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信号交差点で右直事故…どちらの信号無視が原因か?

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なぜこのような事故が起きてしまうのやら。

29日午前6時すぎ、福岡市中央区那の津で、交差点を右折して那の津通りに入ろうとしていた路線バスと、那の津通りを南から北方向に直進していたバイクが衝突しました。

西鉄の路線バスとバイクが衝突 バイクの男性が死亡 福岡市・那の津通り (FBS福岡放送) - Yahoo!ニュース
29日早朝、福岡市中央区で、西鉄の路線バスとバイクが衝突し、バイクを運転していた男性が死亡しました。

事故現場はこちら。

報道からすると、このような交差点で、

事故態様としてはこんなイメージなんだと思われますが、どの車線にいたのかはわかりません。

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信号次第としか

右折対直進だから道路交通法37条により直進優先…という話ではなく、どちらかに信号無視がない限りは事故にならないと思われますが…

 

◯オートバイが信号無視

◯バスが信号無視

そのほか、バスが停止線を越えたときは黄色灯火で、オートバイが交差点進入時に赤から青に変わって進行した可能性もなくはないでしょうけど、もう1つの分岐路の信号パターン次第かと。

 

一部報道ではバスが青信号と出ていますが…

西鉄によりますと、バスは青信号を右折し那の津通りに入ろうとしたところ、バイクと衝突したとということです。

西鉄の路線バスと衝突 バイクの男性1人が死亡 福岡市(テレQ(TVQ九州放送)) - Yahoo!ニュース
西鉄の路線バスとバイクが衝突し、バイクを運転していた男性1人が死亡しました。 1月29日午前6時過ぎ、福岡市中央区那の津で「バスとバイクが交通事故をした。男性がバスに挟まれている」とバスの運転手か

 

事故態様が不明なモノについて推測してもしょうがないですが、あえて違う視点でこの交差点の問題点を挙げるとするならば、バスが進行してきた道路からみた交差点の様子。

信号が遠すぎませんかね。
なんでこういう交差点って手前に信号を出さないのか疑問。

 

そしてオートバイが進行してきた道路。

信号のクリアランス時間がどうなっているのかはわかりませんが、交差点が広い。
要注意なのは広い交差点を通過しようとする自転車でして、青信号で停止線を越えた場合でもスピードが遅いと交差点内にいる間に交差道路側が青信号に変わってしまう。

 

ロードバイクのような自転車ならいいけど、低速ママチャリとかにはなかなかツラい。

 

事故の過失割合については信号の灯火次第で0:100にも100:0にもなりますし、報道されてない内容次第でいくらでも変わりうるのですが、「広い交差点を通過する自転車の注意義務」に焦点をあててみます。

広い交差点を通過する自転車の注意義務

広い交差点を進行する自転車の注意義務についてですが、以前も挙げた判例ですが東京地裁 平成20年6月5日。

 

事故の概要です。

車道を進行していた自転車に、歩道からノールックで逆走斜め横断してきた自転車が衝突した事故です。
この事故ですが、青自転車が進行してきた上→下の「自転車横断帯~自転車横断帯の距離」は37.6mあります。

 

裁判所の認定として青自転車には信号無視はなかったとなっていますが、交差点の距離が37.6mもあるので、

青自転車が交差点の出口にある自転車横断帯/横断歩道を通過した際には、自転車横断帯/横断歩道の信号が青に変わっていたと考えられる。
つまり、適法に交差点に進入したものの、交差する自転車横断帯/横断歩道から歩行者/自転車が横断開始することは予見可能になります。

 

そこがポイントになって、過失割合が50:50なんです。
個人的には、赤自転車が自転車横断帯以外のワケわからん位置から横断開始した点をもう少し過失割合に反映させるべきと考えますが、こんな感じ。

 

