ちょっと前に質問を受けたケースで、こういうものがありました。
ロードバイクの性能の中でホイールが大きな要素であることはいろんなサイトで書いてあると思うのですが、予算が決まっていてどうしてもホイールまで資金が回せない場合、フレームの質を落としてでもホイールの資金を確保したほうがいいですか?
この方とは何度かメールのやり取りをさせてもらったのですが、最終的な結論としてはとりあえず最初に買おうと思った完成車を買って、ホイールのグレードアップは1年後とかに貯金して買ったらどうですか?というところで落ち着きました。
私は過去にこういう記事を書いているのですが、
http://roadbike-navi.xyz/archives/3207
この記事では、予算が30万までと決まっている場合、【完成車に30万をつぎ込む】という選択肢もあれば、【完成車20万+ホイール10万の計30万】という選択肢もあります。
この記事では走りという面で見ると、【完成車20万+ホイール10万】のほうが走り自体は良くなる可能性があるのでは?という形で書きました。
ただ、すぐにホイールを変える必要もないし、ホイール分は貯金して1年後なりに買ったほうがいいのでは?という意見もあります。
今回はこれを発展させて、ちょっと妄想記事です。
もし、以下の二つのロードバイクがあったとします。
1、低価格のアルミフレームに、最高級のカーボンホイール
2、最高級のカーボンフレームに、低価格のアルミホイール
両極端なものを比較した場合、どっちがいい走りをしそうなのかという妄想記事です。
※この記事はあくまでも妄想です。
それぞれのバイクの条件
ここは思い切って、超極端なケースを想定してみます。
1、低価格のアルミフレームに、最高級のカーボンホイール
例えばですが、低価格で買えるアルミフレームというと、TNI 7005MKというものがあります。
TNI 7005 MK-フレームセット ブラック
恐らくはアルミフレーム単体で買えるものとしては、最安値でしょう。
たぶんですが、8万円台のクラリス完成車のフレームも、このTNIのものとグレード的にはそう変わらないかと。
※決してこのTNIのフレームをバカにする意図があるわけではないので、ご理解ください。
そして最高級のカーボンホイールとなると、ここは一発ライトウェイトでしょう。
【中古】未使用 ライトウェイト Lightweight マイレンシュタイン MEILENSTEIN 2017年モデル クリンチャー カーボン フロント
ライトウェイトのマイレンシュタイン オーバーマイヤーは定価で69万円(税別)です。
ちなみに今のライトウェイトの代理店はポディウムですが、前の代理店のインターマックス時代はこれよりも20万近く高かった記憶があります。
2、最高級のカーボンフレーム+最廉価のアルミホイール
最高級のアルミフレームと言っても様々ありますが、例えばピナレロのドグマF10はフレームセットで68万(税別)です。
TIMEの2018年モデル、ALPE D’HUEZ01 LTD AKTIV FORKは75万(税別)ですね。
この際、どれでもいいですが60万円台後半以上のフレームとしましょうか。
これにつける最廉価のアルミホイールですが、ここは思い切って低価格完成車についてくる無名のホイールと想定しましょう。
この際、メリダだろうとジャイアントだろうとビアンキだろうとどれでもいいですが、前後合わせて2キロ超えといういわゆる鉄下駄ホイールを想定します。
この超両極端な二つを比べた場合、どっちが走行性能が高そうでしょうか?
妄想
価格
1と2の価格を比べた場合、フレーム+ホイールにかかる費用はどちらも似たようなもんです。
鉄下駄ホイールは市販されているわけではないので、だいたい1万円程度と考えましょうか。
そうすると総額はどちらも70万円程度に収まるかと思います。
ていうか、こんな極端なロードバイクを欲しがる人がいるとは思えませんが、どっちに乗っていても【なんか資金が足りなかったんですかね??】とツッコミが入りそうなロードバイクになりそうです。
重量
単純にフレームセット+ホイールの重量だけで見てみましょう。
1のTNIのフレームセットは、だいたいですがフレーム+フォークで2100gくらいはあります。
ライトウェイトのマイルシュタインオーバーマイヤーは前後合わせて900gちょっと。
ていうか、メッチャ軽いホイールですよね。
2のほうはどのフレームにするかで話は変わってきますが、フレーム800g+フォーク350gあたりが多いのではないでしょうか?
ここに前後合わせて2キロの鉄下駄が収まります。
理屈の上では、1のほうが総重量は軽くなりそうですが、それほど大きな差にはなりません。
まあ、あくまでも妄想記事なのですが、1のバイクも2のバイクも、実際にこんな構成で乗っている人はほぼいないと思います。
2のほうでハイエンドカーボンフレームに鉄下駄の組み合わせは、もしかしたらいるかもしれません。
普段使っているホイールが壊れて、緊急で手持ちの適当なホイールを付けた場合ですね。
あくまでも応急処置的な話だと思いますが。
どっちのほうが速そうか?
個人的な考え方ですが、たぶん1の【低価格アルミフレーム+最高級カーボンホイール】のほうが速そうな気がします。
走りの面では、ホイールの性能というのはフレームよりも大要素になることが多いと思っています。
なので1かなと。
ただ、所有欲としては2のほうなんじゃないかと思います。
やっぱフレームって目立ちますし、ハイエンドフレームだぜ!!というモチベーションは大きいかと。
ホイールについて突っ込まれたら、練習用だよとか手組ホイールが好きなんだとか適当な言い訳も効きますし。
ただし、これらは一般的なサイクリストの話です。
プロ選手とかになると、ホイールの重さはそこまで気にならないのかもしれません。
リムが重いということはそれだけ転がり時の減速が少ない可能性もありますし。
実際にはこんな超極端なスペックのロードバイクに乗っている人はいないと思います。
居たらごめんなさい。
今回のはあくまでも妄想記事なのですが、もしフレームセット+ホイールで70万使うとしたら、もっとバランスよくフレーム45万、ホイール25万とかそういう形にしたほうがいいのは間違いありません。
一般論としては、上で挙げた2つはどちらもバランスが悪いと言えるでしょう。
もし予算40万くらいなら
完成車を初めて買うとして、予算を40万に設定したとします。
これくらいの価格の場合、完成車に40万全てを突っ込むのもいいでしょうし、完成車30万+ホイール10万という構成にするのもアリかなと思います。
しかしながら、初心者がホイール選びするというのは、完成車選びよりも難しいかと思います。
ローハイトの軽量リム系がいいのか、アルミスポークを使った硬いホイールがいいのか、セミディープ系のホイールがいいのかなど、予算10万くらいでも全く性格が違うホイールがあるからです。
まだロードバイクに乗ったことがない人にとっては、いきなり自分の乗り方にあうホイールを選ぶということ自体が難しいかと。
平坦なところばかり走るのが好きだとか、山登りライドが好きだとか、ある程度方向性が自分の中で確立するまではホイール選びはなかなか難しいところです。
ボーラ35みたいにオールラウンドに活躍できるホイールもありますけど、なかなかの高値です。
Campagnolo – Bora One (ボーラワン) 35 クリンチャーホイールセット (2018)
なので初心者がロードバイクを買うときは、最初のうちはホイールのことは考えずに、予算全額を完成車につぎ込んだほうが満足度は高いかもしれませんね。
ある程度どういう乗り方をしたいなどの方向性が固まっているなら、このように最初からそこそこのホイールも買うつもりで予算を組んでもいいかもしれません。
初めての完成車選びで、時々ホイールのことも念頭に置いた質問が来ることがあります。
そういうメールを見るたびに【熱心に調べているんだなぁ】と感心させられることも多いです。
私が最初のロードバイクを買ったときは、正直そこまでは考えていませんでしたので。
昨日紹介したトレックのエモンダALRだったら、もちろんデフィルトのスペックでも十分楽しめますが、あのフレームはホイール変えたらかなり化けるんじゃないかと思わせてくれるだけの価値がありました。
http://roadbike-navi.xyz/archives/4971
最初からホイールを変えるつもりで予算を組んだら、面白いかもしれませんね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
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