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有罪だけど刑が免除とは?

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自動車運転処罰法5条には但し書きがあります。

(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる

刑の免除って何?と思う人もいるかもしれませんが、執行猶予の話とは別です。

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過失運転傷害

過失運転傷害罪って85%が不起訴ですが、おそらく不起訴理由のほとんどは5条但し書きです。

ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる

かすり傷程度の話でイチイチ裁判にするべきではないので、「刑を免除」することができるわけ。

 

ごくまれに、「有罪だけど刑を免除する」という判決が出ることがありますが、執行猶予ではなく「刑の免除」。
具体的事例としては、横浜地裁 平成28年4月12日判決があります。

 

この事故は交差点を左折したクルマと横断歩道を横断した自転車の接触事故ですが、当初「加療1週間の見込み」という診断書に基づいて不起訴。
しかし被害者から、症状固定長引いたため244日を要する肋骨骨折や頸椎捻挫の申告を受けて検察官が「過失運転傷害罪」として起訴した事案です。

 

これについて、有罪だけど刑の免除という判決が確定しています。

もとより、本件事故の発生原因に関し、被害者に落ち度があるわけではなく、また、被害者が、自己の傷害の内容について、殊更に虚偽を述べているとも認められないから、被害者が、本件事故により、症状固定までに約244日間を要する肋骨骨折等の傷害を負ったものとして本件を起訴した検察官の判断が、不当であったと即断することはできない。
しかしながら、検察官において、被害者にうつ病等の精神症状があることも踏まえて、関係証拠をより慎重に検討していれば、いったん不起訴処分となった本件が、そのまま起訴されなかった可能性も否定できない。
また、本件事故を起こした被告人の過失は、単純かつ比較的軽微なものであって、被告人が日常的に不注意な運転をしていたような事情もない。
そして、当裁判所が認定した限度では、被告人は、当初から事実をほぼ認め、被害者に謝罪もしていたところ、前科のない被告人が、長期間にわたって応訴を強いられたという訴訟の経過等にも鑑みると、被告人の判示所為は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律条本文に該当するものの、本件は、同条ただし書により刑の免除をするのが相当な場合に当たるから、刑訴法334条により主文のとおり判決する。

 

横浜地裁 平成28年4月12日

執行猶予は刑の執行を猶予する(刑法25条)、自動車運転処罰法5条但し書きは「刑自体の免除」。
ほかにも同様に、実際には加療7日程度とみなすべきだったのに起訴した事案について、5条但し書きから「有罪だけど刑を免除」とした判決があります。

 

横浜地裁の判例は、結局のところ検察官がきちんと取り調べしていればそのまま不起訴相当だったのに、被害者からの申告を過大評価して起訴したみたいな扱い。

滅多にありませんが

過失運転傷害のほとんどが不起訴になる理由は、傷害の程度が軽いので5条但し書きに該当するからかと思います。
起訴して「有罪だけど刑を免除する」という判決を出しまくったところで誰にとってもメリットがない。
また、不起訴でも免停などの行政処分はあるわけだし、長い期間かけて法廷で争う理由もない。

 

まあ、軽微なものでも事故は起こすなという話です。
ちなみに、このように起訴された以上、無罪ではなく「有罪だけど刑を免除」になります。
ビミョーに意味合いが違いますが、過失自体が明らかな以上は無罪判決は出せません。

 


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