難解なルールが自転車の動きをおかしくする。

さて質問です。

この場合、誰に何の違反があるのでしょうか？

Riding a bike through Minato Mirai in Yokohama is awful – and just keeps getting worse and worse pic.twitter.com/imGa1pUtR8

— James Szypula (@YokohamaRides) October 7, 2023

正解はCMのあと、すぐ。

正解は

これは正直なところ自転車からすると酷なんですが、自転車の信号無視になります。
理由はシンプルで、歩行者用灯器に「歩行者自転車専用」がついているため、自転車は車両用三灯式信号に従うことができません。

まあ、外国人なんですかね？
ジャパニーズですら読み取りにくい「歩行者自転車専用」の補助標識を見極めるのはなかなか難しい。

そしてクルマのほうは、直進レーンから左折しているので、ファンタスティックに指定通行区分違反になります。
信号無視vs指定通行区分違反が戦うという珍事を見るに、未来は決して明るくない。

信号無視扱いなので、当たり前ですが「直進優先ガー！」は適用されません。
優先規定は「適法に通行する者」が対象。
まあ、左折車も不適法通行なので双方ともに優先権を主張できる立場にいない。

「歩行者自転車専用」信号という、このクソルールはいつまでやるつもりなのか知りませんが、当該交差点については自転車横断帯があることを鑑みると、歩行者用灯器に従わせたいなら「普通自転車の交差点進入禁止規制」(63条の7第2項)を使う場面に思えますが、

ちょっと前にも書いたように、当該規定を制定した時点の説明ですらこんな感じなので、

普通自転車の交差点進入禁止の話。

こちらの続きです。 普通自転車の交差点進入禁止 （交差点における自転車の通行方法） 第六十三条の七 ２　普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に...

roadbike-navi.xyz

2023.08.25

第2項の違反は、この道路標示を越えて当該交差点に入ったときに成立する。したがって、道路標示を越えずに回り込んで交差点に入れば違反は成立しないが、そのような場合は通常、他の条の違反(通行区分違反等)になることが多いと思われる。

 

「特集　改正道路交通法解説」(警察庁交通局)、月刊交通、昭和53年9月、東京法令出版

イマイチな政策だったと言わざるを得ない。

ちなみに民事の判例だと「補助標識が見えなかった」はさほど関係ないように思えます。

だから廃止で

自転車のルールには不合理なものがいくつもありますが、「歩行者自転車専用」信号については最たる例。
夜間とかそもそも見えないし。

しかし無意味なルールをやめる気もなさそうだし、この国は自転車にどういうプレイを求めているのか謎です。
けど、発狂したところで法解釈上は信号無視して交差点に進入する自転車が悪いですYoとしかならないので、「信号無視して交差点に進入して危険を創作し、発狂する自転車」でしかないし、かといって左折車も不適法通行。
なので不適法自転車と不適法左折車が一戦交えるという意味不明な戦いになる。

地獄ですよね。
ジャパニーズの信号規定はディフィカルトなので、ジャパニーズですらわかってないバカチンが大量にいますが、ジャパニーズですら発狂する「歩行者自転車専用」の補助標識は滅亡して頂くか、何か別の手段を考えてもらうしかないのよね。