デローザのロードバイクについて、質問をいただきました。
はじめまして。
ロードバイクを買おうと思っていて、DE ROSAのSK Pininfarinaが欲しいのです。
ホイールもPininfarina wheelにしたいのですが、あるところに相談したところ、それは初心者向きではないと言われてしまいました。初心者向きではないという理由がよくわからないのと、僕は凝り性なので、最初に安いロードバイクを買ったとしてもすぐに高いものを買いなおすことになると思うので、最初からいいものが欲しいのです。
そんなに初心者に向かないのでしょうか?
回答いたします。
SK Pininfarina
SK Pininfarinaはデローザの中ではエアロフレームで、かつPininfarina wheelというフレームにデザインを合わせた特注品のホイールが存在するようです(別売りです)。
こちらがそのホイール。
このホイールですが、モノ自体はカンパニョーロの Bora Ultra 80 Tubular だそうです。
限定品なのですが、お値段は税別40万9千円。
エアロフレームですし、ディープリムですので迫力満点ですよね。
質問者さんには確かめたいことがあったので聞いたのですが、ロードバイクは一台目というお話です。
フレームセットの値段は、税別で348000円です。
初心者に向かない理由
まず、私がこの相談を受けたとしても、それは初心者向きではないと答えると思います。
理由ですが、フレームについては一旦置いといて、ホイールのほうです。
このホイールは、カーボンリム、80mmハイト、チューブラータイヤです。
カーボンリムだとブレーキ熱でリムが壊れるリスクが高いので、という面でも初心者向きではないのですが、そこよりも80mmハイトのディープリムのほうだと思います。
ディープリムは確かにド迫力でカッコいいのですが、横風に異常に弱いということが最大の問題点です。
ちょっと横風が吹いただけでかなりハンドル取られると思います。
具体的には、橋とか、すぐ横をトラックが通り抜けた場合などですね。
ロードバイクでは、80mmハイトのディープリムは、ほぼ使われません。
トライアスロンとかTTレースなら別でしょうけど、一般道を走るのに80mmハイトは、上級者でも嫌がると思います。
命の危険が出るようなリムハイトなので、上級者でも嫌がるような、上級者でもうまく扱えないようなホイールを、初心者が使うとどうなるかはお察しの通りかと。
ブレーキ熱の話に戻りますと、最近のカーボンリムは、昔よりもブレーキ熱に強くなっています。
カーボンリムはブレーキを当てっぱなしにするようなプレイをすると、リムに熱が溜まり、カーボンリムは歪んだり壊れたりします。
特に問題になるのは、峠の下りです。
まあ、80mmハイトのホイールで峠に行く人がいるとは思えませんが・・・
フレームについても、エアロフレームは前方からの空力向上を追及しているため、横風にはやや弱いです。
ただしホイールに比べると、その影響はまだ少ないかと思います。
ロードバイク一台目の人が、80mmハイトのディープリムを使いたいと言うなら、私なら全力で止めます。
50mmでも止めます。
ママチャリしか乗ったことがない人にとって、ロードバイクという時点で非常にヒラヒラした乗り心地に感じます。
タイヤは細いし、軽いし、やたら前傾姿勢だし。
ママチャリなんかとは比べ物にならないくらい、ヒラヒラして不安定な乗り物です。
そんな初心者さんにいきなり80mmハイトのディープリムというのは、自殺志願なのか?と思うほど危ない話です。
最初はローハイトリムのホイールから入ってみては?
これも考え方次第ですが、最初からいいものを買っておいたほうが得だ!という考えの人もいます。
その考え自体は否定しません。
フレームについては、どうしてもそのSK Pininfarinaがいいというのであれば、それでいいと思います。
オーソドックスなフレームに比べると横風の影響はありますが、ホイールに比べるとまだマシです。
で、とりあえず慣れるまで一年くらいは、ローハイトのホイールにして練習するのがいいのではないでしょうか?
