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普通自転車の交差点進入禁止の話。

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こちらの続きです。

 

自転車横断帯の通行義務。わざわざ反対側に?
こちらの記事にご意見を頂きました。 第63条の7第1項(自転車横断帯のある交差点の通行方法)には、「第十七条第四項、…の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。」とあります。(第17条第4項は左側部分通行の規定) もし自...

 

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普通自転車の交差点進入禁止

(交差点における自転車の通行方法)
第六十三条の七
2 普通自転車は、交差点又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない
種類 番号 道路標示 表示する意味
普通自転車の交差点進入禁止 114の4 交通法第六十三条の七第二項の道路標示により、普通自転車が当該道路標示を越えて交差点に進入することを禁止すること。

先日も書いたように、昭和53年に当該規定を新設した当時の警察庁の解説はこう。

第2項の違反は、この道路標示を越えて当該交差点に入ったときに成立する。したがって、道路標示を越えずに回り込んで交差点に入れば違反は成立しないが、そのような場合は通常、他の条の違反(通行区分違反等)になることが多いと思われる。

 

「特集 改正道路交通法解説」(警察庁交通局)、月刊交通、昭和53年9月、東京法令出版

 

えっ!?笑
これだと63条の7第2項の違反にならないと警察庁が認めているよ笑。

で。
そもそもこのルールには直接的な罰則がなく、警察官から指示されても従わない場合に違反が成立します(63条の8)。
現実的に警察官が指示することはないので、交差点通行時に事故に遭った場合に過失になるかどうかの問題にしかならないと思うけど、

「回り込んで当該道路標示を越えてないから違反してない!」

 

などと主張しても、たぶん意味がないです。
違反が成立しなくても注意義務としては歩道に上がることを求めているのだから、こんなしょーもないところを主張したところで無意味。

 

そもそも、普通自転車の交差点進入禁止規制なんてレア過ぎて滅多に見かけないし、この規制って非普通自転車には及びません。
非普通自転車は歩道を通行できないから除外されてます。

 

非普通自転車は同じく存在がレアだからという事情もあるでしょうけど、昭和53年頃の論文をみていたらちょっと面白いものがありました。

 

主張内容としてはこう。

・左折巻き込みリスクから安易に自転車を歩道に上げようとしているが、左折車の後方注意義務を弱めてしまう危険性がある。
・安易に自転車を歩道に上げようとせず、自転車レーンや自転車道を整備することによる「左折巻き込み対策」を講じるべき。

 

「交差点進入禁止規制」により自転車を歩道に上げれば、左折車が今まで以上に後方確認しなくなるリスクがあり、安易に解決しようとすべきではないという内容です。

 

大型車が左折巻き込みした件について、最高裁判所第二小法廷  昭和46年6月25日判決が

交差点で左折しようとする車両の運転者は、その時の道路および交通の状態その他の具体的状況に応じた適切な左折準備態勢に入つたのちは、特別な事情がないかぎり、後進者があつても、その運転者が交通法規を守り追突等の事故を回避するよう適切な行動に出ることを信頼して運転すれば足り、それ以上に、あえて法規に違反し自車の作法を強引に突破しようとする車両のありうることまでも予想した上での周到な安全確認をなすべき注意義務はなく、後進車が足踏自転車であつても、その例外ではない。

という内容の判示をしたことについて反対意見もあったわけで、それから数年後の昭和53年に突如自転車横断帯と交差点進入禁止規制を創設したわけですが、ちょっと前にも書いたように、

 

自転車横断帯が失敗した理由。
ちょっと前に自転車横断帯がどうのこうのという話題がありましたが、なかなか勘違いしている人が多いことにビックリします。 ✕「道路交通法改正で自転車横断帯は滅亡した」 ○「自転車横断帯は一部を除き、危険性があるとして撤去が進められた」 ところで...

 

自転車横断帯って、歩道と歩道を結ぶのなら失敗することは目に見えていたし、本来は自転車道と自転車道を結ぶためにあるべき。
交差点進入禁止規制にしても、自転車道を整備すればそんなもんは不要なわけで、やるべきことをしないまま安易に解決しようとすべきではないと警告する論文が昭和53年頃にあったりする。

 

現代でもレア過ぎて滅多に見かけない道路標示ですが、警察庁の解説だとこう。

第2項の違反は、この道路標示を越えて当該交差点に入ったときに成立する。したがって、道路標示を越えずに回り込んで交差点に入れば違反は成立しないが、そのような場合は通常、他の条の違反(通行区分違反等)になることが多いと思われる。

 

「特集 改正道路交通法解説」(警察庁交通局)、月刊交通、昭和53年9月、東京法令出版

 

立法時点でこんな解説をしている規定に、何の意味があったのか理解に苦しむ。

 

解釈は確かにそうですが、あとはそれぞれお考えください。
事実上、非刑罰規定ですし。

自転車横断帯にしても

先日の記事の件ですが、例えばこのような交差点があるとして、

きっちり自転車横断帯を通行して迂回風プレイを求めているか?という話になりますが、前回記事で書いたように、

これで問題はないかと。
理由はシンプルで、「横断という危険プレイをなるべく最小限にする趣旨だから」。

 

確かに条文を見ると迂回風プレイを求めているようにも取れますが、そのような趣旨とは解釈できないでしょう。

 

自転車のルールは難解過ぎてわからんよね笑。
交差点進入禁止の件も、警察庁の解説はある意味衝撃的。
「回り込んで当該道路標示を避ければいいジャマイカ?」とも読めてしまうのですが、執務資料だと「道路標示を越えても交差点に入らなければ違反にならない」と書いてあったはず。

 

ある意味勉強になりましたが、そもそもレア過ぎて滅多に見かけないから関係ないのよね。

 


コメント

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