軽車輛として取り扱われるべきものであって(運転者の被害者が当時5歳余であり、また右認定の被害者の自転車のような自転車が一般に幼児用自転車と称して販売されているとしても、これらの事実はもとよりこの判断を左右するものではない。)

 

東京高裁 昭和52年11月30日

直径40センチなので、18インチかな。
福岡高裁判決との違いは、福岡高裁判決は自転車自体の危害性のみならず、「乗る子供」の判断能力や安全性も考慮している点。
「小児用の車」を歩行者とみなす規定の保護法益を考えると、まずは「乗っている子供自体の保護」ですよね。
まだ判断能力も乏しく、社会的に保護されるべき対象をあえて「みなし歩行者」にした趣旨を考えれば、まずは乗る子供自体の保護にある。

 

それと同時に、他害性も考慮しなければならない。
いくら小児と言っても、そこそこの速度で歩行者に衝突すれば怪我や死亡に至ることはあるので、やはり歩行者扱いなのか軽車両扱いなのかを分ける必要がある。

 

東京高裁判決では乗っている子供自体の検討はなされないまま自転車のサイズのみで決めてますが、結局のところ過失相殺としてはこのようにしています。

クルマ(加害者) 自転車(被害者)
95 5

過失相殺としては子供であることを考慮してます。

 

警察庁の方針からすれば、どちらも「小児用の車」から外れた大きさと言えます。
東京地裁S53.12.14判決では、4歳11ヶ月が乗る自転車(補助輪付き)を小児用の車(歩行者)としてますね。
なお東京高裁判例については、月間交通1979年7月号にて、警察庁交通企画課の方が解説しています。

結局のところ

こちらにも示していますが、

 

未就学児が乗る自転車=小児用の車=歩行者。
こちらの記事ですが、 ちょっと質問の意味がわからないのですが、未就学児(6歳より下)が乗る自転車は道路交通法上では小児用の車となり、歩行者になります。 ただし、絶対的な基準はありません。 警察庁の通達だとこんな感じです。 ○小学校入学前まで...

 

4才11ヶ月が乗る自転車を「小児用の車」として歩行者扱いした判例があります。
「おおむね6歳まで、16インチ以下」は小児用の車として歩行者扱いだと警察庁の説明がありますが、そもそもぱっと見て子供の年齢なんて正確にはわからんし、どのみち大人が守る対象には変わりない話

 

小児用の車として歩行者扱いになるのは有名な話だと思ってましたが、

嘘つき呼ばわりされる私も悲惨ですね笑。

 

先日は「テロリスト」呼ばわりされましたし、今回は嘘つき呼ばわりされる珍事を経験しましたが、これはどちらも「フリ」ですかね?
「テロリストらしくなれ、嘘をつけ!」という。
わざわざ判例や警察庁の説明などのリンクまで付けているので、読みもしないまま嘘つき呼ばわりされたら、発狂差し上げたほうがいいのかな。

 

なお、以上の理由から歩行者扱いされる「小児用の車」が横断歩道を横断する際、38条1項の対象になりますが、

 

自転車と横断歩道の関係性。道路交通法38条の判例とケーススタディ。
この記事は過去に書いた判例など、まとめたものになります。 いろんな記事に散らかっている判例をまとめました。 横断歩道と自転車の関係をメインにします。 ○横断歩道を横断する自転車には38条による優先権はない。 ○横断歩道を横断しようとする自転...

 

歩行者扱いされる小児用の車だろうと、軽車両扱いだろうと子供は保護すべき対象ですよ。


コメント

  1. MTB より:

    小児用の車は子供用の足踏み式or蓄電池式の自動車と思いました(判例等を見る前)

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      三輪車はたぶん「遊具」扱いになり、交通の頻繁な道路では使用禁止になると思いますが、蓄電池式の自動車も遊具扱いかもしれません。
      遊具扱いで仮に事故が起きた場合、「交通の頻繁な道路」なら過失相殺されると思いますが、軽車両扱いよりも過失相殺が大きくなるかもしれないのでいろいろビミョーです。

  2. tk10 より:

    次々と見つけてきて紹介するの止めてくださいw
    期待の大型新人現る、という印象を受けました。

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      普通に生活している分には出会わないような逸材がたくさんいるんだなと、ある意味衝撃を受けています笑

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