SK Pininfarinaにはスーパーレコード、もしくはレコード完成車があるようですが、
こちらの完成車では、付いてくるホイールはカンパニョーロのシャマルウルトラになってます。
Campagnolo – Shamal Ultra (シャマルウルトラ) C17 クリンチャーホイールセット
ロードレースでも、80mmハイトのホイールなんてまず使われません。
ちょっと横風吹いただけで爆死しかねませんので、80mmハイトでサイクリングする人も皆無でしょう。
横風の影響は前輪に受けやすいので、前後でリムハイトが違うホイールを使う人もいます。
前に読者様からお借りした、ROVALホイールですが、
フロントは32mm。
リアは50mmにされていました。
カンパニョーロで言うと、ボーラには35mmと50mmがありますが、そこそこ慣れている人でも、フロントにディープリムを使うのは怖いという人もいます。
そういう人がいうディープリムも、せいぜい50mmの話です。
Campagnolo – Bora One (ボーラワン) 50 クリンチャーホイールセット (2018)
80mmハイトは、初心者には危険すぎます。
いいものを最初から買いたいという気持ちはわからなくもないですが、いいものが全ての人にとってベストではないので、どうしてもSK Pininfarinaに乗りたいのであれば、まずはローハイトリムのホイールを選んでならいいのではないでしょうか?
それで一年くらい練習したら、その後ディープに行こうとそれは自由ですが、それでも80mmはナシだと思われます。
ここ最近、ロードバイク買ってまもないという方から、安いディープリムホイールがないかと相談を受けましたが、確かにディープリムはカッコいいです。
ですが使いこなせないモノをいきなり投入すると、事故や怪我の原因になります。
初心者さんが中華カーボンの50mmを買って、ブレーキ熱で数ヶ月で壊したという話も聞いていますが、ディープリムの場合、横風とブレーキングについて自信がないと、危ないです。
ロードバイクに乗る上では、かっこいいかどうかと言うのは重要なファクターですが、それよりも安全性が第一なことは言うまでもありません。
50mm中華カーボンが5万円くらいで買えるからといって、安易に手を出す風潮も考え物だと思います。
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2011年頃からクロスバイクやロードバイクにはまった男子です。今乗っているのはLOOK765。
ひょんなことから訴訟を経験し(本人訴訟)、法律の勉強をする中で道路交通法にやたら詳しくなりました。なので自転車と関係がない道路交通法の解説もしています。なるべく判例や解説書などの見解を取り上げるようにしてます。
現在はちょっと体調不良につき、自転車はお休み中。本当は輪行が好きなのですが。ロードバイクのみならずツーリングバイクにも興味あり。
コメント
SKにコスカボ40を履かせています。
管理人さんがおっしゃる通り横風には気を使いますね。冬場の風の強い日の土手の上とか、橋を渡る時はかなり緊張します。
フレームは見た目より乗りやすく、ロングライドでも疲れは少ない方だと思います。硬すぎずいいフレームです。
エアロフレームなのでディープリムと思われるのはもっともですが、前輪だけでも40mm以下をオススメします。
コメントありがとうございます。
初心者でいきなり80mmは確実に自殺行為ですし、せいぜい35mmくらいから始めたら?と思ってます。
SK、カッコいいですよね。
ディープリムと合わせたくなる気持ちはわかりますが・・・
ロードバイク1台目の初心者です。
完成車のMadone SLR DiskにAeolus XXX6を履かせています。
三か月程乗って、横風に煽られる時があり、気を遣う場面がありました。
プロジェクトワンで購入時に、初心者だと伝えて、パーツ構成を店員の勧めで選んだのですが
間違いだったのかな?と、この記事を、拝見し感じています。
別のホイールへ交換するべきでしょうか?
コメントありがとうございます。
アイオロスは横風に強い設計と言われますが、あまり初心者には60mmは勧めないと思います。
ただし、もう既に使っているわけですので、今現在不安や危険を感じないようでしたら、特に変える必要性もないと思います。
「DE ROSA SK 横風」を検索してコチラに来ました。SKディスク52サイズにVISION METRON 55を履いています。タイヤはPIRELLI P-ZERO。実は風の影響で何度も怖い思いをしており、ハイトの低いリムへの交換を考えています。私は30年以上前にロードの選手で、乗りすぎてお尻を患い、下りてしまったのですが、1年前より最新のカーボンバイクで復活。見た目重視で技量に見合わないディープホイールを装着したのですが、下り坂で何度も怖い思いをしましたので目が覚めました。もう還暦に近いので体力は非力ですが、下りは無理してカッ飛んでいたところ、予想外の挙動が起こり事故りそうになりました。選手時代のクロモリロードではこのような経験は全くありませんでした。ハイト40以下にする事を強くオススメいたします。
コメントありがとうございます。
元選手でも、やっぱ怖いもんなのですね。
最近のエアロフレーム、クロモリと比べると横風に弱いんですかね?
ホイールの影響が強そうではありますが、前に違う読者様でも、ノーマルのフレームに比べるとエアロフレームは横風に煽られると言ってました。