<被告(歩道自転車)の責任>

自転車は、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点又はその付近に自転車横断帯があるときは、当該自転車横断帯を利用しなければならないところ(道路交通法63条の7第1項)、被告は、進路前方に自転車横断帯があったにもかかわらず、これを利用することなく、本件道路を横断しようとしたのであって、被告が当該自転車横断帯を利用しなかったことを正当化することができるような合理的な理由は特に認められない。その上で、被告が本件道路を横断しようとした地点と直近の自転車横断帯又は本件横断歩道との距離に照らし、被告運転の自転車が自転車横断帯又は横断歩道上を通行していたのと同視し得るとまで評価することはできない。
そして、被告は、自転車横断帯を利用することなく本件道路を横断しようとするのならば、自車を歩道から車道に進入させるのに先立ち、少なくとも右方から走行してくる車両の有無、動静を十分に注視、確認した上で、車道に進入させるべきであったところ、対面する歩行者用信号の表示は赤信号であり、歩行者用信号Bの表示が青信号だったことから、右方から車両が走行してくることはないものと軽信して、上記のような注視、確認をすることなく、自車を車道に進入させて本件道路を横断しようとしたことから、原告運転の自転車と衝突するに至った。

(中略)

以上によれば、被告は、車道に自車を進入させるに際し、上記の注視、確認義務を怠ったものといわざるを得ない。

 

東京地裁 平成20年6月5日

<原告(車道通行のロードバイク)の責任>

道路交通法36条4項は、「車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。」と規定し、また同法38条1項は、「車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。」と規定している。
自転車は、車両であるから、「道路を横断する歩行者」と同視することはできず、また、被告は、本件横断歩道から約9.35m離れた地点から車道を横断しようとしたのであるから、「横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者等」と同視することもできないのは、原告らが主張する通りである。
しかしながら、被告が横断しようとした地点は、本件横断歩道からさほど離れていたわけではなく、また、歩道との段差がなく、歩道からの車両の進入が予定されていた箇所であったことに加え、原告運転の自転車が本件横断歩道を通過する際、車道信号A1の表示は赤信号であり、歩行者信号Bの表示は青信号であったのであるから、本件横断歩道上のみならず、被告運転の自転車が車道に進入してきた地点からも、本件道路を横断すべく車道に進入してくる歩行者や自転車があることは想定される状況にあったというべきである。そして被告にとってと同様に、原告にとっても、配電ボックス等の存在により、必ずしも見通しがよくなく、上記の箇所から車道への進入者等の存在は十分確認できない状況にあった。
したがって、原告は、自転車を運転して本件横断歩道を通過させるに際し、被告運転の自転車が車道に進入してきた地点から横断しようとする者がいることを予想して、減速して走行するなど、衝突することを回避する措置を講ずるべきだった義務があったところ、原告がこのような回避措置を講じたことは認められないから、本件事故の発生については原告にも一定の落ち度を認めるのが相当である。

 

東京地裁 平成20年6月5日

広い交差点を通過する自転車って、交差点内で灯火が変わる場合はだいぶ要注意。
冒頭の事故報道を見て、どっちが悪いかは信号灯火次第ですが、「広い交差点は自転車殺しだよなあ」と全く違う視点で見てました。

 

それこそ、バスが進行してきた道路から自転車が二段階右折する場合。

バスが進行してきた道路は①左折レーン、②左折右折レーン、③右折レーンの3通行帯。

 

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ダブル左折レーンのT字路で二段階右折とか、よほど交通量が少ない場合以外はチャレンジする気にもならない。
ダブル左折レーンをまっすぐ進むとこうなることは予見可能過ぎて…

自転車の二段階右折は第一通行帯からまっすぐ進むので、ダブル左折レーンでさらにT字路になるとノーチャンスに近い。

報道の事故については

報道の事故についてはどっちがどうなのかはわかりませんが、広い交差点については自転車は要注意。
黄色灯火でムリに突っ込んで交差点内で困るみたいなのは、スピードが遅い自転車&広い交差点ではありがちなパターンなので、広い交差点は要注意なのよね。

 

一般的に考えると、T字路の側道側から赤無視進入するとは考えにくいですが、そのあたりはバスのドラレコですぐにわかるでしょう。

 

なお勘違いする人がまあまあ多い気がしますが、交差点安全進行義務の話。

(交差点における他の車両等との関係等)
第三十六条
4 車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

この規定「できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない」だから事故を起こしたら違反と勘違いする人が多いけど、わざわざ「当該交差点の状況に応じ」とつけている。
信号無視して交差点に進入する車両を予見する注意義務はないので、相手が信号無視して進入したような回避不可能な事故のときまで違反が成立するわけではありません。


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