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自転車の「ムーディー違反」。義務と注意義務の話。

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これを記事にするか若干迷ったのですが、記事にしておきます。

ちょっとモヤモヤしたので質問させてください。
あるSNSでの話になります。

鉄道の高架下道路の件です。
投稿者の方が「自転車は降りてください」と書いてある高架下の道路にて、降りずに乗ったままのロードバイクがいたので注意したのだそうです。
ロードバイクの方が降りなかったことについて「ルール違反だ」とか「警察にも確認した」と書いていたのですが、本当にルール違反なのでしょうか?

赤いポールに「自転車等は降りてください」と書いてあります。

「それはルールではないのでは?」と指摘しようと思ったけど、SNSの中では「ルールを守らないロードバイクは悪だ」みたいなムードになっていたのでやめました。

では質問です。

管理人
管理人
正解はどれ?
①自転車は降りて通行する義務がある(乗ったままだと道路交通法違反になる)
②自転車は降りて通行すべき注意義務がある(乗ったままでも道路交通法違反ではない)
③乗ったままでも全然構わない。
④この高架下道路は道路交通法上「歩道」である。
⑤この高架下道路は道路交通法上「道路」である。
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通行止め標識

要はこの標識があるわけですが、

意味はこうなる。

種類 標識 意味
車両通行止め(302) 道路法第四十六条第一項の規定に基づき、又は交通法第八条第一項の道路標識により、車両の通行を禁止すること。

あくまでも「法律上」の話をしますが、「車両通行止め」として「車両の通行を禁止」してます。
しかし「軽車両を除く」なので、軽車両は通行してもよい。

 

ポールに書いてある「自転車等は降りてください」については、法的な効力がない注意喚起にしかならないので、正解はこちら。

①自転車は降りて通行する義務がある(乗ったままだと道路交通法違反になる)
②自転車は降りて通行すべき注意義務がある(乗ったままでも道路交通法違反ではない)
③乗ったままでも全然構わない。
④この高架下道路は道路交通法上「歩道」である。
⑤この高架下道路は道路交通法上「道路」である。

降りて通行「すべき」注意義務はあるけど、降りないといけない義務はない。
そしてこの高架下道路は、「車道と歩道の区別がない道路(2条1項1号)」になります。

 

「乗ったままでも全然構わない」というのもちょっと語弊がありますが、道路交通法上は乗ったままでも全然構わない。
ただまあ、降りて通行すべき注意義務にはなるかな…という程度ですかね。

 

例えば指定最高速度が50キロの標識がある道路に、「ゆっくり走りましょう」という看板があったとしても、制限速度は50キロですよね。
標識しか規制効力はないのだから。
まさか、49キロで通行しているクルマを止めて「ゆっくりと書いてあるだろが!」として切符を切ることはできない。

 

ところで。

「警察に聞きました」はあてにならない

「警察に聞きました」が何の意味もないことは以前から書いてますが、

 

道路交通法の解釈は警察に聞いてはいけない。
なんかいろいろと道路交通法の解釈について論争があるようですが、そもそもの話。 警察(都道府県警本部や警察署含む)が正しい道路交通法の解釈を教えてくれるなんて、幻想じゃないですかね。 解説書や判例などは見ますが、警察に聞くことに意味を感じませ...

 

警察ってこういう道路については、厳密な法律解釈ではない回答になることはまあまあ多いです。
警察的には「降りてもらったほうが事故防止になる」と考えるのは当然だし、「義務はないけど注意義務はありますね」なんて説明をしても、法律知識がない人にはうまく伝わらないのがオチ。

 

だったら「降りて通行するのがルールだ」とか説明したほうが警察的にはマシなのよ。
ルールだと勘違いして降りてもらったほうが安全、と考えるのが警察。

 

まあ、単に知識不足の警察官に聞いた可能性もありますが…私も以前あるトンネルの出口にある交差点の二段階右折について聞いたら、「そもそも自転車はトンネルを通行できない」と主張された上に

 

「あなたは公安委員会がダメと言ったら従うが、公安委員会のお願いじゃなければ従わないというのですか?
おかしくないですか?」

 

という名言を頂いてしまいましたが(笑)、「従わない」なんて話は全くしてない上に二段階右折について聞いただけなんですけどね。

 

警察官の道路交通法の知識なんてそんなもん。
やっぱ、現場の警察官は…。 現場の警察官 だいぶ簡略化しますが、こんな交差点があります。 (一応幹線道路で多車線) ちょっと用事があってこのあたりに来たのですが、パトカーが交通取締りしていたので、トンネルから出て自転車が右方向に進行するとき...

 

ただまあ、SNSではよくある話ですが「違反だ!」というムードに支配されて、しかも「警察に確認した!」という書き込みがあると、ムードとして違反が確定します。
それを「ムーディー違反」と呼んでいますが、ムーディー違反が形成されるといくら正しい見解を述べたところで「ダメな奴認定」されるのがオチ。

以前読者様がコメントで書いてましたが、自転車ライトの点滅問題。
警察庁の見解は「点滅は灯火に含まれうる」だし、警視庁の見解も「幻惑灯火でないなら違反ではない」。

 

自転車ライトの【点滅だけ】は必ずしも違反ではありません。ただし、必ずしも推奨はしません。
長らくですが、自転車のライトの【点滅】は違反であるとされていますが、実は点滅は違反ではないことをご存知でしょうか? これ、知らない人のほうが多いのではないかと思いますし、道交法では【点灯】を義務付けているから、点滅は違反だ!ということが一般...

