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辺野古抗議活動の警備員死亡事故、防犯カメラ映像を検証に。

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6月に辺野古の抗議活動参加者が警備員の制止を振り切り強引に横断し、警備員の方が巻き込まれ死亡する事故がありましたが、防犯カメラ映像があったらしい。

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、現場付近に設置されたカメラに事故に至る状況が映っていることが10日、明らかになった。産経新聞が関係者からカメラ映像を入手し、確認した。県議会は11日、土木環境委員会で委員がこの映像を閲覧する方針。

事故は6月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で起きた。桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。警備員は死亡し、女性は重傷を負った。

映像や関係者らによると、死亡した警備員は当初、重傷を負った女性とは別の抗議者に対し、路上で対応していた。警備員は、この抗議者を歩道に誘導したが、歩道後方から足早に近づいてきた女性が警備員と抗議者の間をすり抜け、徐行しながら国道に向かうダンプカーの前に出る様子が映像に残されていた。

警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突。10秒ほどの出来事だった。

関係者は「明らかに女性は警備員の制止を無視して飛び出している。警備員は女性をかばうような形でダンプカーに巻き込まれた」と証言した。

県警はカメラ映像の解析を進め、詳しい事故原因を調べている。

一方、事故現場で牛歩による抗議活動をしてきた市民団体のメンバーによると、重傷を負った女性は「あえて飛び出したわけではない」と説明。この市民団体と連携する「オール沖縄会議」は7月、2人がダンプカーに巻き込まれたのは「車両乗入部」と呼ばれる歩道部分で、「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」だったと主張する資料を公表していた。

事故現場となった辺野古移設工事に使う土砂の搬出港周辺では、移設に反対する市民団体のメンバーらがダンプカーの前をゆっくりと横断して抗議する「牛歩戦術」が続けられてきた。

今回明らかになった映像によって、抗議者の女性がダンプカーの前に飛び出した可能性が高まった。これまで抗議者側は、女性は飛び出したわけではないとの姿勢を崩さず、「安全に配慮した抗議運動」を尊重すべきだとも主張していた。

また、骨を折る重傷を負った女性が「骨は折れても心は折れない」との言葉を残し、「市民」らが勇気づけられたとする地元報道もある。こうした状況に、警備員の遺族は「今までで一番憤りを感じる記事だった。本当に本当に許せないし、とてもつらい」と心を痛めていたとされる。

今月4日の県議会の一般質問で、遺族の「思い」を読み上げた自民党の島袋大県議によると、警備員の妻は「報道やSNS(交流サイト)では被害者(の女性)に非はなく、非があるのは強引な警備などではないかとの誹謗中傷がほとんど」と振り返り、「妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた。精神的につらく、心を痛めていた」と伝えてきたという。

映像には、徐行するダンプカーに近づく女性と、女性をかばうように制止しようとする警備員の姿が映っており、抗議者側の「主張」は崩れつつある。

<独自>辺野古抗議活動制止警備員死亡 事故映像を入手 11日に県議会で映像確認へ
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、現場付近に設置されたカメ…

「骨は折れても心は折れない」という迷言を見ると、この方々には何を言ってもムダな気がしますが、「車両乗入部」の解釈。

車両乗入部は道路法に基づき、歩道の一部を切り下げたり切り取って車両の乗り入れをしやすくする構造ですが、道路法による車両乗入部が道路交通法上どう扱われるかは別問題。
一例でいうと、「車道」の定義は道路法と道路交通法では差があり、歩道がある場合には道路交通法上は車道外側線の外側も車道ですが、道路法上は車道ではない。

道路法は主に道路の作り方についての法律で、道路交通法は人車の通行方法を規定しているので差がある。
道路交通法上、歩道とは縁石や工作物で仕切りが必要になりますが、

二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。

事故現場は縁石で「ここまでが歩道だよ」としているので、車両乗入部を歩道ではないと解釈するのは妥当。
しかしそこを車道と解釈するのも疑問が生じる。

 

確かに国土交通省のホームページにはこのような記述があります。

乗り入れ口であっても、そこは道路であり公共の場ですから、歩行者、自転車、その他一般の通行に優先して、この乗り入れ口を使用することができません。

自宅から国道への出入り口を設置したい |許認可・申請・道路施設損傷|道路事業|国土交通省 中部地方整備局 浜松河川国道事務所
「工事進捗情報」国土交通省 中部地方整備局 浜松河川国道事務所

