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「歩道の中の自転車レーン」、歩行者優先?自転車優先?

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歩道の中に白線を引いて自転車レーン(風)にしているのを時々見かけますが、

①ここって歩行者が歩いてもいいの?
②自転車が優先なの?

 

という話を聞きます。
いろいろ誤解が多い気がしますが、ちょっと説明を。

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「普通自転車通行指定部分」

これは「歩道の普通自転車通行指定部分」と呼ばれるものになりますが、法定標示はこちら。

「歩道の中」にあり、白線と自転車マークです。
頭上にある標識風のマークは法定外なので関係ありません。
ちなみにこれも白線と自転車マークがあるので、同じく普通自転車通行指定部分。

あくまでも歩道上にあり、白線と自転車マークがあることが必要です。

 

で。

 

①ここって歩行者が歩いてもいいの?

→はい。ただし「避けて通行する努力義務」があります。

 

②自転車が優先なの?

→優先は歩行者です。

 

勘違いしやすいのかな。

普通自転車通行指定部分での義務

まずは自転車の義務から。

(普通自転車の歩道通行)
第六十三条の四
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

この条文、なかなか意味が分かりにくい面がありますが、こうなります。

自転車の通行位置 「歩道を通行するときは」この中を通行せよ
優先 歩行者妨害になるときは一時停止義務
自転車の速度 徐行。ただし普通自転車通行指定部分を通行、又は通行しようとする歩行者がいなければ状況に応じ安全な速度と方法

あくまでも「歩道」なので、歩行者優先です。

 

次に歩行者の義務。

(通行区分)
第十条
3 前項の規定により歩道を通行する歩行者等は、普通自転車通行指定部分(第六十三条の四第二項に規定する普通自転車通行指定部分をいう。第十七条の二第二項において同じ。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない

歩行者は「普通自転車通行指定部分」をできるだけ避けて通行する「努力義務」があります。
努力義務なので、警察官からの指示事項からも排除されています。

(通行方法の指示)
第十五条 警察官等は、第十条第一項若しくは第二項、第十二条若しくは第十三条の規定に違反して道路を通行している歩行者又はこれらの規定若しくは第十四条の二若しくは第十四条の三の規定に違反して道路を通行している遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者に対し、当該各条に規定する通行方法によるべきことを指示することができる

警察官が歩行者に対してお願いベースで「避けて通ってね!」と言うことくらいしかできません。
あくまでも歩道なので。

なので、これら規定によると、こうなります。

 

①ここって歩行者が歩いてもいいの?

→はい。ただし「避けて通行する努力義務」があります。

 

②自転車が優先なの?

→優先は歩行者です。

国会答弁から

普通自転車通行指定部分は、昭和53年にそれらしき標示ができて、平成19年改正時に正式に「普通自転車通行指定部分」という名前になりましたが、平成19年改正時の国会議事録から。

○木俣佳丈君 先ほどの少し歩道のスペースの問題に戻りますけれども、歩行者の通行スペース確保というのが必要だと考えます。
新たに十条三項に、歩道を通行する歩行者は、普通自転車通行指定部分があるときは、当該部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならないとされております。
歩行者とのやはり衝突防止のために歩行者が不便を強いられるようなおそれがないか、この通行スペース確保に向けた取組について伺いたいと思います。

○政府参考人(矢代隆義君) お答え申し上げます。
この部分は、先ほど申し上げましたように、現在、広い歩道でその真ん中に白線を引っ張ってある場合に、自転車はその車道寄りの部分を通行しなきゃならないと、こういうルールでございます。
現在のそういう状況を前提といたしまして、ところがそこはあくまで全体が歩道でございますので、法律上は歩行者はどこを通ってもいいわけです。そうしますと、せっかく広い歩道がありますので、白線を引いておきましたのにそっちの自転車の通行部分まで歩行者が必要もないのに通っておりますと、これはお互い非常に迷惑なことでございます。
従前は、そういう歩道上であるということでそういうルールはなかったわけでございますけれども、今後のことを考えますと、これはあくまで当然のこととして十分広い幅員ということが前提でございますけれども、そこに白線を引っ張っている場合には歩行者はその歩道の外側の方を通れるんであればそちらの方を通ってくださいと、努める義務ですが、そうすることによって歩道上の錯綜というのはこれは整理できますので、そういう趣旨でございまして、そこから歩行者を締め出すとかあるいは歩行者の空間を狭めていこうとか、そういうような発想に立つものではございません。

○木俣佳丈君 それはよく分かるんですけれど、何というんでしょうか、十分な歩行者の安全を確保するようなスペースをちゃんと取るんだと、そういうことでよろしいでしょうか。

○政府参考人(矢代隆義君) 御指摘のとおりでございます。
まず、白線を引くのはそういう状況でございますし、それからその場合でもやはりそこは歩道上でございますので、自転車は歩行者がもし仮にそこにおれば歩行者優先の交通行動を取らざるを得ないという、これはその原則は変わらないわけでございます。

 

第166回国会 参議院 内閣委員会 第7号 平成19年4月10日

ということで、あくまでも歩道。
歩行者優先の原則も変わりません。
あくまでも歩行者に「避けてくださいお願いシャス」という程度の存在ですし、歩行者の通行妨害は禁止なので歩行者優先。

 

ちなみに歩道上を通行できるのは「普通自転車」なので、非普通自転車はそもそも通行できないから「普通自転車通行指定部分」という名前なのかと。
普通自転車の「普通」とは「スタンダード」を意味するので、「ノーマル」ではありません。

 

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私か知る限り、下記自転車はアブノーマルバイクと呼んでも差し支えない、むしろ喜ぶ人も多い気がしますが…

 

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