読者様から質問を頂いたのですが、ある方が発信した内容だそうな。

そして向かって右側の自転車走行空間を通行する際に、T字路ですが信号に従わず赤信号でも通過して問題ないのですか?
自転車道の標識はみあたりませんが、そもそも道路交通法上の自転車道(2条1項3号の3)は標識が必須要件ではない。
それを踏まえて、この自転車走行空間を自転車道/歩道のいずれの立場を採ったとしても、赤信号で自転車が進行したら信号無視になります。
◯自転車道と解釈した場合
自転車道は「車道」ですが、車道と車道が交差する場所を交差点とする(2条1項5号)。
横道路と交差しているので自転車道を含めて交差点と解釈しますが、赤信号規制は「停止位置を越えて進行するな」としている。
| 信号の種類 | 信号の意味 |
| 赤色の灯火 | 二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。 |
| 人の形の記号を有する赤色の灯火(歩行者自転車専用) | 二 特定小型原動機付自転車及び自転車は、道路の横断を始め、又は停止位置を越えて進行してはならないこと。 |
備考 この表において「停止位置」とは、次に掲げる位置(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前)をいう。
一 交差点(交差点の直近に横断歩道等がある場合においては、その横断歩道等の外側までの道路の部分を含む。以下この表において同じ。)の手前の場所にあつては、交差点の直前
自転車走行空間には停止線があるし、停止線を越えて進行するなとしている以上、信号規制の対象。
※道路左側に「歩行者自転車専用」の信号があるため、三灯式信号or歩行者信号のどちらに規制されるかはやや疑問。
◯歩道と解釈した場合
歩道と解釈した場合ですが、歩道は交差点の範囲に含まれない(2条1項5号)。
その上で信号規制の停止位置(備考2)はこのようになっている。
自転車走行空間にもクロスする横断歩道があるので、備考2によると交差点ではなくても赤信号で横断歩道の直前で停止して進行するなとしているので、どちらで解釈しても赤信号の規制対象かと(そもそも停止線があるという話なんだけど、歩道と解釈した場合に歩道上の停止線の効力がやや疑問なので、備考2を採用)。
ただまあ、以下を考えるとこの自転車走行空間は自転車道と解釈するのが妥当かと。
②歩道と解釈した場合、「歩道の自転車通行可」の標識がないので「やむを得ないと認められるとき」か「13歳未満と70歳以上」しかこの自転車走行空間を通行できないという珍事が起きる。
③歩道上に横断歩道を設置することはあり得ない。
④速度標識と駐停車標識が、自転車走行空間の「外」に設置されていることからみても、自転車走行空間も含めて規制されていると考えられること(歩道に速度標識や駐停車禁止標識の効力は及ばない。17条4項参照)。

したがってこの自転車走行空間は「自転車道」(法2条1項3号の3)と解釈するのが妥当かと。
ところで、このように信号規制の対象になっていることは必ずしも理解されてないので、残念ながら悪意がない信号無視が多発する。
さらにいえば自転車道を通行する自転車が無減速のまま信号無視し、青信号で横断する歩行者と交錯するリスクがあるわけで、

リスク回避のために、自転車道を交差点手前で打ち切り歩道に接続させ、さらに減速を強いるために車止めを設置する事例すらある。
歩道通行を事実上のデフォルトにしてきた自転車からすると、このようなT字路で信号規制の対象だとは思ってないのだから、仕方ないわな。
結局のところ、自転車ルールは分かりにくいという話でしかないんだけど、特定小型原付なんかは歩道扱いか自転車道扱いかで走行モードすら違うので、わりと深刻な問題なのよね。
自転車道にすれば自転車には常時徐行義務はないけど、このようなT字路では信号遵守が期待できず事故リスクが高まる。
実際のところ、「信号規制の対象ではない」という発想の人が多いだろうし事故予備軍としか言いようがないのですが…そこに悪意がないからむしろややこしいのよ。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。


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