国土交通省は道路交通法の解釈について示す立場ではないので(管轄違い)、これは通行上の優先権の話ではなく占有に係る話なのかと。

 

この事故って、警備会社の変更により強引な誘導が増えたみたいな話もありますが、

抗議の市民が歩道を渡り切ってからダンプを1台出す 暗黙の了解が「国の圧力」で一変、危険な誘導に 怒る運転手「事故の責任は現場の警備に」 | 沖縄タイムス+プラス
[安和の現場から 事故は防げなかったのか](1) ダンプカーによる死傷事故が起きた沖縄県名護市の安和桟橋。辺野古の新基地建設を巡り、2018年の土砂搬入開始とともに始まった抗議活動は、現場では事故を起こさないための「暗黙の了解」が出来上がり...

若干疑問なのは、確かに一部報道に偏りがあったとは言え、世論はむしろ警備員に同情的なんじゃないかと。
必ずしも「抗議者は悪くない、警備員が悪い」みたいな世論ではなかったと思っていたので(むしろ抗議活動家を非難する声のほうが多いと思っていた)、被害者遺族の立場からすれば悪い声ばかり聞こえてしまうんだなと思った。

 

ちなみにこの国の法律上、運転者は過失運転致死傷罪、警備員は業務上過失致死傷罪の嫌疑があるとして捜査対象になりますが、警備員の誘導は道路交通法上は規制効力がない。
とは言え、警備員の指示に従うことを信頼してもよいとして過失責任を否定した判例がいくつかある。
最高裁判所第一小法廷 昭和48年3月22日判決や大阪高裁 昭和62年5月1日判決など。

しかしながら、右Bによる交通規制が、道路交通法42条にいう交通整理にあたらないことは、原判決の判示するとおりであるが、右Bが北方から本件交差点に進入する車輛に対し赤旗により停止の合図をしていたものである以上、東方から同交差点に進入する車輛の運転者としては、北方から進行してくる車輛の運転者が右Bの停止の合図に従うことを信頼してよいのであつて、北方から進行してくる車輛の運転者が右Bの停止の合図を無視し同交差点に進入してくることまでを予想して徐行しなければならない業務上の注意義務はないものと解するのが相当である。

最高裁判所第一小法廷 昭和48年3月22日

私人による交通規制が行われている場合に、自動車運転者が右規制に従つていさえすれば必ず過失が否定されるということにならないのは当然である。しかし、私人による交通規制であつても、これを信頼して進行したため過失が否定される場合があることは、最高裁判所の判例(昭和48年3月22日第一小法廷判決・刑集27巻2号240頁)も認めるところであつて、結局、当該私人による交通規制の趣旨・目的、同人に課せられた任務・役割、同人が現実に行つていた規制の方法及びこれを前提とした当該場所における現実の交通状況等にかんがみ、これが自動車運転者にとつて信頼に値するものであると認められるときは、右規制に従つて進行する自動車運転者にとつて、本来同人に課せられている注意義務が軽減又は免除されることがあると解すべき

 

大阪高裁 昭和62年5月1日

刑事責任を問う上では信頼の原則が働く場面だったのか?という問題もありそうですが(民事はまた別問題)、「骨は折れても心は折れない」ってセリフは当たり屋行為と大差ないのではないかと思ってしまう。
なんにせよ、このような市民活動家の方々は私には理解できない範疇でしてね…

コメント

  1. カモがネギしょってる より:

    これも元は内地の人が無関心過ぎることが原因ですからね。
    火葬場は必要なんだから火葬場の建設を反対する周辺住民なんか火葬するなって言っていた人が、自宅の横が葬儀場の建設予定地になって滅茶苦茶反対してるとかコントみたいなことが現実に起きています。
    結局、自分に直接関係がない問題を真剣に考える人はほとんどいないので、多数決になれば直接影響を受ける人達が負けるのですよね。

    • roadbikenavi roadbikenavi より:

      コメントありがとうございます。

      確かに、無関係な人は無関心になりますよね。
      そこは難しい問題。

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