ちょっと前にこちらの記事を書きましたが、質問を頂きました。
そもそもの話、歩道橋とは道路交通法上「何」に該当するのでしょうか?
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歩道橋の法律上の意義
実はこれ、私もずっと歩道橋を道路交通法上どのように解釈するのか不思議でして、私の中では「道路」と解釈してました。
歩道でもなく、車道でもなく「道路」だと。
けど調べてみたら、警察庁交通局が質疑応答で見解を出してました。
問
スロープ付の横断歩道橋は、原動機付自転車の通行が事実上可能であるが、このような横断歩道橋は車道であるか、それとも歩道であるか。
答
スロープ付の横断歩道橋は、道路交通法第2条第1項第2号にいう歩道に該当する。
(理由)
歩道とは「歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分」をいうが、横断歩道橋は歩行者の道路の横断の用に設けられたもので、それ自体が「工作物によつて区画された道路の部分」と認められるからである。
交通法令質疑応答コーナー(月刊交通)、警察庁交通局・道路交通研究会、東京法令出版、1981年3月
まあ確かに車道と工作物で区間した道路の部分とも取れるので、「道路」というよりも歩道と解釈した方がいいのか。
仮に「道路」と解釈した場合、原付が歩道橋入口まで押して歩いて、歩道橋は乗ったまま通行しても違反にはならないことになってしまう。
歩道と解釈することで原付の通行は「押して歩いている場合のみ(歩行者)」に限定されますしね。
あと、「道路」と解釈した場合、歩道橋が空中で分岐している部分が「交差点」と解釈されかねない(意味不明)。
空中に交差点があるとなおさら意味不明だし、歩道と解釈したほうが合理的か。
じゃあ自転車は乗ったまま通行することが可能なのかになりますが、「歩道の中央から車道寄り」(63条の4第2項)を定義できないから乗ったままの通行ができない…という見方も出来なくはない気がしますが、現実的には道路管理者のお願いレベルで「降りて押して歩いてね」みたいな扱いになりそう。
そうすると法令上は徐行義務があるけど問題なし…となりますが、当たり前な話として危険。
なので押して歩いて通行することがベターでしょう。
法律上違反にならないから何をしてもいい、みたいなアホな人はきちんと徐行することが条件だし、歩行者の通行を妨げるときは下りスロープだろうと一時停止義務を負う(63条の4第2項)。
結局、危ないし降りて通行することがベストとしか言えませんな。
そもそも
例えばこの角度のスロープで、
徐行って難しいはず。
そう考えると、結局は徐行することが実現不可能だから降りて押して歩く義務になるとも言えます。
法律問題というよりも常識問題な気がしますが、以前書いたこちらの判例。
スロープを乗ったまま降りてきた自転車が、歩行者に衝突し、自転車に乗った人が吹っ飛んで大怪我。
もちろん全過失は自転車だとしてますが、自転車側の主張は「専ら歩行者の過失」ですから…
ということで、警察庁の考えでは歩道橋は「歩道」に該当するようです。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
歩道橋の話なので便乗失礼します
広島市中心部から宮島に向かう国道2号線で地元ロード乗りに有名な自転車ホイホイがあります
↓このまま真っ直ぐ行くと「自転車通行止め」になるので道路ペイントで迂回路(側道)に誘導されます
https://maps.app.goo.gl/78s4Vk6CiX1cgRQv9
しばらくすると、歩道橋を渡る様に誘導されます(見落として真っ直ぐ行くと行き止まり)
https://maps.app.goo.gl/cJEpgVmpy3kK397K7
歩道橋を渡った先は右車線の歩道です
https://maps.app.goo.gl/UpgMVqkBgL9mNN5x7
中央分離帯があり左車線に戻れないので、そのまま歩道を走ることになります(自転車通行可/狭くて怖い)
右車線の歩道をしばらく走ると、いきなり「自転車はここまで」の標識で行く手を遮られます
https://maps.app.goo.gl/uekosfAotwhWkZb58
歩道橋からここまで丁字路2箇所ありますが、
2つ前の(信号がある)丁字路で左車線に復帰しておく必要があったのですが・・・
知らんがな です
コメントありがとうございます。
この手の案内ってなぜか不親切ですよね。
なぜ分かりやすくするという発想が行政にないのか不思議です。