ちょっと興味深い記事が配信されていたのですが、

飲酒運転の末に危険運転をして事故を起こした。
運転者に賠償責任があるのは明らかなところ、同乗者に「共同不法行為責任」を求め、さらに
車の名義人で元少年の雇い主の男性については、遺族側が指摘していた自動車損害賠償保障法違反には当たらないとした
正直なところこの一文が意味するところがなんなのかわからなかったのですが、下記報道を合わせて検討すると
雇い主だった男性についても「事故前に元少年に車を売却していたことを踏まえると車の所有権は元少年に移転したものと認められる」として、男性に対する賠償請求も棄却しました
金沢市の繁華街で飲酒運転の元少年が2人を死傷させたひき逃げ事件 金沢地裁は元少年に4800万円の賠償を命じる一方同乗者らの責任は認定せず 「同乗者らは全く責任がないわけではない」遺族は複雑な胸中(MRO北陸放送) - Yahoo!ニュース石川県金沢市の繁華街で2020年12月、当時19歳の元少年の飲酒運転により男女2人が死傷したひき逃げ事件をめぐり、死亡した当時78歳の女性の遺族が元少年や車に乗っていた友人ら5人に損害賠償を求めた民
要は雇い主がクルマの名義人になっていたけど、実際には元少年(運転者)に売却済みであった(つまり書類上の書き換え漏れ)。
名義が雇い主にある以上、運行供用者責任(自賠法3条)による賠償責任が雇い主にあると主張したものと考えられ、単なる書類上の話で雇い主は運行供用者ではないと判断したものと考えられる。
この報道を見たときに思ったのは、「どっち」なんだろうという疑問。
というのも、運転者である元少年に賠償責任があるのは明らかなので、あえて「同乗者について共同不法行為責任」や「名義上の雇い主について運行供用者責任」を追及した理由が
②社会的な意義として、実質的に同罪だという警告を発したかった
このどっちなのかは明らかではない。
おそらく両方の意味なんじゃないかと思われますが…
ただまあ、報道の悪いところが出ているなと思うのは、判決理由っておそらくもっと複雑なところ、記者が短文にまとめただけですよね。
後者の報道について「この判例のせいで同乗者が泥酔していたと主張して責任逃れするだけだ」みたいな論調をみかけますが、そこまで裁判って単純ではない。
ところで、同乗者の共同不法行為責任
や「名義人」の運行供用者責任を求めた趣旨からすると、元少年に賠償能力がない可能性が考えられる。
そして元少年についての賠償額にしても、自賠責保険(もしくは政府保障事業)の既払い分を除いての額なんじゃないかと予想されますが、
仮に元少年に賠償能力がないなら、裁判で賠償額が確定しても回収の目処は立たない。
裁判結果を見るときに、「なぜこのような裁判をしたのか?」という観点がないと、福井地裁判決なんかは読み間違える。
今回の報道の件は詳細不明ですが…
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。



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