シマノが2018年モデルとして出してきたホイールに、WH-RS500というホイールがあるのは皆さんご存知だと思います。
R500ではなくRS500です。
R500というとクソ重い廉価ホイールとして有名なアレですが、今回出たのはRS500です。
さてこのRS500ですが、実態としては旧アルテグラ(WH-6800)と全く同じもののようです。
これについては前にも書きましたが、リムが1mm上がって重量が9g増したと書きましたが、リムハイトは全く同じ、重量は計測上の誤差という話です。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5036/
このホイールですが、なんだかんだ4万円弱で買えたりします。
なのでコスパは最高という見方も出来るのかもしれませんが、果たして鉄下駄からのグレードアップでRS500は買いなのでしょうか?
RS500はアルテグラグレード??
元々全く同じWH-6800については、明確にアルテグラグレードと言えました。
6800アルテグラの系列ですね。
ですが今回、RS500は全く同じホイールながらもアルテグラグレードから外れました。
私はこれについては英断だと思っています。
これについては何度も書いていますが、そもそもWH-6800自体がアルテグラと名乗っていたほうがおかしいわけです。
アルテグラというグレードは、コンポで見るとデュラエースに次ぐセカンドグレードです。
ここは疑う余地もないでしょう。
ところが、WH-6800は重量も1640gと決してセカンドグレードとはふさわしくないスペックでした。
これについてですが、シマノホイールの歴史上、仕方なくアルテグラを名乗っていただけだと思っています。
要はデュラエースグレードのホイールがあって、昔は今の【RSグレード】がありませんでした。
そのためデュラの次に来るレベルだからとアルテグラを名乗っていましたが、ホイールの性能を考えるとコンポのアルテグラとは程遠いものだったわけです。
そのうちRS80とかRS81グレードが出てきて、これらのホイールのウリは【デュラとリムが共通ですよ】というものでした。
なので本来はデュラに次ぐグレードというとRS81シリーズだったわけですが、先にWHー6800にアルテグラなんて名前を与えてしまった都合上、RS81はノングレード扱いになっていたわけですね。
私は常々、WH-6800というホイールはグレードで言うならティアグラ相当だと思っていました。
6800ホイールがあった時代にはデュラエースのアルミホイールとカーボンホイール(9000系)があり、RS81シリーズがありました。
個人的な感覚としては、
・デュラ相当・・・9000系のカーボンリム系
・アルテ相当・・・9000系のアルミリム系
・105相当・・・RS81シリーズ
・ティアグラ相当・・・WH-6800
こんな分類のほうが合っているのでは?と思っていましたが、今回のモデルチェンジでついにアルテグラの冠が取れたわけです。
性能と名前の乖離がなくなったわけです。
RS500はコスパ自体はよい
私の勝手な感想で、6800=RS500はティアグラ相当というほうがしっくり来る、と書きましたが、これは別にホイールの性能をダメ出ししているわけではありません。
実売3万円台で買えて、チューブレス対応で、重量も1649gですのでコスパ自体はいいホイールだと思っています。
今現在、シマノの分類でのRS500の扱いですが、前には【105グレード】として書いてあった気がするのですが、どこをみてもグレードが不明になっています。
なんでなのかはわかりませんが。
ただ、2018年モデルとしてのシマノホイールの格付けを見ていくと、
・トップグレード R9100系ホイール
・セカンドグレード WH-RS700-C30
・サードグレード WH-RS500
こういう流れであることは間違いないでしょう。
WH-RS500は『買い』なのか?
RS500も6800も同じホイールなので、評価は同じになります。
私自身、この旧アルテグラというホイールについての評価ですが、このホイールはチューブレスタイヤを使ってなんぼだと思っています。
クリンチャーを使うなら、タイヤは嵌めにくいだけだしさほどメリットを感じないです。
シマノのローハイトホイール全般に言える傾向ですが、C24を筆頭にさほど剛性が高いわけではありません。
このRS500も正直なところ、そういう印象です。
ただ、ロングライド目的であれば、乗り心地もよくチューブレス化することで振動吸収性もさらに上がるので、選択肢としては悪くはありません。
値段の割にはそこまで重くないというところもポイントですね。
クリンチャーでしか使わないなら、RS500は選択するメリットがありません。
チューブレスを低価格で体験でき、重量もそこそこというメリットがありましたが、この一年でその評価を脅かす存在が現れたわけです。
キシリウムエリートUSTが出て、立場が変わった
今までは低価格チューブレスというとやはりRS500(旧6800)が筆頭に上がっていたわけです。
しかしながら、昨年マヴィックが出してきたチューブレスホイールUSTにより、シマノチューブレスの意味合いが薄れてきたように感じます。
チューブレスホイール最大のデメリットというと、タイヤが嵌めにくい、タイヤを嵌めてもビートが上がりにくいということがありました。
コンプレサーじゃないとうまくビートが上がらないということすらありましたよね。
ところがマヴィックが出してきたUSTは、手で嵌めることができるし、携帯ポンプでもビートが上がりますよ~!という手軽さもウリにしています。
実際、キシリウムエリートUSTとかは、手で嵌めることは余裕だし、携帯ポンプでもビートが上がるというスグレモノです。
そうなってきた場合に、シマノチューブレスはちょっと設計が古いなぁとなり、チューブレスのデメリットが強調されてしまう感じがします。
ただ、キシリウムエリートUSTとRS500では定価も結構違いますし、ホイールのレベルとしてはキシエリのほうが2段階くらい上にあります。
ただ、実売レベルではそこまで大きな差があるわけでもないので、そうなってくるとRS500を積極的に選ぶ理由が薄れていく気がします。
Mavic【マビック】Ksyrium Elite UST Clincher Tubeless Road Wheelset 2018
重量 | F665g、R855g
ペア1520g |
リムハイト | F24mm、R26mm |
リム幅 | 17c(ワイドリム) |
スポーク数 | F18,R20 |
スポーク素材 | スチール |
ハブ | FTS-L スティール |
タイヤ | Yksion Pro UST
25c(260g) |
RS500のスペックはこちら。
シマノ WH-RS500 前後セット チューブレス・クリンチャー対応 アルミホイール EWHRS500FRL
売り上げランキング: 18,839
RS500 | |
対応タイヤ | チューブレス、クリンチャー |
リムサイズ | 622×15c |
リムハイト | 24mm |
リム外幅 | 20.8mm |
スポーク数 | F16,R20 |
重量 | F705g,R944g
ペア1649g |
私が見ている範囲ですが、時期にもよりますがこの二つのホイールの値段差が最も少ない時期で約1万円くらいです。
値段差が大きい時期だと2万円弱という感じでしょうか。
マヴィックの場合はタイヤ付きなので販売価格の差が1万円なら、タイヤのことを考えれば値段差はほとんどないとみることもできます。
RS500は安く買えて悪くない選択肢ということは認めますが、どうせならもう2歩くらい上にあるキシリウムエリートUSTのほうを個人的にはオススメします。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント