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徐行義務ってかなり大事。

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最近の報道については、「ヘルメットがー!」というのがデフォルトになっていますが。

報道①

17日午前9時50分ごろ、江東区東砂の交差点で「車と自転車の事故があり、人が車の下にいる」と、110番通報があった。

 

警視庁によると、交差点で乗用車と自転車が出合い頭に衝突する事故があり、自転車に乗っていた会社員の○さん(36)が投げ出され、車の下敷きになったという。

 

○さんは、体を強く圧迫されていて、搬送先の病院で死亡が確認された。

 

車の下敷きに...自転車の男性死亡 交差点で出合い頭に衝突(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース
東京・江東区の交差点で、自転車が乗用車と衝突する事故があり、自転車に乗っていた男性が死亡した。 17日午前9時50分ごろ、江東区東砂の交差点で「車と自転車の事故があり、人が車の下にいる」と、110

報道②

現場は荒川近くの住宅街にある信号のない交差点で、自転車の男性はヘルメットをかぶっていなかったということです。

 

自転車の男性が車の下敷きに 搬送先で死亡確認(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
東京・江東区の交差点で乗用車と自転車が衝突する事故がありました。自転車の男性は死亡が確認されました。    警視庁などによりますと、17日午前10時前、江東区東砂の交差点で「乗用車と自転車の交通事故

体を強く圧迫されたこととヘルメットの因果関係はわかりませんが、報道①についてはヘルメットに関する言及はなし。
もはやイ○バ物置でも着用してないと、車の下敷きではね。

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ところで

事故原因については何ら推測できる要素がないので、あくまでも一般論にします。
どちらがどっちから進行し、速度や一時停止等の規制の有無もわからないので。

 

見たところ、交差点は優先道路の設定がない。

第三十六条
優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)

優先道路とは、交差点内に車両通行帯又はセンターラインがある道路になりますが、どちらも無いのは明らか。

 

どちらかに一時停止規制があるのかもわかりませんが、「非一時停止側」についてはこの場合、徐行義務があります。

(徐行すべき場所)
第四十二条 車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
一 左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合及び優先道路を通行している場合を除く。)。

左右の見通しとは50m程度とも言われますが、動画で明らかなように「左右の見通しがきかない、かつ、優先道路ではない」。
なので徐行義務があることになります。

仮にですが、徐行義務を怠っていたならそれが過失となり過失運転致死が成立しうることになります。

 

例えばこれ。

自転車の一時停止違反は明らかですが、一時停止を突破してから衝突までタイムラグがある。
これ、「左右の見通しがきかない&優先道路がない」になり、クルマは徐行義務違反なんですね。

 

徐行義務は時速10キロ以下。
判例でも左右の見通しがきかない場合の徐行義務については、時速10キロを目安に有罪、無罪を決めているように感じます。

徐行義務の法意

なぜ左右の見通しがきかない&優先道路ではない交差点で徐行義務を課しているかというと、非優先側の飛び出しを警戒…というわけでもありません。
徐行義務は「歩行者」にも向けているとされます。

道路交通法第35条第36条(昭和39年法律第91号による改正前のもの)が、交差点における互に違つた方向からこれに進入する車両相互間の優先順位を定めたものであるに対し、同法第42条は左右の見とおしのきかない交差点に進入する車両に対し総べての通行者との間の危険防止を目的として制定されたものであり、同法第35条第36条のように歩行者を除いた車両相互間の関係のみを規制したものではないのである。従つて、右法意に照らすと、たとえ、交差する車両に対しては優先する場合であつても、そのために同法第42条の一般徐行義務が解除されるものではなく、又同法第43条も公安委員会が特に必要があると認めて指定する交差点において、車両等に対して一時停止義務を課し(通行人にはその効力は及ばない)、これと交差する道路の車両等に優先通行を認めたに過ぎず、そのために優先車両に対し同法第42条の徐行義務までも解除したものとは解し難い。

 

東京高裁 昭和41年11月22日

歩行者は直前直後横断が禁止されているとは言え、交差点はそれが起こりやすいし、一時停止規制は歩行者に対する効力がない。
なので左右の見通しがきかない&優先道路ではないなら徐行義務。

 

報道の事故については原因が全くわからないので一般論になりますが、徐行義務を果たしたかどうかは有罪、無罪の分かれ目です。

原判決に示された法律判断によれば、自動車運転者は、本件交差点を西から東へ進行する場合には一時停止又は徐行(最徐行)をして左右道路の安全を確認すべき業務上の注意義務があるとしているところ、本件交差点が前説示のように左右の見通しの困難な、交通整理の行なわれていない交差点であるから、車両の運転者に道路交通法上の徐行義務があることは明らかであるが(道路交通法42条)、さらに進んで一時停止の業務上の注意義務があるかはにわかに断定できず、本件交差点は一時停止の交通規制は行なわれていない場所であるから、業務上の注意義務としても特段の事情なき限り、一時停止義務はないものというべきである。けだし、道路交通法は交通の安全と円滑を調和せしむべく徐行すべき場所或いは一時停止すべき場所を決めているのであって、例えば車の鼻先を出しただけで衝突を免れないような交差点や優先道路との交差点などでは、別に一時停止の交通規制を行つているのが通常であり、規制のない場合には、業務上の注意義務としてのものであつても、一般的には一時停止義務を課することは相当でないというべきである。

(中略)

そこでさらに進んで被告人の徐行の注意義務違反の有無について考察すると、道路交通法上徐行とは車両が直ちに停止することができるような速度で進行することをいうと定義されている(道路交通法2条1項20号)が、具体的に時速何キロメートルをいうかは明らかではないとしても、前記認定の時速5キロメートル程度であれば勿論、時速10キロメートルであつても徐行にあたるものというべく、本件において業務上の注意義務としての徐行としても、時速5キロメートル程度のものであれば、これにあたると解するのが相当である。原判決は本件のような交差点に進入する車両には単なる徐行より一段ときびしい最徐行義務があるかの如き説示をしているのであるが、最徐行とは具体的にいかなる速度をいうのかの点は暫らくこれを措くとしても、前記のように被告人が時速5キロメートル程度の速度で進行していたとするならば、被告人において徐行(最徐行を含めて)の注意義務はつくしているものと認めるのが相当である。従つて、被告人には公訴事実にいう徐行の注意義務を怠つた過失はないというべきである。

 

大阪高裁 昭和59年7月27日

けど、車の下敷きでも大丈夫なのってイ○バ物置くらいしか思い浮かびません。
事故の原因については何らわかりませんが、ヘルメットでは到底太刀打ちできないことは明らかかと。

事故原因はわかりませんが、徐行義務は大事です。


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