 

しかしどこかのSNSでは「点滅ライトはムーディー違反」が作られて、「いや、警視庁が…」みたいな話をしても無視されたとか、ブロックされたとか…

 

世の中、そんなもんです。
SNSだと、正解とは別に「ムーディー違反」が創作されることは普通の出来事。

 

脳内道路交通法とも言いますが、ムードで違反が創作され、非難される人が出る。
個人的にこの高架下道路を見たときに、歩行者に注意して徐行して曲がり角に注意しているなら乗ったままで構わない気がしますが、「乗ったままだと違反」だと信じる人がムーディー違反により咎める構図になるわけです。

 

私人逮捕系YouTuberの変形版みたいなもんなのかな。。。
本人なりには正義、しかし正しい法律解釈は別。
そして降りる「義務はない」けど、降りたほうが安全なのは間違いないという…

 

ここってホンキで降りて欲しいなら「軽車両を除く」の補助標識を外すこともあり得るのですが、リアカーは押して歩いても歩行者にはならないし、サイクルトレーラーなど牽引自転車も押して歩いても歩行者にはならない。
なので「軽車両を除く」の補助標識を外すと、通行できないリアカーやサイクルトレーラーが出てしまうので外せないのだと思います。

 

警察に聞くよりも標識の意味を考えないとおかしくなりますが、なぜか自転車関係は「ムーディー違反」が多いのです。

 

一例を挙げるなら「横断歩道で乗ったままだと違反」とか。
少なくとも昭和53年と平成22年に警察庁が「そんな違反は存在しない」と言っていても「ムーディー違反」が創作される。

 

なぜ?「自転車は横断歩道を乗ったまま横断しちゃダメ」という説が定着した理由。
いまだに「自転車は横断歩道を横断するときに、乗ったままではダメ」と理解している人がいます。 これは誤りでして、 同法が自転車に乗って横断歩道を通行することを禁止しているとまでは解せない 平成30年1月18日 福岡高裁 このように、自転車に乗...

 

まあ、高架下道路のわずかな区間は降りたほうが安全なのは間違いない話ですし、歩行者に危険性を感じさせるのはよくない。
乗ったままでも違反にはならないけど注意義務はあるみたいなイメージが正確なんかな。

ムードで違反扱いされてダメな奴認定される人が不憫ですが、ムードって怖いですよね。

 

多数派が正しい…なんてワケではないですが、ムーディー違反が形成されるとなぜか聞く耳を持たなくなる人が多いし、法律の条文や解説書、通達や判例を出しても読んでくれなくなるのがオチです。

 

なのであまり気にしないほうがいいんじゃないかと。
ムーディー違反に立ち向かうのも自由だし、ムーディー違反に諦めるのも自由ですが、こういうのがややこしいのはムーディー違反の創作者が「私は正しい」と信じきっていることが多いこと。
なのでなおさらややこしい。


コメント

  1. ゆき より:

    法律というルールは犯してないけど、地域や道路管理者の人が望むルールを守らないことになるので微妙かなぁ。
    多分、既にイエローカードが出ている状態で、次はレッドの可能性がありそう。

    注意書き付きポールが建てられた背景として、アレなマナーの自転車乗りでもいて地域住民から苦情が来たか、既に事故が起きたのでしょうね。
    そういう観点から乗りっぱなしなのは、ノールック横断並みに、安全運転面で駄目な行為かと思います。
    コケでも生えててコケやすいとか、グレーチングにタイヤがハマりやすいとか、一部高さがないので頭を打って怪我をしたり落車するとか、道路がうねっていて危ないとか、自転車側を守るための注意書きの可能性もありますからね。
    守らないで自爆だけで済めば良いですが、他人を巻き込んだら悲惨ですし。

    今後、自分を含む誰かが事故を起こして車両侵入禁止措置を取られて、押し歩きすら封じられて迂回路を通る羽目になるよりは、素直に注意書きの指示に従って降りた方が何かとトクかなぁと。
    注意警告を守らないなら次は法律で、強制的に禁止なんてのはよくある話ですし。
    現状はそのよくある一歩手前な感じがします。

    あと、指示に従ったほうが他人からの印象は良くなるってのは有るかな。
    法律違反ではないけど、書いてある注意書きを守らないってのは「コレだから自転車乗りは」みたいなレッテル貼りされそうなので。
    まさにムーディー違反の嫌な所では有りますが。

    繰り返しになりますが、安全面や万が一の事故時を考えると、法律上は問題なくても、私は降りるかな。
    刑事は良くても、民事ではかなり不利になりそうな気がします。(※裏付けのない個人の印象です)
    管理人さんの見解的には、過失にどの程度影響があると思われますか?

    • roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      注意書きの有無にかかわらず、事故が起きた際の自転車過失は90~100%だと思います。
      おそらく、歩行者側に著しい過失がない限りは過失相殺しないかと。

      そういう意味では降りて通行することが望ましいですが、最徐行して曲がり角に注意している分には文句つけるのも違うかな…という感じです。
      子供載せた自転車とかだと坂を押して上がるのもきついですし、乗っていたから一律に「悪」とは思いませんが、こういうところって「軽車両を除く」を外せない事情があることが多いので、何とも言い難い気がします。

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