ちょっと前になりますが、架空の自転車横断帯(?)と縁石トラップで転倒したみたいな話がありましたよね。
四条大宮の横断歩道にマジでありえん公営トラップ仕掛けられてて自転車一回転した、どういう目的? pic.twitter.com/nkNvM79xzR
— たつみ (@_306_peugeot_) August 4, 2023
これ、そもそも自転車横断帯の自転車マークだけを消す(線を残す)ことも疑問ですが、なぜ「元自転車横断帯」の出入口を塞ぐ必要があるのか理由がよくわからない。
それよりもっと謎なことがありまして。
Contents
なぜ縁石を追加したのか?
要は「元自転車横断帯」の出入口をなぜ縁石で塞ぐのか?という話になりますが、下記ではその「理由」を追跡しようと道路管理者にアタックしている。
なぜこのような整備をしたのでしょうか。施工を担当した京都市建設局道路環境整備課の事業促進担当者は以下のように話します。
「本市では、自転車の原則車道通行を促すため、車道部に矢羽根マーク等を設置する自転車走行環境整備を進めており、交差点内に自転車横断帯がある場合は、交通管理者との協議を踏まえ、自転車横断帯を撤去しています。
四条大宮交差点については、交通管理者との協議の結果、自転車横断帯を撤去することとし、現在本市が進めている後院通(四条大宮~千本三条)の無電柱化・バリアフリー化事業として行う交差点改良工事において、自転車横断帯の撤去を行い、当該箇所の縁石を既設の切下げ構造から、立上げ構造に変更するとしています。
縁石の工事は2023年7月中旬から順次、着手しています」
チャリ横断帯進んだら「まさかの一回転」なぜ? 京都市が意外な場所に「縁石」設置… 危険視されずに設置された理由を市担当者に直撃自転車で横断歩道を渡っていたユーザーに起きたあるできごとが、SNSで話題を集めています。どのような内容なのでしょうか。
この記事、なんか「変」だと思ってまして。
というのも、自転車横断帯の撤去を進める理由の説明と、縁石を立上げ構造に変更する事実は説明されてますが、
「なぜ縁石を追加するのか?」
という理由が全く示されてない。
なんか行政側にうまくかわされたような謎記事だなぁと思っていたのですが、どうもそうするように推奨している自治体があるみたい。
・自転車横断帯の撤去により、開口部が広くなってしまった部分については、ポール等の設置により、自動車等の飛び込みを防ぐ対策を講じること。
https://www.pref.ibaraki.jp/doboku/doiji/doro/03life/documents/04-dai3syoup24~p39.pdf
これが国(国土交通省)の指針なのかはよくわからないのですが、そういう方針が存在します。
おそらくはTwitterの件は、同じような理由から縁石を立ち上げ構造にしたけどいろいろ中途半端にしたために起きた「行政の怠慢」なんじゃないかと。
自転車横断帯の線を消すならきちんと消すだし、縁石のみ立ち上げ構造にするのではなくきちんと柵やポールにすべきだったのに、いろいろ中途半端にしたらトラップに引っ掛かる人が出ましたみたいな話です。
ただまあ、若干疑問なのは、「自動車等の飛び込みを防ぐ対策を講じる」という点。
暴走車、何らかの事故により歩道に突っ込まれることを懸念している…というなら、この程度の縁石はさほど役には立たない。
四条大宮の横断歩道にマジでありえん公営トラップ仕掛けられてて自転車一回転した、どういう目的? pic.twitter.com/nkNvM79xzR
— たつみ (@_306_peugeot_) August 4, 2023
二輪車が高速度で縁石に突っ込めば吹っ飛ぶよね?程度の縁石を作る理由もわかりませんが、後から柵を追加する途中段階とかだったのだろうか。
行政のお仕事って、時々中途半端だからなあ…
自転車横断帯への誤解
自転車横断帯の撤去を進める方針についてはそれなりに有名な話ですが、なぜか「自転車横断帯は道路交通法上滅亡した」と勘違いする人もまあまあいます。
自転車横断帯は法律上、まだ存在してます。
そして撤去どころか「新設」するケースもあります。
自転車横断帯が昭和53年に出来た理由は主に2つありまして、
①自転車を歩道に上げたことにより、自転車が横断するための施設を必要とした
②横断歩道上で歩行者と自転車が交錯して危険なため、歩行者エリアと自転車エリアを分離する必要性があった
Twitterのような大きな信号交差点の場合、自転車横断帯を設けた理由は主に②で、歩行者と自転車の交錯を避ける目的が強かったと思われます。
仮に横断歩道しかなくても、どうせ歩行者と一緒に自転車も横断するので「自転車の優先権」はあまり関係ない話。
優先権を持つ歩行者と一緒に自転車が横断しちゃえば、事実上優先みたいなもんだし。
けど自転車横断帯があったとしてもぐちゃぐちゃに交錯していたわけで、そもそも無意味だったのだと思われますが、撤去する際にいろいろ雑なことをすれば誰かがトラップに引っ掛かり怪我をする。
なんで行政のお仕事ってビミョーにいい加減になるのか不思議ですし、それこそ下記のような判例もあります。

自転車通行可能な地下道を移設するために通行禁止にしたけど、通行禁止の看板がある方向からは見えないために誤進入して事故った判例です。
雑なことをすれば誰かがトラップに引っ掛かる。
想像力の欠如なんじゃないかね。

2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
これ生活圏で毎日のように見ますが…正直前見て運転して?ってレベルなんですよね
どうやって引っかかったのか未だに謎
コメントありがとうございます。
「夜」で見間違いとかじゃないですかね?
詳しくはわかりませんが…
深夜帯なんですかね?
自転車横断帯の前後が塞がれてるので横断歩道で止まった場合トラップになり得ない
なので歩道で爆走して横断歩道に突っ込むか、車道から爆走して横断歩道に突っ込むかの二択…?
そもそもの運転姿勢を見直すべきじゃないか…
コメントありがとうございます。
何かと見間違いした可能性があるので何とも言いがたいですが、ずいぶん昔に夜間の生活道路(私道)にて、通行止め目的でロープが張ってあるところを気がつかずにギロチン落車(ママチャリ)したことがある私としては、あまり偉そうに言える立場ではないのです笑。
京都市は、自転車横断帯は無くす方向のような気がします。他でも消していって、矢羽根に置き換えて言ってると思います。
ただ、矢羽根を後回しにして、更に縁石まで付けるのはよく分からない。
これ、夜間だと、側溝部分の白いのと見分けが付かなさそうです。
私もたまに通る道なので気をつけます。
コメントありがとうございます。
たぶん、何かを怠った結果なんじゃないかと思いますが、行政は本音は言いませんから…