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「妨げないようにしなければならない」と「妨げてはならない」。

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読者様から質問を頂いたのですが、38条1項(横断歩道)と38条の2(横断歩道がない交差点)って、ビミョーに表現が違いますよね。

(横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条
(前段省略)この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない
(横断歩道のない交差点における歩行者の優先)
第三十八条の二 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。

「その通行を妨げないようにしなければならない」と、「その歩行者の通行を妨げてはならない」はなぜ表現を変えているのでしょうか?

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表現を変える理由

これ、昭和30年代の解説書などをみてもそうなんですが、「その通行を妨げないようにしなければならない」と、「その歩行者の通行を妨げてはならない」は意味は全く同じです。

 

どちらも「妨害禁止」を規定していることになります。

 

じゃあ、なぜわざわざ表現を変えて規定する必要があるのか?

 

38条1項もそうだし、17条2項もそうだけど、

(通行区分)
第十七条
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止しかつ歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。

2つの義務を並列的に課している場合には、「妨げないようにしなければならない」にしてます。

 

これ、私も不思議に思っていたのですが、理由はシンプルでした。

例えばですが、17条2項を「妨げないようにしなければならない」ではなく「妨げてはならない」にするとどうなるか?

 

まず、正式な17条2項。

(通行区分)
第十七条
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止しかつ歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。

以下2つの義務を並列的に課していると読み取れます。

①歩道等に入る直前で一時停止しなければならない
②歩行者の通行を妨げないようにしなければならない

これはいいとして、17条2項を「妨げてはならない」にしてみますよ。

(通行区分)
第十七条
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止しかつ歩行者の通行を妨げてはならない

これ、意味が変わってしまうリスクがあるのよ。

①歩道等に入る直前で一時停止してはならない
②歩行者の通行を妨げてはならない

禁止行為を並列的に課していることになりかねない。

 

一時停止するなよ!という謎ルールが誕生しかねないので、並列的に課している場合には「妨げないようにしなければならない」にしないとまずい笑。

 

並列的に課していない規定については、「妨げてはならない」ですもんね。

(乗合自動車の発進の保護)
第三十一条の二 停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない

わざわざ「その通行を妨げないようにしなければならない」と、「その歩行者の通行を妨げてはならない」を使い分ける理由は単にそれだけかと。
並列的に課している場合には「してはならない」ではなく「しなければならない」にしないと意味がおかしくなりかねません。

独自論なので採用できない

ちなみに38条1項の違反について争った事例ですが、一時停止した後に発車し、歩行者が足を止めて「妨げた」ことに対し切符を切った判例です。

 

原告は違反は成立しないと主張していますが、その根拠として

 

「妨げてはならない」ではなく「妨げないようにしなければならない」と規定しているように、38条1項後段の「妨げないようにしなければならない」とは努力義務に過ぎない

 

などと主張しています。
東京地裁は原告の主張について「独自論」と語り棄却。

 

「その通行を妨げないようにしなければならない」と、「その歩行者の通行を妨げてはならない」が同じ意味なのに使い分ける理由は、下記のようにしてしまうと、

(通行区分)
第十七条
2 前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止しかつ歩行者の通行を妨げてはならない

禁止行為を並列的に課していることになりかねないからかと。

①歩道等に入る直前で一時停止してはならない
②歩行者の通行を妨げてはならない

一時停止したら違反!では話になりません笑。

 

わざわざ「通行を妨げないようにしなければならない」とする理由はシンプルでした。
ちなみに歩行者には「通行」を使い、車両には「進行」を使う理由もなんとなくわかったのですが、これについても大した意味は無さそうです。

 

歩道等を横切る前の一時停止義務(17条2項)。
歩道や路側帯を横切り道路外の施設に入るときは、歩道等の手前で一時停止し、かつ歩行者の通行を妨げないことが義務。(通行区分)第十七条 車両は、歩道又は路側帯(以下この条及び次条第一項において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては...

 


コメント

  1. いんちょ より:

    横断歩道の無い交差点にバイクで接近した際、横断しようとしていた歩行者がバイクに気づいて横断をやめることがあります。そのまま待機されていれば声かけたりして渡ってもらえますが、歩道に戻って別方向に行かれてしまうこともあります。これって通行を妨げたことになるのでしょうか?

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      横断歩道がない交差点の場合は38条の2になりますが、38条1項とは異なり「横断しようとする歩行者」を対象にしていないため大丈夫です。

      (横断歩道等における歩行者等の優先)
      第三十八条 
      この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
      (横断歩道のない交差点における歩行者の優先)
      第三十八条の二 車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。
      • いんちょ より:

        あー、すみません。「横断しようとしていた」と思われる歩行者は大抵歩道から車道に出てきています。バイクを見ると引き返して、別の場所で横断するため歩道を歩き始めます。どうしようもありませんが

        • roadbikenavi より:

          コメントありがとうございます。

          妨害ではなく勝手に戻る行為は関係ありませんよ。
          勝手に違う方向に行くことを運転者の罪にはできないので…

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