ビアンキのミドルグレード以上のカーボンフレームには、カウンターヴェイル(Countervail)という振動吸収性素材が含まれています。
近年は各社、振動吸収性を高める仕組みを取り入れていることが多く、トレックのアイソスピードだったり、スペシャライズドのルーベに採用されているフューチャーショックだったりなど、様々な工夫が施されています。
トレックのアイソスピードやスペシャライズドのフューチャーショックは、仕掛けを作ることで振動吸収性を高めるようにしているのですが、ビアンキのカウンターヴェイルについては、フレーム素材だけで振動吸収性を最大限確保しようとする試みなわけです。
カウンターヴェイル(Countervail)
ビアンキのHPによると、このように記載されています。
「Countervail®(カウンターヴェイル)」(特許取得品)とは、振動を除去する他に類を見ない革新的な素材です。 マテリアル・サイエンス社と共同開発することで生まれたこのBIANCHI CVシステムは、独自のカーボン繊維構造と粘弾性を持ち、 フレームとフォークの剛性と強度を向上させながらも最大80%の振動を除去することができます。
http://www.japan.bianchi.com/technology/road/
カーボンの積層の中に、カウンターヴェイルの層を作ることで、素材自体で振動吸収性を高めようとするものです。
トレックのアイソスピードの場合、シートポストがわずかにしなるように動くために、ベアリングを配置している仕掛けです。
決してウニウニ動くようなものではないのですが、乗ってみると確かに振動吸収性の良さは感じます。
スペシャライズドのフューチャーショックの場合は、フォークのコラムの中にサスペンションを配置することにより、ハンドルが上下して振動を吸収します。
ビアンキの場合は、このような機械的な仕掛けを作るのではなくて、素材で振動吸収性を高めようとしているわけです。
自転車界でカウンターヴェイルの使用が許されているのはビアンキ一社のみです。
テニス界でもカウンターヴェイルは使用されており、錦織圭選手が使うラケットにもカウンターヴェイルが使われているのです。
カウンターヴェイルが搭載されている車種は
ロードバイクでは、以下の車種でカウンターヴェイルが使われています。
・スペシャリッシマ
【ボトルプレゼント】Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル SPECIALISSIMA DURA ACE (スペシャリッシマデュラエース)[カーボンフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]
・オルトレ XR4(ディスクもあり)
【ボトルプレゼント】Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル OLTRE XR4 DURA ACE Di2 (オルトレXR4デュラエースDi2)[カーボンフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]
・インフィニートCV
【在庫処分】2018 Bianchi ROADBIKE INFINITO CV ULTEGRA MIX(ビアンキ ロードバイク インフィニートCV アルテグラミックス完成車)
※2019モデルではディスクブレーキモデルしかありません。
・オルトレ XR3(ディスクもあり)
【ボトルプレゼント】Bianchi(ビアンキ) 2019年モデル OLTRE XR3 ULTEGRA (オルトレXR3アルテグラ)[カーボンフレーム][ロードバイク・ロードレーサー]
これ以外にもビアンキのカーボンフレームというと、エアロフレームのアリア、エンデュランスモデルのインテンソがありますが、アリアとインテンソにはカウンターヴェイルは採用されていません。
オルトレXR3はミドルグレードのカーボンフレームですが、かなり秀逸な出来です。
http://roadbike-navi.xyz/archives/5431
疲労感をかなり抑えることができるフレーム
近年のフレームは高剛性化する傾向にあったのですが、硬くなりすぎると振動吸収性が失われ、ライダーの疲労に直結するという弱点もありました。
ビアンキのカウンターヴェイルについては、フレーム剛性を保ちながらも、疲労を軽減する素材ということで、様々なスポーツ界から注目されているわけです。
オルトレXR3に試乗したときに、正直こっちを買うべきだったと思ったほどでした。
また最近はディスクブレーキ車も続々と登場してきていますが、ディスクブレーキ車はブレーキシステムの都合上、どうしてもフレーム強度と剛性を高めないと成り立ちません。
ハブ側で制動力が生まれるために、従来のリムブレーキ車のフレームよりも、エンドを硬くする必要があり、それが乗り味を変えてしまうという問題もありました。
そして、それを誤魔化すかのように、28cタイヤを付けて振動吸収性を高めてみたりなど・・・
カウンターヴェイルは、素材そのもので振動を除去するイメージで、決してシナって振動を吸収するわけではありません。
カウンターヴェイルという素材が、振動を最大80%も【カット】するわけです。
そういう意味でも、ディスクブレーキ車でも剛性と振動吸収性を保った作りをすることが可能な素材であるので、ディスクブレーキ車を欲しい人には、たまらない素材かもしれません。
サスペンション構造を作っての振動吸収もなかなかいいのですが、要は重量が増加するわけです。
仕掛けではなく素材で振動をカットしようとするので、重量面でも有利と言えますね。
ロングライドモデルでは、インフィニートCVは最強クラスと言っていいでしょう。
アップライト名ポジションで、かつカウンターヴェイルで振動吸収性もよいのに、加速性も高い一台なんですよね。
2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
ギミックよりも素材で勝負、なんかいいですね。
昔試し乗りしたムセウを思い出しました。
しっとりした上品な乗り味で、乗り変えるなら絶対ムセウだと思ったあの日……
まぁ、叶いませんでしたが(笑)
コメントありがとうございます。
目指す方向性は各社似ていても、アプローチが違うところも面白いですよね。